CHAMP CAR

チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第1戦 ラスベガス[二日日]フォト&レポート

画像

2007年最初のポール・ポジションを勝ち取ったのは、チーム・オーストラリアのウィル・パワー。昨日はクラッシュを喫してチームメイトの後塵を拝したが、最終予選では昨年のルーキー・オブ・ザ・イヤーの実力を見せ、昨日の予選トップ・タイムを2秒近く更新する1分17秒629の驚異的なタイムでポールを獲得した。今日のパワーはプラクティスから好調を維持し、午前のセッションでトップ・タイムを記録、予選直前プラクティスでもブルデイに次いで2番手タイムをマークしていた。予選の序盤は遅いマシンに引っかかり、タイムが伸びなかったが、予選開始13分には1分18秒台のタイムを記録してトップに浮上。レッド・フラッグによる中断をはさみ、再開されたセッションではさらにタイムを更新する。ひとりだけ1分17秒台に入れるスーパー・ラップで、昨年のオーストラリア以来となる2度目のポールを確定させた。ピットに戻ってきたパワーは、よほど嬉しいのか、マシンに抱きつく微笑ましい光景が見られた。「みんなにとっても、最初のコーナーを抜けることが、レースをやる上で重要なことだと思う」と、すでに明日のレースを見据えているパワー。昨年、地元オーストラリアで果たせなかった初優勝を、ラスベガスで狙う。

画像

昨日の第一予選でトップ・タイムをマークし、フロント・ロー・スタートがすでに確定しているポール・トレイシー。午前中のプラクティスでは3位につけたが、午後からはタイムが伸び悩み、苦しい戦いを強いられる。昨日すでに1セットのレッド・タイヤを使ってしまっていることもあって、トレイシーはなかなか1分20秒台をきることが出来ない。2回目のアタックでようやく1分19秒625をマークし、9番手までポジションを上げるが、タイム・アップもここまでが精一杯だった。「ターン11の後のバンプがなくなったからね。昨日はあのバンプを有利に使えて、あそこでプッシュして速くなったんだけど。これでタイミングを合わせづらくなるから、今朝のグラハム(レイホール)のアクシデントと同じように、縁石に当たる恐れがあるよ」と話すトレイシー。昨日の予選で1位となり、すでにフロント・ローが確定していたとはいえ、ポール・ポジションのパワーとは約2秒もの差がある。大ベテランのトレイシーがこの差をどう巻き返すか、明日のレースに期待したい。

画像

3番グリットを手に入れたのは、ミナルディ・チームUSAのロバート・ドーンボス。昨日は6位だったF1経験者のルーキーが、ベテラン勢を押しのけて堂々の2番手タイムをマークした。「ほんとうにうまくいったよ。とにかく最後はかなりプッシュしたんだ」と今日の予選を振り返るドーンボス。昨日予選2番手だったペイジニューが5位になったため、ルーキー勢トップで明日のレースをスタートする。「ミナルディ・チームUSAにとって、信じられないくらいすばらしい2007年のスタートとなった」と話すのは、オーナーのポール・ストッダート。F1では常に下位に甘んじ、悔しい思いの連続だったが、チャンプ・カーでは新生ミナルディが早くも活躍を見せた。

画像

朝から快晴となったラスベガス。気温は朝のうち25度だったのが、午後になると31度まで上昇した。普段は乾燥しているラスベガスだが、今は嵐が近づいているために湿度が高くなり、昨日と同様に蒸し暑かった。コースで写真を撮っていると、すぐに喉が乾いてしまう。プールに入っている人たちが、とてもうらやましかった・・・。

画像

3年連続チャンピオンのブルデイは、初日から厳しい戦いを強いられている。昨日の予選は3位に入ったものの、電気系のトラブルに見舞われた末、残り10分しか走行できなかった。起死回生を狙った二日目、予選ではアタック中にブルデイらしからぬミスを犯し、ターン9のウォールに右リア・タイヤをヒット。何とかターン10までマシンを運んだが、そのまま止めるしかなかった。「マシンがアンダーステアで、避けられなかったよ。コーナーの進入で少しマシンがアウトにはらんでしまい、すぐにマシンがウォールに近づいていって、少しだけリアを当ててしまったんだ」と状況を説明するブルデイ。これでセッションはレッド・フラッグとなり、ブルデイの最速ラップは取り消されてしまう。アタック開始からわずか2周目の出来事であり、ブルデイは有効なタイムを計測することなく、戦線離脱を余儀なくされた。他のドライバーはレッド・タイヤを使用し、ほぼ全員がタイムを更新したため、ブルデイは16番手からのスタートとなる。今まで困難な状況に直面しても、そのつど打開してきたブルデイ。明日は後方からどんなレースを見せてくれるのか、眼が離せない。

