INDY CAR

初走行のカンザスで武藤英紀は予選13位を獲得

<Formula Dream Indy>
<2008 IRLインディカー・シリーズ 第4戦カンザスROAD RUNNER TURBO INDY 300>
【日 程】2008年4月26〜27日
【開催地】カンザス州カンザス・シティ
【コース】カンザス・スピードウェイ
【距 離】オーバルコース:1.5マイル(2.414km)
【天 候】26日:晴れ/気温:8〜17℃
<寒波に襲われたカンザス・シティ>
 IRLインディカー・シリーズ第4戦のレース・ウィークエンドを迎えたアメリカ中部のカンザス州カンザス・シティは運悪く寒気団に覆われ、プラクティスと予選がスケジュールされた走行初日は朝6時の気温が4℃という冷え込みとなった。気温と路面温度がともに低過ぎてタイヤが十分なパフォーマンスを発揮できないコンディションのため、プラクティスは予定より50分遅れの午前9時35分に開始された。
 
<未知のコースへ>
 カンザス・スピードウェイは全長1.5マイルのオーバルコース。武藤英紀は今回が初走行である。昨年出場していたインディプロ(インディライツ)・シリーズではレースを行っておらず、オフの間のカンザスは今回以上に寒いため、テストは計画すらできなかった。プラクティス1回目、武藤は45周を走り込みコースの特徴把握に努めた。
<プラクティス1回目は3番手につける>
 走行が始まっても気温は9℃と依然として低かった。それでも、日が照り続けたことでセッションが進むに連れて気温、路面温度ともに上昇。武藤は予定していたとおり、セッション終了間際にニュータイヤでコースインし、13番手から一気に3番手へとポジションを上げる25秒7126=平均時速212.814mph(約342.491km/h)をマークした。初めて走るコース、初めてのセッションであることを考慮すれば非常に良いパフォーマンスだ。
<トラブルに悩まされた2回目のプラクティス>
 プラクティス2回目は正午にスタート。武藤は与えられた45分間のセッションでレース用セッティングを進め、予選用セッティングのシミュレーションも行う予定だった。ところが、10周を走ったところで走行中にギヤがニュートラルに入ってしまうトラブル発生。ピットに戻ってチェックを行った後に走り始めたものの、再び同じトラブルが出たために14周を走ったのみで武藤はマシンを降りた。
<アタック4周目にタイヤのグリップ低下>
 今回の武藤の予選アタックはくじ引きで8番目と決まっていた。夕方になって風が強くなることも懸念されていたが、プラクティス2回目とほぼ変わらないコンディションで予選は行われた。
 今年からオーバルでの予選は4周の連続走行となっている。武藤の1周目は25秒9147で、2周目には25秒8台までタイムを上げた。3周目も同じく25秒8台のラップをマークしたが、4周目が25秒9209と計測ラップの中で最も遅いものとなった。
<出場27台のほぼ真ん中のグリッドを獲得>
 武藤はアタック4周目にタイヤのグリップが下がったのを感じ、アクセルを緩めねばならなかった。それが響いて、4周の合計タイムは1分43秒5646、平均時速は211.346mph(340.128km/h)という記録にとどまった。出場ドライバー全員がアタックを終えると、武藤の順位は13番手に決定。明日のレースに出場するのは27台のため、武藤はそのちょうど真ん中に位置するグリッドからスタートを切ることとなった。
■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「明日は粘り強い走りで上位を目指したい」
「予選でのマシンは基本的にアンダーステアが強くて、オーバーステアも出る乗りづらい状態になっていました。予選は4周を走りますが、AGRはダニカ・パトリックを除いて計測4周目にタイムがドロップしていたので、セッティングの方向性が違っていたのかな? と思います。
 決勝に向けてのセッティングも、2セッション目を走れなかったので完全に納得がいくまでには至っていません。これからチームメイト3人の意見を聞いて、明日はどんなふうに走るのか、エンジニアともよく相談して決めたいと思います。その結果セッティングが当たれば、前を行くマシンを抜いていけると思うし、外れたらかなり我慢を強いられるレースになるでしょうね。もしそうなったとしても、自分は粘り強く戦い抜き、上位フィニッシュを目指したいと思います」
<レイ・ガスリン:レースエンジニア>
「これからヒデキと相談して決勝セッティングを考える」
「予選結果は非常に悔しいものになった。走行前から8位から13位ぐらいになるだろうとは考えていたが、その中で最も悪い13位となってしまった。朝のプラクティスではマシンの仕上がりは良好だった。しかし、午後のセッションでトランスミッションが壊れたため、あといくつかの試したかったセッティングで走ることができなかった。予選シミュレーションも行い、ダウンフォースのレベルをどの程度に設定するかなどをチェックする予定だったが、それもできなかったことが予選でのパフォーマンスに響いていた。
 明日のレースでは、スタートが中団からになるため、序盤は厳しいものとなりそうだ。プラクティスの感じでは、レース用セッティングは決して悪くはない。しかし、本当に満足できるレベルには達していない。もう少しトラフィックの中でのアンダーステアを消す必要があると考えている。今日これからマシンのセッティングをどのようなものにするか、ヒデキとともにもう一度よく考え、レースではピットストップをうまくこなして上位へと食い込んでいけるよう全力を上げる」
■■■予選結果■■■
1.5マイル(2.414km)                   出走26台
順位 No. ドライバー    4周合計タイム   平均速度mph(km/h)
1位  9  S.ディクソン     1’42.0314   213.956(343.339)
2位 10  D.ウェルドン     1’42.4521   213.641(343.290)
3位  7  D.パトリック     1’42.6519   213.225(343.152)
4位 12  T.シェクター     1’42.8753   212.762(342.407)
5位  2  AJ.フォイトIV     1’43.0132   212.478(341.950)
13位 27  武藤英紀       1’43.5646   211.346(340.128)
※全車シャシー:ダラーラ/エンジン:Honda/タイヤ:ファイアストン