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ロングビーチをディクソンが初制覇、佐藤琢磨は燃料切れで追突されて18位

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41回目のロング・ビーチ・グランプリを制したのは、チップ・ガナッシ・レーシングのスコット・ディクソンでした。アメリカ最大の市街地レースに参戦すること8回目、これまでのベストとなる予選3位のグリッドからスタートしたディクソンは、グリーンとともに予選2位のファン・パブロ・モントーヤをパスして2番手でターン1へ進入します。
 
その後ポールからスタートしたトップのカストロネベスと、2番手のディクソンを含む上位勢は29周目に最初のピット・イン。素早く作業を終えたカストロネベスが出ようとしたところ、ディクソンのチームメートであるトニー・カナーンが目の前にピット・インしてきたために出遅れ、ディクソンがトップへ浮上しました。
 
偶然にもチームメートのピット・インのタイミングに助けられたディクソンは、その後一度もリーダーの座を譲ることなく、アイスマンらしい完璧なレースを披露。これまで4位がベストだったロング・ビーチをついに制覇し、現役最多となる通算36勝目を達成しました。これは歴代5位となる記録で、ディクソンは11年連続で毎年優勝し、勝利したシーズンはこれで13年目となりました。
 
「ここに来るのが好きで、このイベントを愛していた。うまくレースをすることを楽しみにしていたんだけど、僕がリストに入ることは決してなかったよ」と語ったディクソン。「たくさんの人々のお蔭で、やっと制覇することができた。レースをリードするために、ピット・ストップがとても助けになったのは確かだ。クルマはとても速く、それを維持する必要があったね。これまでのキャリアで、この勝利は巨大だよ。ロング・ビーチのリストに、僕はついに入り込むことができて、ほんとうに幸せだ」
 
カストロネベスの2位は通算37回目で、ボビー・レイホールとタイの記録となる歴代2位に浮上(1946年以降)。トップはマリオ・アンドレッティの56回と、まだまだ先です。3位はモントーヤでランキング・トップを維持、カストロネベスとはわずか3ポイント差になりました。アメリカン・ホンダの地元でシボレーがトップ7を独占、ホンダのベストは8位のマルコ・アンドレッティでした。シボレーの地元デトロイトでリベンジなるか。
 
朝のプラクティスで10番手のタイムを出し、復活の兆しが見え始めた佐藤琢磨は予選20位からスタートしました。5周目に最初のフル・コース・コーションが発生し、翌周にピットへ入ってレッド・タイヤに交換した琢磨は徐々にポジションをアップ。予選16位からスタートしたチームメートのジャック・ホークスワースに追い着き、最後のピットを終えた後も15番手を走行していました。
 
迎えた最終ラップ、チームの燃料計算ミスによってスピードが落ち始め、最終ターンのヘアピンを立ち上がったところで突如減速。そこへ第2戦ルイジアナで接触したチャーリー・キンボールが後ろから突っ込み、さらに2台に先行されて最後は18位フィニッシュとなりました。
 
「後方からのスタートだったので、追い上げるにはタイミングが良くないといけないですし、どんな状況でも対応できるようにスタートしました」と語る琢磨。「しかしピット・ストップをはじめ、すべてのタイミングが悪かった気がしますし、ピット・ストップも遅かったので、流れとしてはあまり良くなかったです。燃料は計算でミスがあり、1ラップ短く計算していて、最終ラップでは燃料をかなりセーブしたのですが、最終コーナーを立ち上がったところで息が途絶えて、そこにキンボールがぶつかってきました」
 
第4戦アラバマはバーバー・モータースポーツ・パークのロード・コースを舞台に、26日にレースが開催されます。
 
●決勝リザルト

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