画像

今年から新たにチャンプ・カーのアトラクションとなるのが、ミナルディの2シーターF1マシンによる同乗走行だ。マシンのコードネームはミナルディF1X2で、今週は2台のマシンがコースを走っていた。ちなみにこの2シーター・マシン、ミナルディ・チームUSAのオーナーであるポール・ストッダートが、2000年からプロモーションなどに使用しており、一時期はこのマシンを何台も製造してレースまで行っていた。あのナイジェル・マンセルやミハエル・シューマッハもステアリングを握ったことがある。昨年は各国のサーキットで1周2000ユーロ(日本円で32万円!)で同乗体験が行われ、かなり好評を博したんだとか。エンジンはコスワース製の3リッターV10。レブリミットは1万6000回転に抑えられているものの、搾り出されるパワーはなんと700馬力にのぼる。チャンプ・カーのターボ・エンジンとは明らかに異なる甲高いエンジン音で、コースを駆け抜けていた。一度乗ってみたいです。

画像

画像

今年、中国で初めてレースが開催されることになったが、残念ながら現在は中国人どころか、アジア系のドライバーが一人もいない。そんな中、アトランティック・シリーズにテンジー・ヤンという中国人ドライバーがデビューした。ブルックス・アソシエイツ・レーシングから出場するヤンは、フォーミュラ・ルノーやA1GPを経て、アトランティックへ。マシンのサイドポンツーンには、しっかりチャンプ・カー中国GPのロゴが貼られており、中国のレースだけはチャンプ・カーに乗るかもしれないと言われている。しかし今回の予選はトップから4.3秒遅れの26位と、まだまだこれから。中国のレースまでに、間に合うんでしょうか。

画像

パドックに展示されていたチャンプ・カーのエンジン。昨年までスポンサーを務めていたフォードが撤退したことにより、フォード・オーバルのロゴがエンジンから消え、変わりにチャンプ・カーのロゴがついている。設立時からフォードとの関係が深いコスワースだが、かつて、傑作エンジンであるコスワースDFXを供給していた1975年から1991年までは、コスワース単独でエンジンを供給していたのだ。チャンプ・カーでフォードのバッジがつき、フォード・コスワースとなったのは1992年からのこと。長年チャンプカーをサポートしていたフォードの撤退はとても残念だが、現在はカルコーベンがコスワースを所有しており、今シーズン16年ぶりにコスワース単独の名称が復活することになった。

画像

今回のラスベガス・グランプリはチャンプ・カーがメインで、サポート・シリーズのアトランティックと、往年のグランプリ・カーがエントリーして行われるヒストリック・グランプリの3レースが開催されている。午前と午後に3セッションずつの走行が行われるのだが、各セッションの合間に時間を設け、歩行者や車がコースを通過できるようになっている。カジノを中心としたホテルもコース内にあるので、主催者はそのような配慮が必要だ。フレモント・ストリートの中心地にゴールデン・ナゲット・ホテルがあり、このホテルに泊まっているカメラマンがいるのだが、「午前6時から午後6時まで駐車場から車が出せない」と、ぼやいていた。でも、この周辺のホテルはどこも一杯で、この地域に大きな経済効果をもたらしているのは間違いない。

画像

ピットの裏側には巨大な仮設パビリオンが3棟も設置されており、各チームのトレーラーがこの中に収納され、マシンのメンテナンスが行われていた。中は蒸し暑いのかと思ったら、これまた巨大なエアコンが設置されていて、ひんやりと涼しい。観客達の憩いの場になっていた。

画像

巨大パビリオンの中は、トレーラーを設置しても十分なスペースがあり、いろいろなブースが設置されていた。その中でもラスベガスらしいな、と思ったのがこれ。ラスベガスではドライブ・スルーで結婚式ができると聞いていたが、このパビリオンの中には、なんと“ウエディング・ピット・ストップ”がありました。ラスベガス・グランプリだけにスルーじゃなくて、ピット・ストップなのがちょいと粋ですね。でも、本当に結婚する人たちがいるんだろうか、そっちのほうが興味深い。

画像

これもちょっと珍しい、テコンドーの実演講習。子供達も結構楽しみながら、先生のマネをしていました。テーブルに置いてあるヌンチャクをどう使うのか、気になるところです。

画像

メディア・センターから写したパビリオンの様子。その規模の大きさにも驚きますが、これがすべて仮設物だということにもっと驚きです。レース・ウィークが終わるとすべて撤去されてしまい、再び更地になってしまうんでしょう。