INDY CAR

松浦孝亮、初レースでルーキー最上位(11位)フィニッシュ

<HONDA>
2004年IRL IndyCarシリーズの開幕戦「インディ300」がフロリダ州マイアミ郊外のホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催された。

松浦孝亮、初レースでルーキー最上位(11位)フィニッシュ

HONDA PRESS RELEASE

▽2004年3月1日

■ 決勝日:2月29日(日)
■開催地:フロリダ州ホームステッド
■コース全長:1.5マイル/約2.413km
■ サーキット:ホームステッド・マイアミ・スピードウェイ
■ 天候:晴れ
■ 気温:23度

トップと同一周回の11位で、初レースを終えた松浦孝亮選手

2004年IRL IndyCarシリーズの開幕戦「インディ300」がフロリダ州マイアミ郊外のホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催された。今年からIRLIndyCarシリーズを戦うルーキーの松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/Honda・Gフォース)が、彼にとって初めてのオーバル・レースを予選18位からスタートし、今年から参戦するルーキーの中で最上位となる11位でゴールした。レース序盤はアンダーステアに苦しみ、終盤にはギヤボックスや電気系のトラブルもあったが、どちらも大事には至らずトップと同一周回を保ったまま200周=300マイルを走り切った。

Honda Indy V-8勢はダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)が14番手グリッドからスタートして3位を獲得。ポールポジションからスタートしたバディ・ライス(チーム・レイホール/Honda・Gフォース)は、1回目のピットストップ直後にタイヤの空気漏れが発生して最後尾までポジションダウンする不運に見舞われたが、7位までポジションを挽回してフィニッシュした。トニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)は8位とHondaドライバー3人がトップ10入りを果たした。優勝は2001、2002年シリーズチャンピオンのサム・ホーニッシュJr.(チーム・ペンスキー)だった。

全長1.5マイルのホームステッド・マイアミ・スピードウェイは、フロリダ州南端の大都市マイアミのダウンタウンから南に約30マイルほど下ったところにある。このコースは昨年中に大幅な改修が行われ、6度だったバンクの傾斜が最大20度とされ、1周すべてをアクセル全開で走行可能な超高速コースに生まれ変わった。トップスピードは昨年の時速約207マイルから10マイルほどアップし、一番スピードの落ちる部分でも210マイル近くが保たれている。バンクがきつくされたことで、サイド・バイ・サイドの戦いがより一層激しく行われることにもなった。アクシデントなどによるフルコースコーションは5回出されたが、スタートからゴールまで息詰まる接戦が続き、ウィナーの平均スピードは時速151.094マイルという速いものとなった。スピードウェイに集まった大観衆はインディカーならではのバトル、最終周でトップが入れ替わるというエキサイティングなレースをおおいに堪能していた。

●ダン・ウェルドン(予選14位 決勝3位)
「チームワークで勝ちとった3位だ。予選結果にはガッカリしたが、今朝のプラクティスで僕の走りを見たチームメイトからアドバイスを得て、マシンに変更を施し、それが大きなハンドリング向上に繋がった。とてもおもしろく、そして忙しいレースだった。トップに立っていながらピットでエンジンストールをして遅れを取ったが、次のピットストップではクルーが頑張ってくれて再び僕をトップでピットアウトさせてくれた。AJ・フォイトIV(A.J.フォイト・エンタープライズ)のドラフティングを使えるところまで頑張ろうと走っていたが、チーム・ペンスキーの2台に追い越され、3位に下がってしまった。しかし、3位という順位はシーズンのスタートとしては決して悪くない」
●バディ・ライス(予選1位 決勝7位)
「良いシーズンのスタートが切れたと思う。レース前半のマシンはとてもハンドリングが良く、最初のピットストップまでは完璧だった。しかし、タイヤで何かを踏んでしまい、空気が漏れてピットに戻らねばならず、大きく遅れた。その時点でもまだレースは序盤で、上位にまで挽回して行くことができた。残念だったのは終盤にアンダーステアがどんどんと大きくなって、コーナリングスピードを下げなくてはならなかったことだ」
●トニー・カナーン(予選8位 決勝8位)
「決勝でのマシンはいいものになっていた。しかし、それは序盤だけで、後は苦しい戦いになった。まだセッティングは完璧ではなく、空気抵抗を減らさなければならないと感じた。まだシーズンは開幕したばかりだ。次のフェニックスではトップ争いに加わって行く」
●松浦孝亮(予選18位 決勝11位)
「本当に色々と勉強になったレースでした。アンダーステアを辛抱して走り、イエローが出て、ピットに入った時にセッティングを変えて行き、最後にはハンドリングが良くなり、トップグループと遜色のない走りができたと思います。こうして200周を走り切れたことでインディカー・レースがどういうものなのかを掴め、チームとってもいいデータが得られたと思います。レースは最後のピットストップの後が勝負だとわかりました。チームの作戦力も強いし、次からのレースが楽しみです」
●ブライアン・ハータ(予選5位 決勝13位)
「タイヤの空気漏れでコースがグリーンの時にピットインしなければならず、周回遅れに陥ってしまった。燃料のミクスチャーを最も薄くして燃費を上げ、1回少ないピットストップでトップと同一周回に戻ることも狙ったが、最後まで遅れを取り戻すことができなかった」
●グレッグ・レイ(予選15位 決勝14位)
「単独走行でのマシンはとても良かったが、トラフィックの中では苦しかった。他のマシンとの接触もあった。そして、この後からハンドリングは大幅にオーバーステアになった。それでもチームが頑張ってくれ、ピットストップも素早く、マシンのハンドリングもピットに入る度に改善してくれた」
●ダリオ・フランキッティ(予選4位 決勝17位)
「スタート直後のマシンは素晴らしく、手応えのあるレースができていた。しかし、1回目のピットストップで幾つかポジションを落とし、トラフィックの真ん中に入ることになってしまった。自分としては、そうした状況でもマシンが段々と良くなって行くのを感じていたので、いいレースにできると考えていたが、残念な結果となった」
●ロバート・クラーク HPD VP&ゼネラルマネージャー
「マシンのセッティングに苦しんだチームが多かったが、エンジンでの戦いでライバル達に負けてはいなかった。特に3位に入ったダン・ウェルドン、昨日ポールポジションを獲得したバディ・ライスは最後までアグレッシブにレースを戦ってくれたと思う。次のフェニックスに向けて課題を一つ一つ解決し、良い結果を出していきたい」

ホンダ勢のトップ3位でフィニッシュしたダン・ウェルドン選手。ポールポジションのバディ・ライス選手がトップでスタート