CHAMP CAR

チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第13戦オーストラリア[初日]フォト&レポート

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サーファーズ・パラダイス初日のポール・ポジションを獲得したのは、なんと地元のルーキー、ウィル・パワーだった。シーズン中、幾度となく速さを見せ付けていた男がついにタイム・チャートのトップに躍進。プラクティスから上位につけて好調を維持していたものの、本人曰く「理想のバランスではない」なかで、実力者ぞろいのチャンピオンシップ上位ランカーを押しのけてのポールに、地元観衆のボルテージは最高潮に達した。地元カメラマンは歓声に包まれているチーム・オーストラリアのピットから、わざわざパワーをピットレーンの真ん中まで引っ張り出し、ポーズをとらせて写真撮影。記者会見にも大勢の人が集まった。オーストラリア人ドライバーとしては初めて地元オーストラリアでのフロント・ローを確定させたパワーだが、「もっと速く走って、ほんとうのポール・ポジションを獲得したいね」と語るように、地元期待のルーキーの眼差しはすでに明日の最終予選を向いていた。

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これから夏を迎えるサーファーズ・パラダイスは予選スタート前の時点で気温25度となった。海岸沿いだが、それほど湿気を感じるわけでもなく、初日は観戦日和となった。昨日からイベントは始まっており、メインとなるチャンプ・カーの走行は今日の午前10時10分からスタートした。いまだにイベント名は“レックスマーク・インディ300”で、インディの呼び名のままこのオーストラリアでは浸透している。3年振りに取材に来たのだが、その間インディ・カー・シリーズをメインに取材していたので、なんだか変な違和感を感じるのは僕だけだろうか?

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今年からか分らないが、シケインの縁石に設置されていた赤いパイロンがなくなり、タイヤが3つほど並べて置かれるようになった。その3つのタイヤは厚さ1センチくらいのラバーでくるまれており、このセットがシケインの随所に設置されている。このタイヤのセット、接触したときの衝撃はかなり大きい。今日、4人のドライバーが予選に出走できなかったが、ウイルソンに関しては、これにタイヤが接触して手首に衝撃を受けたようだ。アメリカ人のカメラマンに聞いた話だと、手首の骨が折れたという話らしい。ウイルソンは今週末走行することができなくなったが、場合によっては最終戦の参戦も厳しいかもしれない。また、ベテラン・ドライバーのトレイシーも午前中のセッションでクラッシュし、午後の予選にマシンの修復が間に合わなかった。初めてこのコースを走行するキャサリンに関しては、エンジントラブルで予選走行ができないといった最近では珍しいトラブルが発生した。明日は今日の予選でタイム・アタックできなかった3人のドライバーの活躍に期待したい。

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8月3日に行われたロード・アメリカでのオープン・テスト中に負傷したダ・マッタの代役として、地元オーストラリアでルースポートからチャンプ・カーのデビューを果たしたライアン・ブリスコー。トヨタのF1テスト・プログラムや名門チップ・ガナッシからのインディーカー・シリーズ参戦など、速さには定評があるドライバーとして知られている。朝のプラクティスでもウィル・パワーについでルーキーでは2番目のタイムを記録し、その片鱗を見せ付けていた。しかし、一方ではクラッシュの多いドライバーとしても有名で、予選前のプラクティスでは、グリップの低いサーファーズ・パラダイスのストリート・コースに足元をすくわれてクラッシュ。今日の予選を走行することが出来なくなってしまった。ポール・ポジションを獲得した同郷のルーキーであるウィル・パワーに対して、ブリスコーにとってはほろ苦いデビューとなった。ウイルソンの欠場によって1台体制となるルースポート。ブリスコーは地元観衆とチームの期待を一身に背負って明日の最終予選に挑む。

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昨夜ミス・インディのコンテストが行われ、2006年度のミス・イディ・オーストラリアに輝いたのが、この写真中央の美女。本当はこのコンテストに行きたかったのだが、いろいろと聞いたところ特別なパスが必要で、しかも開場がコースから遠いということで泣く泣く断念した。そのかわり、毎年初日の朝一番に行われているピット・レーンでの記念撮影にはちゃんと行きました。フォト・ミーティングがなかなか終わらなくて、ちょっと遅れてピットに向かったが、まだ撮影していたので一安心。ピットを颯爽とあるく3人のミス・インディを撮影できました。