INDY CAR

インディ・カー・シリーズ第7戦リッチモンド[決勝日]フォト&レポート

<US-RACING>

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予選3位からスタートしたホーニッシュJr.は、トップを走行していたチームメイトのカストロネベスを38周目にパスすると、残りの周回数をリードし続け、見事今シーズン2度目の優勝を飾った。今回の優勝でポイントランキング4位だったホーニッシュJr.は、一気に2位にポジションアップ。トップのカストロネベスに5ポイント差まで迫った。2位には予選6位から追い上げてきたメイラが入った。ホーニッシュJr.には追いつくことができなかったが、このテクニカルなショートコースでピットストップの度に順位を落とすも次々と上位ドライバーをパスする見事な走りだった。あと一歩というレースが多いメイラの優勝する姿を早く見たいところだ。

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初日の予選が雨で途中から中止となり、決勝日の今日も天気予報では雷雨と予想されていた。リッチモンドはレース途中で雨が降り出したり、予選が中止になったりと、スケジュールが天候によって左右されることが多い。今日も雲行きは決してよくなく、厚い雲で覆われていた。スタートの撮影のため屋上で待機していると、コース場から北東の空はどんよりしていて明らかに雨が降っているのも分り、雷が落ちていた。その雲がコース上空に来ないことを願いながら撮影していたが、雲の流れは逆方角だったので、レース中は雨が降ることなく、若干の晴れ間も見える天候となった。観戦にきた多くのファンも雨で濡れることなく、レースを楽しむことができた一日となった。

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予選トップからスタートしたカストロネベスだが、ホーニッシュJr.とのバトルの末、レース序盤2番手に後退。その後、ホーニッシュJr.のペースには付いていけず、自身以下のマシンを先導するような形でレース中盤まで周回していった。「トラフィックの中でマシンはルーズだった。それでもトップ3でフィニッシュすることができると思ったんだけど、残り数周で右のリアタイヤがバーストしてしまったよ。なんとかフィニッシュまで走りきることができてよかったけどね。チームも優勝したし、ポイントリーダーをキープできたのは良かった」と、話した。3位を走行していたレース終盤、突然ペースダウンしたカストロネベス。最後には右リアタイヤがバーストし、ホイルだけの状態で走行することになったが、なんとか10位でフィニッシュした。カストロネベスは依然としてポイントリーダーとなり、ホーニッシュJr.が2位とペンスキーが現在ランキング・ワンツーに。シーズンも7戦が終了し、次戦のカンサスから後半戦へと突入。今後のランキング争いにも注目していきたい。

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今回、3位でフィニッシュしたフランキッティを筆頭にAGRが健闘した。フランキッティは、得意のショート・オーバルでリードするホーニッシュJr.に一時は追いつく走りをみせ、レースを盛り上げた。また、ルーキーのマルコもオープンテストから好調な走りをみせており、予選5位からスタートすると、チームメイトのフランキッティに次ぐ4位でフィニッシュした。この0.75マイルのテクニカルなコースでトップ5以内でのフィニッシュは、ベテラン・ドライバーでも難しい。インディ500からルーキーらしからぬ走りを披露しているマルコだが、AGRのチーム力がペンスキー、ターゲット・チップ・ガナッシと並ぶようになれば、もしかすると今シーズン中に優勝するのでは? という期待を持たせるパフォーマンスを見せている。今後の活躍が楽しみだ。

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予選8位からスタートした松浦は、レース序盤アンダーステアに悩まされ、ピットストップで調整を試みるが、マシンは安定した速さを保つことができずに12位でフィニッシュした。「すごくタフなレースでした。プラクティスまでの感じは良かったので、結構期待はしていたんですけどね。トップ10でフィニッシュすることができなくて残念です。このトラックはとても難しく、僕自身もショート・オーバルでのいいフィーリングを掴むことがまだできていません。ショート・オーバルでのドライビングをもっと改善するようにしないといけませんね。1周なら速いラップを出すことができるんですけど。次戦のカンザスではテストでも良い結果だったので、トップ5でフィニッシュするようにがんばります」と、レース後に話した松浦。次戦のカンザスでの走りに期待したい。

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今回のレースでホンダが、北米のフォーミュラーカー・レースで通算100勝目を飾った。1995年のニュー・ハンプシャーでアンドレ・リベイロが初優勝してから11年。今年はホンダのワンメイクとなったが、昨年までは常にライバル・メーカーの存在があり、それまで築いてきた勝利、そしてその道のりは並大抵のことではなかった。勝利を目指してきたホンダは、ワンメイクとなった今年は信頼性の高い壊れないエンジンを目標とし、全力を注いでいる。今後もアメリカン・フォーミュラー・カーで優勝を重ねて続けるホンダは、来年度からアメリカン・ル・マン・シリーズに参戦。スポーツ・カー・レースでの新たな挑戦にも期待したい。