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CARTチャンピオンシップ・シリーズ 第13戦 ミド-オハイオ【決勝】レポート

<US-RACING>
決勝レース当日は快晴で気温25度、路面温度45度という絶好のレースコンディションに見舞われ、午後2時にグリーンフラッグ。83ラップのレースの幕が切って落とされた。

フロントロウからスタートしたド・フェランとカストロネベスのチーム・ペンスキーのコンビは序盤から快調に飛ばしながら、ワン・ツーをしっかりとキープ、これをフランキッティが追う展開となった。

14周目、この日10番グリッドからスタートしていた昨年の覇者モントーヤがターン11でスピン。コースアウトして土埃にまみれたマシンでそのままレースを続行したが、ポジションを23位まで落とす。その後もモントーヤは暴れるマシンを必死にコントロールするが、23周目でもコースアウトしており、マシンセッティングが全く決まっていないのは明かだった。

序盤からホンダのワンツースリーが形成されていたが、3位を走っていたフランキッティが徐々に遅れ始め、ルーティーンにしては早すぎるピットイン。シフトケーブルのトラブルに見舞われたフランキッティはなんとか修復してコースに戻ったが、22位までポジションを落としてしまった。昨年のランキング・ワンツーはまたも良いところがない。

これで3位には4番グリッドからスタートしていたブレックが上がり、これにフィッティパルディ、パピスらのフォード勢が続いた。しかしブレック以下の後続は前を走るペンスキーのワンツーにプレッシャーを与えるどころか、逆に引き離されてしまう。

レースも中盤に入ろうとしていた29周目、トップを快走していたド・フェランは、この日1回目の給油とタイヤ交換のためにピットイン、続いて30周目にはカストロネベスがピットへ。このピットでカストロネベスがド・フェランよりも前でコースに復帰し、ド・フェランが2位となるが、依然ペンスキーのワンツー変わらず。

40周目時点でのオーダーは、ペンスキーのワンツーにブレック、フィッティパルディ、パピスらが続く。その後カストロネベスは2位のド・フェラン以下に15秒以上もの大きなアドバンテージを持ち独走態勢となるが、順位には大きな変動もなくレースは終盤へと展開していく。

57周目あたりから各マシンはこの日最後のタイヤ交換と給油のために続々とピットインを開始。大きなリードを奪っていたカストロネベスはトップのままピットアウトすることに成功した。ド・フェランは一時4位に転落するものの、前を走るマシンがピットインしたためすぐに2位に復帰してチームメイトの追撃を開始、しかしカストロネベスとの差はあまりにも大きかった。

ところがその後の61周目に中野信治のスピンによるイエローコーションが発生、15秒以上開いていたカストロネベスとド・フェランのタイム差は一気に縮むことに。イエローが解除された66周時点でのトップはカストロネベス、これにド・フェラン、フィッティパルディ、パピス、フェルナンデスらが続き、レースはいよいよ終盤を迎える。

しかしそのグリーン直後である68周目、後続で争っていたタグリアーニがトレイシーに被せるようにターン8で接触し、たまらずトレイシーはスピン。これにダ・マッタが巻き込まれてしまい両者リタイヤとなり、コースは再びイエローコーション。

イエローが解除された75周目、トップは依然としてカストロネベス、そして約4秒差でド・フェラン、フィッティパルディ、パピスらが続いており、トップグループに大きな変動は見られないままレースは大詰めを迎える。しかもトップのカストロネベスと、2位のド・フェランの間にはラップ遅れのマシンが2台走っており、パスするのが非常に難しい状況だ。

結局カストロネベスはトップをしっかりと堅持してチェッカードフラッグ。うれしいCART2勝目を獲得、2位にはド・フェランが入り、ペンスキーのワンツーでレースの幕を閉じた。実に1994年以来となる久しぶりのワンツーだったが、ペンスキーは金曜日のプラクティスからすべてのセッションでトップに立ち、今日の朝のウォームアップを除いて、ワンツー体制を全く崩さない、まさにパーフェクトな内容の週末だったといえよう。

またミド−オハイオで4勝目をあげたホンダにとって、1995年に獲得したCART初優勝以来となる通算50勝目を記録。1994年に参戦してから、実に119戦目のことだった。ちなみにこの初優勝はニューハンプシャーの1マイルオーバルでアンドレ・リベイロによって達成されたが、偶然にも同じブラジル人ドライバーであるカストロネベスによってその50勝目獲得となる。シカゴ戦でトヨタに逆転されてしまったエンジンマニュファクチャラーポイントでも204ポイントとなり、190ポイントに終わったトヨタを再び逆転、2位に返り咲くことになった。

これからロード&ストリートが続く終盤、ペンスキーの快進撃はこれからも続くのだろうか。

●優勝したカストロネベスのコメント
ジルとの戦いが厳しくなることは分かっていたからね、序盤はとにかく彼に付いていくことだけを考えてドライブしたんだ。今日ジルとボクのマシンは、エントリーしていたマシンの中でもベストな仕上がりを見せていたから、後ろを走るライバルのことは気にしていなかったよ。 今日のコースは本当にタフだった。集中力を常に高いところでキープしなくてはならないからね。ピットでクルーのみんなは本当にいい仕事をしてくれたよ。おかげてトップに立つことができたわけだからね。今日は本当に最高だ! やったよ! こうしてまた勝利することができてもう最高だね!

●2位でフィニッシュしたド・フェランのコメント
チームにとって今日は素晴らしい結果が残せたね。とにかくハッピーだよ。 今日のボクのマシンは他のチームよりもいい仕上がりを見せていたけど、エリオのマシンをパスすることは難しかったと思うよ。 とにかく来週のエルクハートもこの調子で行きたい。 レース終盤の最後のイエローが解除されたとき、エリオとボクの間にはモレノとセルビアがいたんだけど、なかなかパスすることができなかった。彼らは決して遅かったワケじゃなかったからね。そういうわけで最後はとにかくミスをしないで2位で走りきることに専念したんだ。

●3位に入賞したフィッティパルディのコメント
今週は上出来の結果が残せたんじゃないかな。 ボクのマシンはいい仕上がりを見せていたと思うよ。 金曜日からあまりセッティングを変える必要がなかったからね。 ただもう少しダウンフォースが欲しかったけどね。 それにしてもペンスキーの仕上がりの良さにはまいったね。 それが一番のフラストレーションの原因だよ。

●8位でフィニッシュしたアンドレッティのコメント
今日はターボのブーストに問題があったんだ。おかげでライバルよりも遙かに低いパワーでレースを戦わなくてはならなかったんだ。でもポイントが獲得できたから吉としなくてはね。 これはチャンピオンシップ争いの上で貴重なポイントだよ。 ド・フェランが総合ポイントで追い上げてきているけど、まだまだボクは有利な立場いると思う。 ペンスキーはロード・アメリカでも手強そうだから、ウチもしっかりと準備を整えて戦っていきたい。