Hiroyuki Saito

ブラジル旅情 −なんとか出発、そして到着−

カンザスのレースが終わり、慌しかったシーズンの序盤はやっと落ち着きを見せましたが、はっと気がつけば今週末からいよいよ“Month of May”がスタートしますよ。
 
今年から約2週間に開催期間が短縮されたインディ500。まぁ、このご時世では致し方ないことですし、僕らも滞在する期間が長ければながいほど、滞在費というものが掛かりますから、そういった意味で取材する側も経費削減にはなってはいるので助かってはいます。はい。
 
ともあれ、気がつけばスイス旅情2010年版もばたばたと終了していたので、いよいよブラジル旅情をお伝えしようと思った次第です。

−なんとか出発、そして到着−

2000年以来のブラジルで、どんなことが待ち受けているのか9割の不安(治安的な)と、それでも1割の期待(ブラジル美人とのあれやこれや的な)を胸に抱きながら、今年から同行することになったUS RACINGのコラムでお馴染みのロジャー安川と、ロサンゼルス空港で経由地となるワシントンDC行きの搭乗を待っていました。
 
遠い記憶では当時CARTだったシリーズのレース終了翌日に時間ができたので、リオデジャネイロのコパカバーナの海岸で自転車を借りてね、観光客や現地の人々が海岸で楽しんでいるのを横目でちらちら見ながらの危ういサイクリングをしました。
 
海岸で戯れている人たちの弾ける肌にかろうじて乗っている汗がまぶしくて、そんなの見ていたらとても喉が渇いたのでね、とってつけたような露店でココナッツの端を切ってストローを挿入しただけのココナッツ・ジュースを買いました。
 
テレビでは観たことのある光景の中で初めて飲むココナッツ・ジュースはちょっと生ぬるくて、そしてなんか甘くてね、想像していたのよりはおいしくないなって、少し苦笑いしながら一応、飲み干しました。
 
繁華街で襲われそうになったことや(実際、助手席に乗っていた知人はネックレスをつかまれたがなんとか回避)、山々に勝手に建てられた小屋のような人家の風景など、そんなことを思い出しながらね、ロジャーと待っていたのですが、ふっと気がつけばワシントンDC行きの便が遅れているとフライトの発着時刻が表示されたモニターに表示されているんです。
 
最初の表示時刻は乗り継ぎには間に合うくらいの遅れだったのでね、まぁ、大丈夫だろうと二人で高をくくってのんびりしすぎたせいか、いつの間にか表示時刻は更に遅れた時刻になっていて「あらららら、こりゃ、まずい」と、ロジャーが受付へと交渉しに行きました。
 
「なんでもっと早く来ないのよ?」って、受付の人に言われたよって、ちょっとばつが悪そうにロジャーが戻ってきました。結局は当初の予定のワシントンDC経由では、ブラジル行きの便に乗り継ぐことがもうできないほど遅れていることが判明し、急遽、シカゴ経由でブラジル入国することになったのです。
 
まぁ、その日中に飛んで予定した到着日にブラジルに入れるだけ幸せだなと思いつつ、シカゴ行きのゲートへと向かったのでした。シカゴに到着し、フードコートでホットドッグをたいらげてサンパウロ行きの飛行機に乗ると、レース場でよく見かけるIRLオフィシャルの姿をちらほらと見かけました。
 
チャンピオンドライバーのスコット・ディクソン夫婦も同じ飛行機に乗っていました。みんなインディアナポリスからシカゴを経由してこのフライトで現地に入るんですね。意外と関係者が多かったので、それはそれで安心と毛布を抱きながら、浅い眠りについたのでした。
 
離陸から約10時間30分後、飛行機はグアルーリョス国際空港に到着し、このために取得したブラジルビザを入国審査で見せて無事入国。ほっと胸をなでおろし、バッケージ・クレームに向かいます。急遽、飛行機が変わったので荷物がちゃんと届いているかが、今度は入国のときよりも心配になりました。
 
ロジャーのスーツケースが先に出てきたので、ちゃんとロサンゼルスでの指示が伝わったことは確認できました。が、僕の荷物がなかなか出てこなかったのでね、かなりどきどきしたのですが、しばらくして見慣れた赤いステッチが入った黒いボストンバック(まだタバコマネーが使えた頃に、ペンスキーがメディアセンターで配ったバック)が出てきて、再び胸をなでおろしました。一日に2回も胸をなでおろすことってそうないですけどね。
 

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空港到着ロビーに出た僕達は、タクシーで今回泊まるホテルに向かおうと思っていたのですが、そのロビーには到着したばかりの関係者がおもむろに集まっています。すると、現地のレース関係者と思われるイベントTシャツを着た若者達が、そんな路頭に迷ったようなチーム関係者をなんとか束ねています。
 

 
イベントTシャツを着たひとりの女の子に話を聞くと、レース場内にあるホテル、ホリデイ・インまでレース関係者をシャトルバスで送迎しているとのこと。僕らもそのホテルに泊まるメディアなんだけど便乗していいだろうかと、ダメもとで聞いてみたらね、持っていた登録用紙みたいなので何かを確認したあと「いいですよ」と承諾してくれたんです。
 
もし、オリジナルのフライトで到着していたら、このイベント関係者と会えていたのかも分からなかったかし、今居るこの集団と同じフライトになったことでね、慣れていない異国の地で不安も無く(まったくということではないけど)、ホテルまで身をゆだねることができることになったのです。
 
そういった意味では飛行機が遅れて乗れなくなって良かったのかもしれないなって思いつつ、イベントTシャツを着た女の子のあとについて10年ぶりのブラジルも悪くないなって空港の外へと向かったのでした。
 
今回はこの辺にしておいて、次回は空港からホテルの部屋までの様子をお伝えしたいと思います。この調子だと、ブラジル旅情、結構、長くなりそうですよ。