CHAMP CAR

A.J.オールメンディンガーがポール・トレイシーを下してモルソン・グランプリ・オブ・トロントを制し、チャンプ・カー・レース3連勝


ブリヂストン・プレゼンツ・ザ・チャンプ・カー・ワールド・シリーズ・パワード・バイ・フォードの2006年シーズン開幕時、A.J.オールメンディンガー(#7インデック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、シリーズでただ一人のアメリカ人として良く知られており、11カ国の誇り高きドライバーによる国際的なシリーズの中でアメリカの代表となるドライバーだ。
今やこのカリフォルニア生まれのスターは、日曜日のモルソン・グランプリ・オブ・トロントで力強いパフォーマンスを見せてチャンプ・カー3連勝を決め、王者セバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)の一番の対抗馬として知られるようになった。オールメンディンガーは12年ぶりにチャンプ・カー・レース3連勝を果たしたアメリカ人ドライバーとなり、38ラップもレースをリードして優勝した。
彼はフォーサイス・チャンピオンシップ・レーシングのチームメートである、ポール・トレイシー(#3インデック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)を率いて、今日のイベントのフィニッシュ・ラインを通過。フォーサイスはトレイシーが最高のパフォーマンスを見せた2003年以来、初めての1-2フィニッシュを達成した。2003年のチャンプ・カー・チャンピオンは2位に入ったことでタイトル争いに復帰し、7レースを終えてランキング11位から6位に浮上。ブルデイは職人のような走りで表彰台の最後の一角を獲得し、チャンピンシップをリードし続けているが、このオールメンディンガーの優勝でその差は23ポイントに縮まった。
レースはクリーンなスタートが切られ、全17台のマシンがトロントの名所プリンス・ゲートの影が掛かる難しい第1ターンを無傷のまま立ち上がった。ポールシッターのジャスティン・ウイルソン(#9CDWフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)はオールメンディンガーの前でリードを取り、ブルデイとトレイシーがその後ろに続く。ネルソン・フィリップ(#4CTEレーシング‐HVMフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、2つポジションを上げてトップ5に入った。
このオーダーは9周目まで続き、ルーキーの4台がターン1でストップしたところでコーション・フラッグが振られる。キャサリン・レッグ(#20ベル・マイクロ/ガルフストリーム・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)、ヤン・ヘイレン(#11ミューマンズ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)がそろってこの混乱を引き起こした。先頭集団の多くは1回目のコーションにピットインするが、フィリップ、オリオール・セルビア(#6ベル・マイクロ/ガルフストリーム・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)と、ブルーノ・ジュンケイラ(#2ホール・イン・ザ・ウォール・キャンプス・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、コース上にとどまってリードを引き継ぐ。
一方ピット・ロードでは、オールメンディンガーのフォーサイスのクルーが彼をウイルソンの前でトラックへ復帰させ、先行するマシンがピットに入ったときにA.J.がリーダーとなる状況を作り上げた。フィリップは力強い走りでレースをリードし、13周目のリスタートから22周にわたってトップを走るが、35周目にオールメンディンガーにリードを譲ることになる。
チームメートの走りに刺激を受けたのか、トレイシーは追い上げを開始する。彼は3番手のブルデイをパスし、その3周後に2番手のウィルソンをかわしてそのヤング・カリフォルニアンを視界に捕らえた。トレイシーは5秒あった差を7周で3秒まで縮め、2回目のピット・ストップに入るときは2秒差に迫った。
オールメンディンガーは最後のピット・ストップを行い、セルビアが54周目にピット・インした後にリードを取ったフィリップの後ろで復帰。フィリップがCTEレーシング‐HVMのクルーに燃料タンクの注意を促されるまで10周にわたってトップを守り、このアメリカ人にリーダーの座を明け渡した。
