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●チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第6戦トロント【決勝】鮮やかなパッシングを見せたウイルソンが初優勝

<US-RACING>
ポール・シッターのボウデイがリードして迎えた最初のピットで、ショート・フューエルのトレイシーがボウデイに追いつき、2台は揃ってピット・アウトするも出口で接触。再度ピット・インしたボウデイは後退し、トレイシーは片方のウイングを失ったままレースを続行したが、コーションのタイミングに阻まれて燃料切れとなってしまう。これでレースはセルビアがトップに立ったが、後ろから凄まじい追い上げを見せたウイルソンが鮮やかなパスを見せてトップに躍進。念願の初優勝を達成した。
Lap by Lap レポート
・レースは1.755マイル(2.824Km)のコースを88周の予定。
・コース・インした18台のマシンは、2周のパレード・ラップを行なったのち、フォーメーションが整ったところでグリーン・フラッグを合図にスタートとなる。気温は32度。
グリーン・フラッグ: 先頭集団がターン1をクリアしていく中で、ドミンゲスが何度もマシンをスライドさせてポジションを落とす。グリッド6番手からスタートしたドミンゲスは、ここで最後尾まで後退。ピット・インして亀裂の入った右リアタイヤを交換する。ディエルもここでピット・イン。
Lap 1:ボウデイがトレイシーを抑えてトップでオープニング・ラップを制する。両者とも、ターン1までプッシュ・トゥ・パス・ボタンを使用。
Lap 5:レンジャーが3ポジション・アップでルーキーのトップを走行。
Lap 7:ディエルが周回遅れとなる。
Lap 9:ボウデイがトップでトレイシー、ウイルソンがこれに続く。
Lap 16:すべてのドライバーがポジションをキープ。ボウデイが2位以下に1.132秒の差をつけてレースをリード。トップから4位までのタイム差は7秒以内。
Lap 22:グロックがピット・イン。ボウデイはトレイシーに1.134秒の差をつけてトップの位置をキープ。
Lap 23:フィリップがピット・イン
Lap 24:ハンター-レイがピット・イン。
Lap 29:ボウデイが61.248秒でファステスト・ラップを更新。ヴァッサーがピット・イン
Lap 30:ボウデイが61.086秒でファステスト・ラップを更新。
Lap 31:オールメンディンガーが5位のタグリアーニに迫り、プレッシャーをかける。
Lap 32:ボウデイがトレイシーに2.391秒の差をつけてレースをリード。タグリアーニが5位のポジションからピット・イン。
Lap 33:3位ウイルソンと4位セルヴィアがピット・イン。セルヴィアが一足先にピット・アウトしてウイルソンの前に出る。
Lap 34:トレイシーとボウデイが同時にピット・イン。その後、ピット・アウトした2台がピットレーンを出たところでコンタクト。ボウデイの右後輪がトレイシーのフロント・ウイングの左側にヒットしてこれを破損。トレイシーのウイングがピットレーン出口付近に落ちる。ボウデイのマシンは、この接触が原因でタイヤをパンク。
Lap 35:ボウデイがピット・インして右リアタイヤを交換する。マシンのほかの部分には、致命的なダメージは見当たらない。
Lap 37:トレイシーはフロント・ウイングの左側が破損して完全に外れてしまったにも関わらず、そのままレースを続行するばかりか、2位のセルヴィアに対して13.168秒の差をつけてレースをリードする。以下ウイルソン、タグリアーニ、オールメンディンガーがトップ5の順位。
Lap 38:フロント・ウイングにダメージを負ったまま走行するトレイシーは、2位のセルヴィアに対して毎周回ごとに約0.5秒ずつアドバンテージを失っている。
