INDY CAR

最終戦でHonda Indy V-8勢が1-2-3-4フィニッシュを達成。ダリオ・フランキッティが今シーズン2勝目をポール・トゥ・ウインで飾る

<Honda>
10月16日(日)・決勝
サーキット:カリフォルニア・スピードウェイ 天候:曇り 気温:21℃
IRL IndyCarシリーズも、いよいよ2005年度の最終戦を迎えた。アメリカ第2の都市、ロサンゼルス郊外フォンタナのカリフォルニア・スピードウェイで開催された400マイル・レースでは、Honda Indy V-8搭載のダラーラを駆るダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)が優勝。Hondaの2年連続マニュファクチャラーズ・タイトル獲得シーズンを有終の美で飾った。トニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)が2位でゴールし、3位、4位にもビットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング/Honda・パノス)、スコット・シャープ(デルファイ・フェルナンデス・レーシング/Honda・パノス)がそれぞれ入賞。Honda Indy V-8勢による1-2-3-4フィニッシュが達成された。今年のフィナーレには、カリフォルニア・スピードウェイが舞台として選ばれた。レースは土曜日と日曜日の2デーイベントとして開催され、2回のプラクティスと予選が行なわれた土曜日は快晴に恵まれたが、決勝前の空はどんよりと曇っていた。朝方は晴れ間が広がっていたフォンタナだったが、ウオームアップ走行を終えたところで、この地方では珍しい雨が降った。しかし、ジェット・ドライヤー・カーなどを投入して懸命の乾燥作業が続けられ、ほぼ予定どおりの午後1時に400マイルの長距離レースはスタートすることとなった。フォーメーションラップが始まると空から薄日が差し込むようになり、21台のスターティンググリッドにグリーンフラッグが振り下ろされた。
土曜日に行なわれた予選でキャリア2回目のポールポジション獲得を果たしたのは、フランキッティだった。ラップタイムは32秒8171で、平均時速は219.38マイル(=約353.011km)にも達した。今年のボンバーディア・ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得をすでに決定しているダニカ・パトリック(レイホール・レターマン・レーシング/Honda・パノス)は、予選4位と今回も素晴らしい活躍を見せた。昨年度Indy500ウィナーのバディ・ライス(レイホール・レターマン・レーシング/Honda・パノス)、今年度シリーズチャンピオンのダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)、ブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)、シャープ、昨年度シリーズチャンピオンのカナーンと、Honda Indy V-8勢はトップ10グリッドのうちの7つを占めた。
プラクティス1回目はウェルドンが、プラクティス2回目はフランキッティがトップタイムをマークし、決勝前のウオームアップではカナーンが最速タイムを記録するなど、Honda Indy V-8を使用するアンドレッティ・グリーン・レーシングがマシンをハイレベルに仕立て上げていることは明らかだった。ただし、最終戦は400マイルとシーズン中で2番目に数えられる長丁場である上、この日の天候は不安定で、いつ雨が降り出すかわからない状況でのスタートだった。レース距離の半分である200マイル(=100周)を超えればレースは成立し、その時点でトップを走っていた者が勝者となる。気象情報に注意を払い、レースが途中で終了する可能性も充分に考慮した作戦で戦うことが余儀なくされる難しいレースとなっていた。
ポールポジションからフランキッティがレース序盤を引っ張り、1回目のピットストップからはカナーンがトップを快走した。心配された天候の悪化はなく、この頃までにはレースが最後まで戦い抜かれる可能性が高まっていた。
3回目のピットストップを終えた後の131周目に、フランキッティはトップへと返り咲いた。終盤に向けてマシンの調子を上げた彼は、ゴールに向けて快走した。ゴール間近で2回のフルコースコーションが出されたが、フランキッティは確実なリスタートからトップの座を守った。激しくチャージしてきたのは、チームメイトのカナーンで、最後は2人の一騎打ちとなった。そして、フランキッティが今シーズン2勝目となる逃げ切りに成功した。カナーンは0.1117秒差の2位でゴール。3位にメイラ、4位にシャープが入賞し、Honda Indy V-8勢による1-2-3-4フィニッシュが達成された。日本勢はロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング/Honda・ダラーラ)がマシンのハンドリングに悩まされながらも16位。松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/Honda・パノス)は、ピットインの時にスピンを喫してリタイアに終わった。
全17戦で争われた2005年IRL IndyCarシリーズでは、Honda Indy V-8は12勝をマークして2年連続のマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得。ドライバー部門のポイントランキングでもウェルドン、カナーンの順で1位、2位を独占した。そして、ルーキー・オブ・ザ・イヤーは3年連続の獲得を果たした。
■ダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング) 優勝
