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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第14戦メキシコ・シティ[初日]フォト&レポート

<US-RACING>

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2週間前のサーファーズ・パラダイスで3年連続チャンピオンを決めたブルデイ。今週末の最終戦はチャンピオン争いのプレッシャーから開放されたはずだが、ブルデイとニューマン/ハース・レーシングは相変わらずの強さを見せ付けている。予選前プラクティスこそ振るわなかったものの、予選ではしっかりとまとめあげ、手負いのウイルソンを0.111秒差で退けてトップに立ち、今シーズンの彼の強さを象徴するようなセッションとなった。これで7戦連続のフロント・ロー・スタート。よほど相性がよいのかメキシコシティでは2回のポール・ポジションを含む初出場以来4年連続フロント・ローを獲得したことになる。戦闘機の撃墜マークのようにマシン・サイドいっぱいに張られているポール・ポジションと優勝を示すステッカー。明日またこのマクドナルドのマシンにもう一つブリヂストンのステッカーは加わるのだろうか。

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前回のサーファーズ・パラダイスで負傷してしまいレースを棄権したウイルソンだったが、午前中のプラクティスでは見事にトップ・タイムをマークして、続く予選でもしっかりと暫定2位に付けた。またチーム・メイトのブリスコーも参戦2戦目ながらこの予選では5位とまずまずの結果を出している。シリーズ終了を間近に控え、チーム売却のうわさも出ており、一説ではPKV共同オーナーの一人であるダン・ペティットが買取るなんていう話も聞かれるルー・スポーツは、シーズン・オフにかけて目の離せない存在となっている。しかしそんな状況下でもチームはしっかりと仕事をこなしているようだ。今シーズンは終盤でチャンピオン獲得のチャンスを逃してしまったウイルソンではあるが、昨年の覇者として明日の最終予選と日曜日の決勝レースではまた一花咲かしてくれるかもしれない。

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2007年に新規参入するチームのひとつとして名乗りを上げているパシフィック・コースト・モータースポーツが、午後の予選前に記者会見を開いてチームの近状を語った。現在グランダム・シリーズで活躍中のPCMだが、2004年にアトランティック・シリーズではジョン・フォガティのドライブでチャンピオンに輝いているのだ。代表者のタイラー・タデヴィックによると、チームは資金やスタッフの面でも準備が整いつつあり、来期参戦を目指して最終段階へと向かっているとのこと。「我々のような若いチームにとっては、スタッフ同士の相性が非常に重要だ。それぞれがどのようにチームに関わってゆくかがチームの方向性を考える際のキーとなるのだ。各人材を適材適所に配置することは、おそらく各自の持つ技術そのものよりも重要視されるだろう。全員が協調性を持って仕事に挑む姿勢が必要だ」とチーム・マネージャーのマイケル・ハーヴィーは語る。ドライバーのラインアップはチャンプ・カーにスポット参戦した経験を持つライアン・ディエルと、グランダム・ドライバーのアレックス・フィッグ。すべてのチームがパノスDP01のニュー・マシンでシーズンをスタートする2007年は、パシフィック・コースト・モータースポーツのような新規参入のチームにとっては、絶好のタイミングといえるだろう。

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シリーズ中で唯一ベースポール・スタジアムのど真ん中を通り抜けて行くユニークなレイアウトをもっていたエルマノス・ロドリゲス・サーキットだったが、今年はコースの一部が変更。スタジアム・セクションにかかる前のターン14がシケインとなり、そのまま球場の裏を抜けてフロント・ストレートへと続くようになった。プラクティス、予選を問わず多くのマシンがこのコーナーをミスして直進していたようだ。それでもラップタイムを見る限りでは昨年よりも2秒近く短縮している。予選前のオープン・プラクティスの最中に、カメラを構えている目の前でライスのマシンがスピンを喫していた。やはりずっとN/Aマシンでオーバルのレースで戦ってきたこともあるのだろうか、今回が初参戦となったチャンプ・カーのマシンに慣れるまでは少し時間を要するかもしれない。金曜日の第一予選はトップのブルデイから約2秒遅れで18台中13位という結果だった。ちなみにチーム・メイトでアトランティック・シリーズあがりの地元メキシコ人ルーキー・ドライバーのマルチネスはこのセッションで8位と健闘振りを見せている。