Lap 40:オールメンディンガーがここまでのファステスト・ラップとなる60.882秒を記録。
Lap 41:オールメンディンガーが60.797秒を出してファステスト・ラップを更新する。
Lap 43:アクシデントのあとボウデイは10位に下がるが、60.575秒のファステスト・ラップを記録する。
Lap 45:オールメンディンガーが5位のタグリアーニに迫り、プレッシャーを与える。
Lap 47:ボウデイがフィリップをパスして9位に上がる。
Lap 48:セルヴィアが12秒以上あったトップのトレイシーとの差を9.5秒までに短縮。
Lap 56:セルヴィアがトップのトレイシーとの差を6.163秒へと短縮。
Lap 57:フルコース・コーション。ダ・マッタがピットアウトしたばかりのR.スペラフィコとタイヤ同士が接触。ダ・マッタのマシンはさらに左側をウォールにヒットする。
Lap 58:トレイシーが燃料切れと見られるトラブルで、フロント・ストレート・エンドでマシンを停止。マシンから降りてピットへと歩いて向かう。トレイシーはここでリタイア。上位9位までがピット・イン。
Lap 61:グリーン・フラッグが振られるが、すぐにまたフルコース・コーションとなる。ヴィルトハイムがターン8の立ち上がりで左側からタイヤウォールに衝突。セーフティ・チームが現場に駆けつける。ドライバーにケガは無し。
Lap 66:グリーン・フラッグ。セルヴィアがトップで、以下タグリアーニ、ウイルソン、オールメンディンガー、ヴァッサー、レンジャー、ボウデイ、ドミンゲス、フィリップ、マーシャルのオーダー。セルヴィアがトロントでトップを走行するのは初めて。しかしすぐにまたフルコース・コーション。ターン1でハンター-レイと接触したフィリップがマーシャルとコンタクト。フィリップはそのまま続行するが、マーシャルはリタイア。
Lap 67:2位のタグリアーニはプッシュ・トゥ・パス・ボタンを使用し終わる。トップのセルヴィアは残り21秒、3位のウイルソンは残り29秒使用可能。フィリップがピット・イン。マシンを修復してピットアウト。
Lap 69:フルコース・コーションのイエロー・フラッグ提示とほぼ同時にウイルソンがタグリアーニをパスするが、この件でオフィシャルからウイルソンに後退の指示は無し。
Lap 70:フィリップはフルコース・コーション提示直後のピット・レーン進入禁止期間にピット・インを行ってマシンを修復したとのことで、オフィシャルから最後尾への後退を指示される。
Lap 72:グリーン・フラッグ。セルヴィアはプッシュ・トゥ・パス・を使用してウイルソンを抑える。残量は6秒に。
Lap 73:ボウデイがターン1でレンジャーを交わして6位までポジション・アップする。
Lap 75:ウイルソンがセルヴィアの背後に迫り、プレッシャーをかける。2台の差は約0.5秒。オールメンディンガーがターン3で見事なパスを見せ、タグリアーニを交わして3位に上がる。
Lap 77:ウイルソンがターン3でセルヴィアをパスしてトップに立つ。
Lap 78:ウイルソンが60.390秒のファステスト・ラップをマーク。
Lap 79:ウイルソンが59.940秒をマーク、2周連続でファステスト・ラップを更新する。
Lap 81:2位セルヴィア、3位オールメンディンガー、4位タグリアーニの3台がテール・ツー・ノーズの接戦を展開する。オールメンディンガーが単独スピンでタイヤウォールに衝突し、その直後にコーナーに差し掛かったドミンゲスがこれに激しく追突。2台はここでリタイアとなる。ドライバーはともにケガは無く、自力でマシンを降りる。フルコースコーション提示。
Lap 84:セルヴィアは6秒間のプッシュ・トゥ・パスを残している一方で、リーダーのウイルソン及び3位タグリアーニは残量無し。その後方のヴァッサーとボウデイもプッシュ・トゥ・パスの残量無し。レンジャーがコース上でストールしてマシンを止める。コース・マーシャルが押し掛けでレンジャーのマシンをプッシュ・スタートするよう試みるが、エンジンはかからず。ギアボックスのトラブルでレンジャーのマシンはコース脇のエスケープ・ゾーンへと避けられる。