「チームメイトのトニー(・カナーン)と2人で協力し合い、終盤土壇場のリスタート後には3位以下を引き離すことができた。しかし、僕とトニーの間にチームオーダーが出されることはなかったんだ。前を走っていた僕にすれば、もうオーバーテイクは無しだと決めてくれれば楽な状況だったんだけれどね。最後はトニーのマシンがぐんぐん迫ってきているのが見えていたけれど、インのラインを守り切ってゴールを目指した。昨日ここでポールポジションを獲得でき、今日のレースで優勝できたのは本当に嬉しい。シーズン最終戦で勝てたので、来年に向けての勢いを保つことができる」
■トニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング) 2位
「悔しい結果になった。最終ラップ、僕はダリオ(・フランキッティ)にアウトから並びかけるところまでいったんだ。ところが、シフトアップをしたところで何かが起き、急激に失速してしまった。勝った相手がチームメイトで良かったよ。もし誰か他のドライバーに勝たせる結果になっていたら、僕は自分に対する怒りを抑え切れなかっただろうね。多分、シフトミスだったんだと思う。ギアが一瞬入らなかったためにスピードダウンしてしまったんだろう。それでも、最終的に僕は2位でゴールできたし、優勝したのはチームメイトだった。シーズンの終え方としては、1-2フィニッシュは最高だと言っていいんじゃないかな」
■ヴィットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング) 3位
「決勝前のウオームアップとレースでの路面コンディションは、まったく違っていると言っていいぐらいだったよ。雨が降ってタイヤ・ラバーが流されてしまったのもその原因だろうね。スタート直後の路面はとても汚れていた。そんな状況でも僕らのマシンは最初からハンドリングが良かった。そして、それはゴールまで変わらなかった。それにしても、今日は最終戦だったからなのか、みんなのドライビングが激しく、いつもよりワイルドなレースになっていたね。3位という結果は喜ぶべきものだと思うし、最終戦でトップ3フィニッシュを飾れたんだから、来年に向けての勢いを保てるという意味でも嬉しいね」
■スコット・シャープ(デルファイ・フェルナンデス・レーシング) 4位
「最終戦を迎えるに当たって、僕らはシリーズランキングでのトップ5入りを目標においていたんだ。そして、今日の僕らは素晴らしいレースを戦い抜き、掲げた目標を達成した。とても嬉しいよ。今シーズン、チームは常に見事なピットワークを見せてくれた。それが僕らのアドバンテージになっていたんだ。そして、今日も彼らの作業の確実さとスピードに変わりはなかった。マシンの性能もフルに引き出せていたと思う。空気抵抗は削れるだけ削っていたし、セッティングもこれ以上のものはないぐらいに良いものになっていた。エンジニアたちの高い能力、そして最後まで休むことなく開発を続けてくれた頑張りや粘りにも深く感謝している」
■ロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング) 16位
「今週はずっとマシンのハンドリングが安定しないままでしたね。予選日に出ていたオーバーステアを消すために、アンダーステアのマシンへと変えようとした結果、レースでのマシンはオーバーステアもアンダーステアも両方出るようになっていました。特にトラフィックの中では、いつどっちにマシンのハンドリングが変化するかがわからなかったので、ピットストップでセッティングの変更を重ねていったんです。何とかゴールまで走り切ることはできましたが、最後のレースは思い切り戦いたかったですね。フラストレーションの溜まる内容となってしまい、本当に悔しいです」
■松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング) 19位
「スタート直後のハンドリングはオーバーステアで、そこからピットインでのセッティング変更でマシンをアンダーステアに持っていきました。そこから安定したラップタイムを出せるマシンへと調整を続けていったのですが、ピットストップに向かい、ピットロードへと入ろうというところでスピン、クラッシュとなってしまいました。ピットロードへの減速区間でもできる限りロスを小さくしようとしていて、ピットスピード制限の始まる区間に向けてブレーキングをしたところでした。クルー達は1年を通して本当に頑張ってくれたし、自分も冷静に戦うことができるまでに経験を積むことができた1年でした。来年またチャンスをもらえるのであれば、何としてもマシンを今以上のものへと仕上げ、常にトップグループで戦えるところまでいきたいと思います」
■ロバート・クラーク:HPD社長
「最終戦で勝てたことを大変喜んでいる。しかも、1-2-3-4フィニッシュを飾れたのだから、これ以上のシーズンの終え方はないと言っていいだろう。レースとは非常に不思議なもので、優勝などの褒美を手にできることで、チームなり、エンジン開発なりにさらなるエネルギー、勢いといったものが与えられていく。昨年も素晴らしいシーズンだったが、最終戦では勝つことができなかった。たくさんの勝利を挙げていながら最終戦で勝ってシーズンを終えられなかったことで悔しい思いをした。今年は最終戦で勝利でき、来年に向けての勢いを手に入れることができたと思う。シーズンを通してエンジンのパフォーマンスをコンスタントに向上させていくことができた。マニュファクチャラーズ・タイトルを今年も獲得し、ドライバー部門のタイトルも2年連続で手に入れることができたのは、自分たちが考えていた通りにHonda Indy V-8の性能を向上させ続けることができたからだと思う。その点で非常に満足のいくシーズンとなった。2005年シーズンは終了したが、来シーズンに向けて休まず開発を続けていく。マニュファクチャラーズ・テスト・デイも計画していた通りに1日残してあるので、12月に走行テストを行うつもりだ。そこでさらなるアドバンテージとなるものを見つけることができれば良いと思う」