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CARTチャンピオンシップ・シリーズ 第2戦 ナザレス【予選】レポート

<US-RACING>
モントーヤが今年初ポール、トヨタ2度目のポールポジション獲得

 今年2回目となる予選は、前回同様オーバルコース特有のシングルカークオリファイで行われる。例によってプラクティスタイムの遅かった順に1台づつコースインし、1〜2周のウォームアップラップ(ドライバーがチョイスできる)のあと、2周タイムアタック。いいほうのタイムで決勝のグリッド順が決まる。

 前日から心配されていた雨の心配も完全になくなり、好転に恵まれた予選だったが、午後になって西から強い風が吹く。気温は25度、路面温度は37度まで上昇した中、午後1時15分、プラクティスで最下位だったルイス・ガルシアJr.のマシンがコースインして予選開始。

 4番手から出走となった黒澤琢弥は、毎セッション自己ベストタイムを更新してきたが、予選で初めて20秒を切る19秒901までタイムを短縮。最終的に17位で予選を終了した。

 その後各ドライバーが次々とタイムアタックを行う中、14番手に出走したマイケル・アンドレッティが地元ナザレスのファンの期待を背負いコースイン。しかしシャシー・バランスのセッティングが合わず、19秒755で15番手と不本意な結果となった。チームメイトのクリスチャン・フィッティパルディが19秒306で2番手確保と好調なだけに、アンドレッティとしては納得が行かない状況だろう。

 今年メルセデスからホンダエンジンへとスイッチ、CART100勝目を狙うペンスキー勢はプラクティスから好調なエリオ・カストロ-ネベスが19秒359で3番手、ジル・ド・フェランが19秒391で5番手とまずまずの位置につける。

 過去94年と97年にナザレスで優勝しているポール・トレイシーは、最後から2番目に出走、得意のナザレスでポールを狙ったものの、朝のプラクティス後にウイングの調整を行ったことが裏目にでてナーバスなハンドリングとなってしまい、19秒362で4番手に収まった。

 そして予選アタック最後の出走は、トヨタ期待のファン・モントーヤ。今シーズン好調と期待されているトヨタ勢のエース格となったモントーヤは19秒255のタイムで見事ポールポジションを獲得。これでトヨタエンジンは、99年最終戦でのスコット・プルエット以来、2度目のポールポジション獲得となった。

 エンジン別に見るとポールポジションがトヨタ、2番手フォード、3番手ホンダと続く。メルセデスはモゥ・ナン・レーシングのカナーンが8位に付けているのが最高位となっている。

 各ドライバーのタイムは、0.5秒以内に予選1位から15位までが入り、21位までが1秒以内と相変わらず接近した状態。明日の決勝はポールポジション獲得のトヨタ、開幕戦優勝のフォード、そして99年度チャンピオンのホンダと、三つ巴の戦いが予想される。

 昨年のナザレスで参戦4戦目ながら衝撃的ともいえるポールトゥウインを獲得し、それまで言われ続けてきた“オーバルに弱いヨーロッパ出身のドライバー”と言う定説を覆したモントーヤ。2年連続のポールトゥウイン獲得、さらにトヨタの初優勝ドライバーになることができるだろうか?

■ファン・モントーヤの予選後のコメント
「昨日と今日、マシンの調子はとても良かった。エンジンに関しても問題なく、パワフルで常にスピードを保つことができたよ。ここ(ナザレス・スピードウェイ)では3月にテストで走り込んでいるから、マシンのセットアップもスムーズに進めることができた。お陰で風の影響でタイムが鈍ることもなかったね。明日は今日とはコンディションがだいぶ変わるだろうから、タイヤを持たせることが重要なキーになると思う。明日の決勝はきっと面白い展開になると思うよ」

■黒澤琢弥の予選後のコメント
「このナザレスはホームステッドとぜんぜん違うね。まだオーバルはホームステッドしか走ってないからってのもあるけど、こっちのほうが難しいような気がする。ショートオーバルを見るのも今回が初めてだから、コースを覚えることから始まったんだよね、かなり無謀だったと思う(笑)。今日の朝は予選用のセットアップを試そうと思ってアタックしたら、ターン4でスロー走行に入っていた前の車にあっという間に追いついて、避けようとしたら前の車も同じ方向に行ってね。ほんと、アっと言う間もなく壁に当たってたよ。予選はもうちょっといけたような気がするけど、初めて19秒台にも入ったし、贅沢いっちゃダメだよね」