Lap 86:ホワイト・フラッグ。
Lap 87:チェッカード・フラッグ。ジャスティン・ウイルソンがモルソン・インディ・トロントでシリーズ初優勝を飾る。ルースポーツにとっても、記念すべきチャンプ・カー初勝利となった。セルヴィアはニューマン/ハース・レーシングへ移籍後、3度目の表彰台を獲得した。地元カナダのタグリアーニは3位入賞。
ウイルソンはレース中のファステスト・ラップを記録したことでチャンピオンシップ・ポイント1点を加算。
ハンター-レイは、スタート位置から最も順位を上げてフィニッシュしたことで、こちらもポイント1点を加算。
ウイルソン、セルヴィア、ボウデイ、トレイシーの各ドライバーは、レース中にトップを走行したことで、各自ポイント1点ずつを加算された。
最終的に5位に入賞したボウデイはこれで合計150ポイント。トレイシーがリタイアに終わったこともあり15点の差をつけて、ポイント・ランキングで再びトップとなった。
優勝したジャスティン・ウイルソンのコメント:
「ついに一勝目をあげることができたが、信じられない。ルースポーツの初勝利もとても嬉しいし、自分にとっての初勝利も本当に嬉しい。ここ何戦かで、勝てそうな予感はあった。この勝利をもとにさらに前に進むことができるよ。おもしろいことに、2周に渡ってプッシュ・トゥ・パスを使用することで、オリオールとの差を詰めていった。そして次の3ラップ目にターン3で『これはいける』と思ったんだ。立ち上がりで勢いがついて、いっきにオリオールの背後に付けたあと、インから攻めることができた。クリーンでとてもいいレースだったね。トップに立てた瞬間は、このまま最後までいける!と思うと、とても嬉しくて信じられない気分だったよ」
2位表彰台のオリオール・セルヴィアのコメント:
「いい気分だね。とてもハッピーだよ。セッションごとに優勝に一歩ずつ近づいているし、これは本当の気持ちさ。もうあと一歩だとしたら、次のレースで初優勝かな(笑)。ファステストラップを見ると、ジャスティンは本当に速かったんだね。僕よりも約1秒も速いじゃないか。ターン3では確かに彼は速いと感じていたんだ。レース全体で見ると、僕はあまり速くなかった。ブレーキングと、ターン3のクリッピング・ポイントが僕の弱点だったかな。あそこがほぼ唯一のパッシングポイントだったから、これはちょっと致命的だったようだね」
3位表彰台のアレックス・タグリアーニのコメント:
「トロントで表彰台に上がれるなんて素晴らしいことだよ。今日チームは本当に良い仕事をした。ピットストップも完璧だった。最初に装着していたタイヤの空気圧はやや高めだったから、ポジションを守るためにプッシュ・トゥ・パスを必要以上に使用しなければならなかった。ジャスティンが再スタートで僕をパスしたが、実際にはイエロー・フラッグが提示された直後だったんだ。だがオフィシャルはそのままという審判を下した。プッシュ・トゥ・パスが残っている連中を相手に競い合うのはなかなか厳しかったが、彼らも使用してしまったあとは、A.J.(オールメンディンガー)について行くのは容易だった。彼がタイヤウォールに突っ込んでクラッシュしたとき、僕はその真後ろにいたんだ。巻き込まれなかったのはラッキーだったね。さらについていたのは、最後のフルコース・コーションがグリーンにならなかったことだ。実は僕のマシンはクラッシュの脇を通ったときに、パーツの破片かなにかでパンクしていたんだ。チームは僕に素晴らしいマシンを用意してくれた。オージー・ヴィネヤーズのチームクルー、デリック(ウォーカー)、それにチームの皆に心からお礼を言いたい。いくつかのDNFがあったためにポイント・ランキングの面で結構痛いが、それ以外では安定した好成績を収めているから、現在は7番手まで上がることができたよ」