CHAMP CAR

2006年シリーズ・チャンピオンのセバスチャン・ブルデイが、激戦となったメキシコ・シティのチャンプ・カー予選第1ラウンドを制す


新しく変更されたコース・レイアウトがチャンプ・カー・スターたちを迎え、予選第1ラウンドは2.774マイルのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで金曜の午後に行われた。コースは新しくなったものの、予選結果はブリヂストン・プレゼンツ・ザ・チャンプ・カー・ワールド・シリーズ・パワード・バイ・フォードではありきたりなものになってしまった。
セバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、レッド・ウォール・オルタネート・ブリヂストン・ポテンザを使い、日曜日のグラン・プレミオ・テレメックス・プレゼンタド・ポー・バナメックスの予選初日をリード。1分25秒449のコース・レコードをマークした。
以前はコース内にある野球場の外野を通り抜けるレイアウトだったが、新たな特徴は伝説的なペルラダ・コーナーのスケール・ダウン・バージョンと長く右に回りこんでいくペルラダの進入にあるシケインだ。新しくなったサーキットはドライバーにとってチャレンジングなもので、今年最も白熱したセッションの一つとなり、ブルデイが7周目にトップへ浮上するまで、30分間に13回ものリード・チェンジがあった。
2週間前のサーファーズ・パラダイスで3年連続のチャンピオンシップを獲得したブルデイは、金曜の予選をリードしたことで、7戦連続のフロント・ロー・スタートを獲得。このフランス人は2004年にもメキシコ・シティでフロント・ローからスタートし、ポールから全周回をリードして優勝している。
ブルデイの影が薄くなるほどガッツのあるパフォーマンスを見せたのは、2005年のメキシコ・シティの勝者であるジャスティン・ウイルソン(#9CDWフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)。彼は手首の骨折に見舞われたオーストラリアのイベントを、欠場してから2週間でルースポート・チャンプ・カーのコックピットに戻ってきた。完治していない手にプロテクターをつけているウィルソンは、ターン14のシケインの縁石に接触してケガを悪化させてしまうが、セッションの終盤に復帰して1分25秒560を記録し、2位となった。
3位はサーファーズのポールシッターであるウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)。彼はオーストラリアでのパフォーマンスがまぐれではないことを見せ付けた。このロシュフランズ・ルーキー・オブ・ザ・イヤーのランキング・リーダーは、ブリヂストン・パッション・フォー・エクセレンスのランキングでもトップに立っている。パワーはセッション中に2度暫定トップに立ったが、1分25秒624で3位となった。
30分の予選セッションの前半はめまぐるしい展開となり、オーストラリアの覇者のネルソン・フィリップ(#4CTEレーシング‐HVMフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)と、ルーキーのライアン・ブリスコー(#10ルースポート・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が、パワーとウィルソンとともにトップ・ポジションを争った。ウィルソンはセッションの中盤にトップへ浮上した後、前述したようにシケインで接触。マシンにはダメージが無かったものの、オンボード・カメラは彼が再び手をケガする場面を捉え、彼はステアリング・ホイールから手を離してゆっくりとピットに戻っていった。
大多数のマシンがピットに戻ってオルタネート・ブリヂストンへ交換し、コース・インしたブルデイは見事にトップ・タイムをたたき出した。パワーは凄まじい追い上げをみせ、ブルーノ・ジュンケイラ(#2ホール・イン・ザ・ウォール・キャンプス・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は4番手に後退。一方、ウィルソンは強さをみせて最後の1周を走り、この日2位となる自己ベスト・タイムを記録した。
デイビッド・マルチネス(#3テレメックス/インデック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、印象的なチャンプ・カー・デビューを飾り、ラスト・ラップでセッションの8位タイムとなる1分26秒819をマークした。同僚であるフォーサイス・パイロットのバディー・ライス(#7インデック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、同じく今日シリーズ・デビューを果たし、1分27秒336で13位に入った。
地元のヒーローであるマリオ・ドミンゲス(#8ぺメックス/GICSA/デルヴァッレ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、1分27秒151のタイムで予選第1ラウンドを10位で終えた。
日曜日の66ラップで争われるシーズン最終戦の最終グリッドは、現地時間午後2時から始まる土曜日の予選第2ラウンドで決定する。
トップ3インタビュー
セバスチャン・ブルデイ: 「僕たちが2回目の走りで記録したタイムがタイヤによるものなのか、トラックによるものなのかを言うのは難しいけど、速かったというのは確かだ。ニューマン/ハース・チームは僕にすごく良いマシンを用意してくれた。明日のポールに向けて良いアタックをみせなくてはいけないね」
ジャスティン・ウイルソン: 「手首のケガは悩みの種だけど、一度マシンに乗って、エンジンに火が入ってしまえば、痛みなんて忘れて行くだけだよ。僕たちは良いマシンを持っているから、ライアン(ブリスコー)も僕自身も明日のポールを狙えると思う」
ウィル・パワー: 「サーファーズ・パラダイスの後、いい結果を出してここに戻ってこれたのは気分がいいね。このコースでは経験があることがとても助けになっている。チームはセッションの終盤に多くの仕事をこなしてくれ、マシンが見違えるほどになった」