オールメンディンガーはトレイシーに対して2.9秒のリードを築き、その後の集団とは20秒以上の差がついていた。この20秒の差はフィリップがセルビアのマシン後方へ追突し、イエロー・ライトが点滅したことで水泡に帰す。この2人のドライバー はトップになる可能性があり- 彼らのチームはこの86ラップのレースが終わる前に、先頭集団がわずかに燃料を補給しなくてはならないと考えていた。
フィリップ/セルビアのアクシデントでコーション・フラッグが出たことで、これは机上の空論となり、フォードGTペース・カーの後ろで周回を重ねることで燃料の懸念もなくなった。しかし、一つの懸念事項が解消されてもオールメンディンガーには別の問題があった。それは83周目のリスタートでトレイシーとブルデイが彼の真後ろに迫っていたことだ。
オールメンディンガーはトレイシーの追撃を耐え抜き、トレイシーもブルデイからの猛追を戦い抜くことに成功した。この3人は4周後に表彰台を確実にし、ウイルソンは4位に入り、ルースポートのチームメートであるクリスチアーノ・ダ・マッタ(#10ルースポート・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)の前に出た。ダ・マッタは過去3レースで2度目のトップ5に入った。カナダ人スターのアレックス・タグリアーニ(#15オージー・ヴィンヤーヅ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、6位フィニッシュとレース中の最速ラップを記録し、過去7回出場したトロントで6回目のトップ7フィニッシュを達成した。
彼のチーム・オーストラリアのチームメートであるウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、ルーキー中トップの7位を記録。7位のパワーはチャンプ・カー・キャリアのベスト・フィニッシュとなり、ロシュフランズ・ルーキー・オブ・ザ・イヤーのランキングでもトップに返り咲いた。彼はダン・クラーク(#14CTEレーシング‐HVMフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)に6ポイントの差をつけている。
トップ3インタビュー
セバスチャン・ブルデイ: 「正直言って、ジャスティンを追い抜こうとしたのがミスだったよ。その2ラップ後にはPTにもかわされた。ほんとうに屈辱的だ。でも、これは数あるレースのひとつで、“チャンピオンシップ”のことを考えなくてはいけないよ。僕たちは少しリスクをとって、アグレッシブにいったけども、決して必死にはなっていないし、愚かなことはしなかった。5位のままで終わるかもしれないと思うことが何度かあった。それでも、うまくこのマクドナルド・カーを上位へ持ってきた。全体的には悪くなったね」
ポール・トレイシー: 「僕たちにとっていいレースになった。チーム・フォーサイスでハッピーだよ。トロントで1-2になったことはとてもすばらしいことだ。ダリオと一緒に1-2を決めた‘02年か’01年のことを思い出すよ。今年のチームの調子が戻っていることを確認できてすばらしい気持ちだ。マシンのパフォーマンスも戻ってきたし、チーム力も増している。今日はいいレースだったよね。AJは強かった。これまでは良くなかったけど、忘れてしまおう。僕たちはパフォーマンスがあることを知っているし、シリーズの上位陣と戦うことができることも知っている。僕のホームタウンでポディウムに立ててうれしいよ」
オールメンディンガー: 「確かにチャンプ・カーの中に名前があるんだ。これはいろんな意味があって、長年の歴史がある。もし僕がその中にはいることは、僕が何か大きなことを成し遂げているということだね。僕は唯一のアメリカ人ドライバーだということを考えている。もちろん、これはタフなことだよ。だけど、僕はこれを誇りにしているし、それを背負って僕の国のためにできる限りのベストを尽くすんだ。いままさにアメリカ国旗を掲揚していて、こうすることを誇りに思っている」
主な注目のポイント
オールメンディンガーはアル・アンサーJr.以来の3連勝したアメリカ人ドライバーとなった。アンサーは1994年シーズンに2度3連勝している。‘リトル・アル’はチャンプ・カー・イベントで4連勝した最後のアメリカ人ドライバーでもあり、オールメンディンガーはエドモントンでこの記録に挑戦できる。
フォーサイスが最後に1-2フィニッシュを決めたのは2003年のミド-オハイオ・スポーツ・カー・コースで、ポール・トレイシーとパトリック・カーパンティエがそれぞれ1位と2位になっている。
今日、ポール・トレイシーは130戦連続スタートを達成し、マウリシオ・グージェルミンと並んでチャンプ・カー史上9番目の最多連続出走者となった。
セバスチャン・ブルデイは過去4度出場したトロントで4回ともトップ5フィニッシュを記録し、アレックス・ザナルディとダニー・サリバンと並び、トロントに出走した最初の4年で連続してトップ5を決めたドライバーとなった。