INDY CAR

レースは雨で短縮、武藤英紀は14位でフィニッシュ

<Formula Dream Indy>

<2008 IRLインディカー・シリーズ第11戦ナッシュビルFirestone Indy 200>
【日 程】2008年7月11〜12日
【開催地】テネシー州ナッシュビル
【コース】ナッシュビル・スーパースピードウェイ
【距 離】オーバルコース:1.33マイル(2.140km)
【天 候】12日:晴れのち曇り・雨/28〜31℃
【時 間】午後7時〜(日本時間13日午前9時〜)

■■■7月12日決勝■■■
<決勝用にセッティング変更したことが裏目に>
 自己キャリアベスト、3番グリッドからのスタートとなった武藤英紀は悪くないダッシュを見せた。5番グリッドスタートのスコット・ディクソンに先行を許すも、まずは4位で1周目を終えた。しかし、マシンのハンドリングは期待していたものではなく、燃料を多く搭載している状態で大きなアンダーステアが発生していた。予選日までとは異なるマシンセッティングを施してレースに臨んでいたが、それが裏目に出てしまったのだ。

<粘り強くトップ5を走行>
 それでも武藤はポジションをキープ。16周目に7番スタートのトニー・カナーンにパスされたが、その後はトップ5を粘り強く走っていた。3番手からのスタートとあって武藤のまわりはトップコンテンダーばかりで、今度はダン・ウェルドンが背後に迫ってきた。そのウェルドンを抑えていた武藤だったが、フロントタイヤのグリップ感は燃料が軽くなってからも向上せず、アンダーステアとの格闘が続く。そして、ウェルドンが武藤の横に並びかけた時、アクセルを一瞬緩めた武藤はアウト側に膨らんでスピードダウン。この周で武藤は1回目のピットストップへ向かうところだったが、イン側へラインを変えようとした時に後続車が武藤のインに飛び込み、さらに減速。順位を落としてピットロードに入らねばならなかった。

<ポジションアップを目指して>
 第1スティントが終わったところで、武藤の順位は13位に下がっていた。周回遅れの集団に埋もれて思うようにスピードアップできず、順位をひとつずつ挽回していく態勢にも持っていけない。そうして迎えたレース折り返し地点の100周目、アクシデントによるフルコースコーションが出された。武藤は1周の周回遅れになっていたため、ここでピットに入らない作戦を採ることにした。

<雨でレースは短縮>
 しかし、この作戦が功を奏することはなく、武藤は次のピットストップをグリーンフラッグ下で行うこととなった。レース中のセッティング変更でマシンのハンドリングは若干向上したが、トラフィックの中では順位を次々と挽回していく戦いはできなかった。
 138周目に微量ながら雨がパラつき、フルコースコーションの後、152周目にレースは再開された。しかし、165周目に再び雨が落ちてきて、レースは171周終了時点で赤旗中断。全車ピットに導かれ、天気の回復を待った。
 結局、この雨は止まず、主催者はレース再開を断念。チェッカーフラッグがコントロールラインに掲げられ、武藤はトップから2周遅れの14位で第11戦を終えた。レース終盤にはトップグループと遜色ないラップタイムを刻んでいただけに、第1スティント終了間際の大幅なポジションダウンが悔やまれるレースとなった。

■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「一気に何台も抜かれたことが大きく響いた」

「リヤのグリップを高くするセッティングに変更してレースに臨みましたが、それがうまくいきませんでした。ハンドリングは最初からアンダーステアが強く、トップ5を保っていたとはいえ、とても厳しいドライビングになっていました。ウェルドンにパスされた後、一気に何台にも抜かれたのがとても痛かったですね。あそこで5〜6位のままピットインできていれば、ゴール時にもそれぐらいの位置を保てていたと思うんです。あの時はタイミングも良くありませんでした。
 ちょうどピットに入るように言われていた周で、インへ寄ろうとしたら他のマシンがいて、それを抜いてからピットインしようとしたら、相手が意外に速くて抜き切れませんでした。逆に先に行かせてピットインしようとしたら、さらに何台かがイン側に来て、スピードを大きく落としてのピットインになってしまいました。ウェルドンにパスされる前など、予定より少し前でも自分の判断でピットに向かえば良かったのかもしれません。今日はピットイン直前に抜き切れなかったマシンがいたことで大きく順位を落としてしまった。そこが一番の反省点です」

<レイ・ガスリン:レースエンジニア>
「終盤の好ペースを考えるとピットインのタイミングが悔やまれる」

「第1スティントの終わりで大きく順位を下げた。あれがすべてだった。マシンのセッティングはベストではなく、大きなアンダーステアが発生していた。ウェルドンにパスされた後、ヒデキはタイヤかすを拾ったためかスピードを取り戻せず、そこで大きくポジションを下げた。レース終盤にはディクソンやウェルドンと同じペースで走れており、1回目のピットストップをその少し前の時点まで走っていた5位か6位で済ませていたら、今日のレースではその位置のままゴールすることができていたはずだ。それだけに、今日の結果は本当に悔しい。
 来週もレースはある。今度はロードコースのミド-オハイオだ。今週のレースのことは忘れ、来週のレースで頑張りたい。ヒデキは昨年、ミド-オハイオでインディカーをテストしているし、経験のあるコースなので好パフォーマンスを期待できると思う」

■■■決勝結果■■■
1.33マイル(2.140km)×171周=227.43マイル(365.935km)  出走24台

順位 No.  ドライバー     タイム     平均速度mph(km/h)

1位  9  S.ディクソン    1:30’04.6499  148.072(238.298)
2位 10  D.ウェルドン      +1.0680  148.043(238.252)
3位  3  H.カストロネベス    +5.6679  147.917(238.049)
4位 11  T.カナーン       +6.4612  147.896(238.015)
5位  7  D.パトリック      +7.8301  147.858(237.954)

14位 27  武藤英紀        2周遅れ  146.231(235.335)

※全車シャシー:ダラーラ/エンジン:Honda/タイヤ:ファイアストン

■■■ポイントスタンディング■■■

順位 No.  ドライバー     ポイント       ビハインド

1位  9  S.ディクソン      420        リーダー
2位  3  H.カストロネベス    357           -63
3位 10  D.ウェルドン      351           -69
4位 11  T.カナーン       339           -81
5位  7  D.パトリック      266          -154
6位 27  武藤英紀        254          -166