INDY CAR

セッティングを向上させたマシンで奮闘、武藤英紀は8位フィニッシュ

<Formula Dream Indy>

<2008 IRLインディカー・シリーズ第18戦サーファーズパラダイスNicon Indy 300>
【日 程】2008年10月24〜26日
【開催地】オーストラリア・クイーンズランド州エルストン
【コース】サーファーズパラダイス特設コース
【距 離】市街地特設コース:2.795マイル(4.497km)
【天 候】26日:快晴/気温24〜26℃
【時 間】午後0時40分〜(日本時間26日午前11時40分〜)

■■■10月26日決勝■■■
<大観衆が詰め掛けた決勝日>
 快晴に恵まれ、9万人を超す大勢のファンが見守る中、インディカーのウォームアップ走行がサーファーズパラダイスのストリートコースで行われた。路面コンディションは完全なドライで、気温は昨日までよりも高い。レースのスタート時には、気温、路面温度ともにさらに上昇するのは間違いないと見込まれていた。
 ピットに運び込まれた武藤英紀(アンドレッティ・グリーン・レーシング/AGR)のマシンは、昨日までとは異なるセッティングが施されていた。この日の午前中に行われたファイナルプラクティスは短いセッションだが、ここでも武藤たちは新しい何かをつかもうとしていた。決してギャンブルなどではなく、チームの狙いは明確で、期待されたとおりにこのセッションで武藤は今週のベストラップを記録した。

<決勝に向けてさらにセッティングを変更>
 決勝のスタートは午後1時前。AGRはウォームアップ走行後の3時間半のインターバルを利用し、セッティングをさらに変更、より多くのセッティングを試した。それがオーストラリアでのチームのテーマだからだ。今シーズン、ストリートコースではいいセッティングをつかめていなかった。ストリートコースではテスト機会がないため、今回は全セッションをフルに活用することにしていた。
 今シーズン、武藤はエンジニアリングスタッフと多くのディスカッションを通じて、さまざまな状況を想定した意見交換を行ってきた。エンジニアたちとしては、武藤がストリートコースではどんなマシンを好むのか、セッティング変更によってどのような変化が得られるのか、そういったことを完全に把握する必要がある。また、実際のレースウィークエンドでは、慎重な戦い方にならざるを得ない場合も出てくる。そこで、選手権ポイントのかからないこのラウンドで、できる限り多くのデータを集めようとしていた。そして、それは狙いどおりに達成された。

<スタートでは不運に見舞われるもすぐにポジションを回復>
 ローリングスタートから始まったレースは、スタート直後のシケインで前方を行くマシン同士が接触。武藤はスピンしたマシンとの接触を避けたために、ポジションを3つ下げてしまった。しかしその後、短時間で16位までポジションを挽回する。8周目に1回目のフルコースコーションが出されると、早々とピットに向かうマシンがあり、コース上に留まった武藤は11位まで順位を上げた。
 武藤は19周を終えたところで1回目のピットストップを行う。ここでクルーたちが奮闘し、同じタイミングでピットインしたオリオール・セルビア(KVレーシング)の前に出ることに成功。22周目に2回目のフルコースコーションが出されると、このタイミングでピットストップするマシンもあり、武藤はポジションを8位にアップした。

<後半に好タイムを連発>
 トップグループの中にはピットタイミングの悪さで順位を下げていたチームもあり、彼らはリスタート後に武藤をパスしていく。しかし、レース中盤の武藤は非常に安定したスピードと粘り強い走りを見せていた。2回目のピットストップを40周目に行った武藤は、その後も好ペースを好燃費で維持。ポジションを再び8位に上げ、いったん19位まで下がることもあったが、再度8位に上がり、チェッカー。納得のいくレース内容で、2008シーズンを締め括った。

■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「トライした新しいセッティングでいい感触をつかめた」

「スタートでいろいろあってポジションを落としましたが、その後にパスしていけましたし、レース中のラップタイムがトップとあまり差がなかったというのが大きいですね。今週末にここに来た時には4秒ぐらいあったのが徐々に縮まっていき、ようやく1秒差まで詰められました。スタート後のシケインでポジションダウンしたのは、今日のレースではフィニッシュポジションを重視するより、コース上にしっかり残り、レース中に新しいセットアップでハンドリングがどう変わっていくかをチームとして見たかったから、ということもあります。1周目の1コーナーでアクシデントを起こすようなことは絶対に避けなければなりませんでした。レースでトライしたセッティングは全体的にグリップが上がっていて、フロントのグリップが増えたことでマシンの向きを思うように変えられるようになっていました。トップとはまだ1秒の差があるので、今日のセッティングで満足するわけにはいきませんが、このコースはコーナーが15個もありますし、縮められない差ではないと思います」

<レイ・ガスリン:レースエンジニア>
「来シーズン序盤のストリートレースが楽しみ」

「レースには昨日までとは違うセッティングで臨んだが、ヒデキはとてもいいタイムをマークしていた。ポールポジションは無理でも、予選で十分にトップ10入りを果たせるところまでマシンの状態を仕上げられた。スタートの不運でポジションを大きく落としたが、遅いマシンはすぐにパスしたし、いい走りをしていたと思う。さらに、今回は作戦面も万全で、ポジションを徐々に上げていき、8位でフィニッシュできた。今週のレースを我々はテスト的な意味合いを強く持つものと捉え、大きな成果を得ることができた。多くのセッティングを試し、データを集め、ヒデキも自分たちもとても多くのことを学んだと思う。これで、来シーズン序盤のストリートレースには競争力のあるマシンを用意することができると信じている」

■■■決勝結果■■■
2.795マイル(4.497km)×60周=167.7マイル(269.829km) 出走24台

順位 No. ドライバー タイム 平均速度mph(km/h)

1位  6 R.ブリスコー 1:45’50.3868 95.068(152.997)
2位  9 S.ディクソン +0.5019 95.061(152.985)
3位 17 R.ハンター・レイ +9.1179 94.932(152.778)
4位 36 A.タグリアーニ +19.9844 94.770(152.517)
5位  5 O.セルビア +20.4376 94.763(152.506)

8位 27 武藤英紀 +55.7467 94.241(151.666)

※全車シャシー:ダラーラ/エンジン:Honda/タイヤ:ファイアストン