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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第6戦クリーブランド[初日]フォト&レポート

<US-RACING>

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空港を閉鎖してロード・コースを仮設するクリーブランドは、コース設置の準備時間が非常に短いため、金曜日の予選が夕方の比較的遅い時間になってしまう。午後4時30分からスタートした第一予選では終了間際までトレイシーがトップだったが、最後の最後でブルデイがこれを逆転。オールメンディンガーも2位に上がったことで、トレイシーは残り5秒間で一気にトップから3位に下がってしまった。予選セッション前半ではトラフィックに引っかかってしまって、なかなかクリアラップが取れなかったというブルデイだったが、ラスト・ラップで見事に暫定ポールをさらった。「今年からシケインの最終コーナーに縁石を設けたことが良かったね。以前はマシンがそこを通るたびに、細かい砂や石ころなどがコース上に乗ってしまって安定した周回を重ねることができなかったからね。今日はマシンのバランスも良かったし、満足しているよ」とブルデイは話し、初日予選を暫定トップで終えた。

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金曜日初日は午前中雨が降ったりやんだりで、スピンするマシンが続出、レッド・フラッグが何度も振られことになった。特に最終コーナーのシケインで頻繁にスリップするマシンを目撃。前回のポートランドでキャリア初優勝したばかりのオールメンディンガーもウェットな路面でバランスを崩して、目の前のグリーンでスピン。おそらく縁石にアンダー・トレイをこすってしまったために、カーボン・ファイバーの一部を破損してしまったのだろう。このセッションでは、トレイシーが2度、オールメンディンガーが1回とフォーサイス・チャンピオンシップ・レーシングのマシンが、計3回レッドフラッグ提示の原因を作ってしまった。

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グランプリ・オブ・クリーブランドは開催初年度が1982年と、仮説ロードコースのサーキットとしてはチャンプカー・シリーズ史上でもっとも古くから連続開催が続いている。現在も継続している仮設コースでのイベントでは、ロング・ビーチも長いが、こちらは最初のころはフォーミュラ5000やF1が開催されていて、チャンプ・カーは1985年からのスタート。1996年のシリーズ分裂以降はやや勢いに伸びがないとはいえ、いまでの市民の間では一大年中行事として定着している。近年、コース上に大きな変更はないが、今年からピットレーンの位置が、ドライバーの進行方向から見て右側へと移された。なんでも理由はグランドスタンドとピットスイート席から作業風景がよく見えるように配慮したようだ。外側から、グランド・スタンド、ピットレーン、ピットボックス、アイランドを挟んでフロント・ストレートということで、ちょっと他には類を見ないようなレイアウトにった。観戦に訪れるファンも、これでエキサイティングなピット・ストップ・シーンを満喫できるといことになった。

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金曜日の予選のあと、“フェイス・オブ・チャンプ・カー”で知られるミス・チャンプ・カーのクリーブランド代表を決めるコンテスト・がブランドスタンド前の特設ステージで開催された。今年はロング・ビーチ、ヒューストン、クリーブランド、トロント、エドモントン、サンノゼ、デンバー、サーファーズ・パラダイスの合計8箇所で代表が選抜され、最終戦のメキシコで2006年の総合優勝者が決定される。最終選考に残った中からミス・クリーブランドが発表される前に、昨年の優勝者であるサラ・ブラントンさんが、ステージで次のクリーブランド代表を紹介しようとしたところ、主催者のはからいで、フィアンセのジョーさんが登場。その場で会場の人に挨拶して「去年はサラを応援してくれてありがとう。この場を借りて発表したいことがあります」というと、サラさんの前で片膝をついて「サラ、僕と結婚してくれますか」といってダイヤの指輪を彼女へと差し出した。嬉しさのあまり目に涙を浮かべ「もちろんよ!」と言ってプロポーズを受けた彼女に対して会場は大喝采、2人を祝福した。なんともほほえましい光景でした。