Keita Kawai

モデラーズ・サプリ〜待たれるアキュラARX-01のモデル化〜

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 インディカー、チャンプ・カーときて、次はアメリカン・ルマンのミニカーです。これまで1/18という大きなスケールをご紹介してきましたが、今回は現在手に入るダイキャスト・ミニカーの中でもっともポピュラーなスケールの1/43です。

 このスケールであれば、多くのメーカーから幅広い車種がリリースされていますので、スケールを統一すると言う意味では、最も市場が厚いと言えます。お金の制限さえなければ、F1のフルグリッドを揃えることだって可能です。F1に限らずラリーカーや耐久スポーツカー、一般市販車からオート・ショーのコンセプトカーまで、あらゆるマシンが網羅されているといっても過言ではありません。しかも、近年のダイキャスト・ミニカーは精巧さを増し、GPごとの細かな違いまでが再現される傾向にありますから、“ミニカー”とは言え、ハンドメイド・モデルにも引けをとらない完成度になっています。

 僕自身は昔から小さいスケールのトミカを集めているためか、実のところあまり小さいスケールに興味を持っていませんでした。ですが、数年前にプレゼントとしてマクラーレンMP4/15をいただいて以来、1/43の精巧さにほれ込んでしまい、年々その台数が確実に増えています。

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▲部屋に敷き詰められたトミカの箱。これでもまだ全体の半分です(汗)。

 F1に関しては自分で作るということを目標にしていますから、主にダイキャストで集めるのはF1以外の箱車やプロトタイプが中心。値段が値段ですからそれほど多く買っているわけにも行かないのですが、Gr.C&Gr.5マシンやGr.B&Gr.4ラリーを中心として特に気に入ったマシンだけを増やしている状況です。今回はアメリカン・ル・マンのモデルということで個人的な守備範囲を逸脱したシリーズのものですけど、前々からほしいと思っていた車種があったので、この機会に買ってみました。

 F1とならび絶大な人気を誇る耐久スポーツカーのミニカー。ル・マン24時間の優勝車はもちろん、かなりマイナーなマシンまでリリースされています。ダイキャスト・メーカーの多くがヨーロッパということで、ル・マン24時間およびル・マン・シリーズが多勢を占めるなかで、ALMSのマシンもあるだろうかと心配していましたが、そんなことは杞憂でした。

 探してみるとチャンピオン・マシンのアウディR10はもちろん、ペンスキーやダイソンのポルシェRSスパイダーなどのプロトタイプをはじめ、GTマシンも数多くリリースされています。ペンスキーの場合はいくつかバリエーションがあり、伝統のセブリング12時間は毎年のようにウイナー・モデルが出ていますので、予想していたよりは豊富な種類がありました。

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 その中で今回僕が選んだマシンはスパークモデルからリリースされたローラ・マツダの2008年セブリング仕様です。今シーズンまでマツダとジョイントを組んでいたBKレーシングのマシンで、レギュラードライバーのベン・デブリンとジェラルド・ボニーラのほか、来シーズン、ルクソー・ドラゴン・レーシングからインディカーにフル参戦する予定のラファエル・マトスが助っ人として加わっています。

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 ル・マンのマシンを中心に商品を展開するスパークの品質には定評があります。その分、他のメーカーに比べると若干値は張りますが、そんなことを忘れるほど良い出来です。

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 ローラ・マツダに関しては2007年バージョンもリリースされていますが、今シーズンはなんといってもこの鮮やかなBPカラーが特徴。かつてのBPは地味なロゴでしたが、現在のロゴに変わってからはとても印象的になり、このローラ・マツダのカラーもBPのロゴととても良くマッチしています。2007年のダークブルーを主体としてカラーリングに比べても明るい印象になったのではないでしょうか。

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▲グリーンとホワイトを仕切るグレーのステッチ模様は、ル・マン優勝マシンの787Bを連想させますね。

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 ところで、マツダはプチ・ル・マンからクローズド・ボディのローラをデビューさましたね。この新シャシーとなるローラB08/86に関しても、スパークからル・マン24時間で野田英樹選手が搭乗したアストン・マーチン・ローラとしてリリースされますので、クローズドのローラ・マツダのリリースも期待されます。Gr.Cを集めている僕としてはクローズド・スポーツカーの方が好みなので、プチ・ル・マン仕様のローラ・マツダが出ないかなと、日々ミニカー・メーカーのサイトをチェックしています。もちろん来シーズンからマツダとタッグを組むダイソン・レーシングのマシンも楽しみです。

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 さて、大変残念なのはアキュラのマシンがリリースされていないことです。前述のとおりミニカー・メーカーの多くがヨーロッパにあるためなのか、ALMSのみで走っているシャシーに関しては作られていないようなのです。アウディR10やポルシェRSスパイダーにしてもLM仕様が出された後にALMS仕様がでるという形になっていますからね。もちろん今回ご紹介したこのローラもヨーロッパで走っているシャシーなわけです。ライム・ロックでの初総合優勝、デトロイトでの総合ワン・ツー・スリー独占など、今シーズン目覚しい活躍を見せてくれたアキュラは、絶対にかかせないアイテムなんですけど・・・。いまのところリリースの予定はないですが、ぜひぜひアキュラのマシンをモデル化してもらいところですね。

次回はNASCARのミニカーをご紹介します。