Roger Yasukawa's

気になる2010年のドライバー&チームのラインアップは?・・・その2

画像US RACINGのビデオ・レポートでもお伝えしましたが、先週はデイトナ24時間レースの決勝に進出することができなくなり、とても残念な結果に終わってしまいました。僕自身もレースを楽しみにしていただけに、マシンのパーツに不具合が発生してレースを棄権することになってしまった時は、ほんとうに「悔しい〜」の一言でした。今回はまさに「不完全燃焼」という気分です。
色々と詳しい事情を説明したいところですが、レースが終わってしまった今となってはただの愚痴になりそうなので、今回の悔しい思いを次のレースに向けてのエネルギーに変えてがんばります。応援していただいたスポンサーやファンのみなさんには大変申し訳なく思っていますし、一日でも早く良いニュースをお届けできるよう、がんばりますので引き続き応援よろしくお願いいたします。

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さて、暗い話はここまでにして、今週はインディカー・シリーズにとって良いニュースがありましたね。そのニュースとは僕の古巣のチームでもある、ドレイヤー&レインボールド・レーシング(DRR)が2台体制での参戦を発表。マイク・コンウェイの残留に関しては、昨シーズンが終わった時点で噂されていたのですが、ジャスティン・ウィルソンの移籍に関しては驚きのニュースでした。しかもZ Line Designsのスポンサーを引き連れての移籍だったので、逆にデール・コイン・レーシング(DCR)の今後の動向が気になるところです。
2005年に僕がフル参戦していた頃から比べると、DRRは年々チーム力を上げてきています。僕が参戦していた当時はフルタイムで働くスタッフの数も足りなくて、レース現場に行くのがやっとという体制でした。しかし今となってはインディ500などのようなビッグ・イベントで、4台体制まで走らせることができる規模に成長しました。
成長の鍵となったのは、一昨年のシーズン半ばにチーム・マネージャーとしてラリー・カリーを雇ったからだと言えるでしょう。ラリーは昨年のインディ・ジャパンで僕のエンジニアを担当してくれて、チーム・マネージャーとしてもかなりの実績を持っています。そもそも、ラリーがチームに入るまでのDRRの問題として、チームをコントロールするマネージャーが在籍していませんでした。
野球で例えるとヘッド・コーチが在籍していないようなもので、ピッチング・コーチやバッティング・コーチが勝手に指示を出して試合をするような形では戦力がまとまりません。ラリーに信頼を置くスタッフはたくさんいるので、メカニックとエンジニア、そしてチーム・マネージャーの間での信頼関係が、チーム力の向上に繋がっているのだと思います。

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しかも今シーズンは両ドライバーとも英国人。ジャスティンは元F1ドライバーで、マイクは元F1のテスト・ドライバーでした。昨シーズンのワトキンス・グレンで唯一ペンスキーとガナッシの2強を倒したジャスティンと、ソノマで表彰台を獲得したマイク。この二人のロード・コースでのドライビング・テクニックに関しては、もはや疑う余地はないでしょう。
もともと元祖IRLチームだったDRRにとって、ロード・コースは苦手分野でもあっただけに、ロード・コースが得意で開発能力が高く、経験豊富なドライバーを獲得するのは正しい選択であったとも言えるでしょう。ラリーや在籍しているエンジニアはオーバルを得意としているので、両ドライバーのオーバルでの経験不足を補えます。チームにとっては理想的な組み合わせだと僕は思いますね。
ジャスティンに関してはスポンサーも背負ってきたので、予算を確保した上でトップ・ドライバーを二人抱えて最初からフル・シーズンを戦うのは、チーム設立以来、初めてのことになると思います。今まではマイナー・チームというイメージの方が強かったDRRとしては、今年はメジャー・チームの仲間入りをする飛躍の年となるかもしれませんね。僕にとってDRRは家族みたいなものなので、良い結果を期待したいです。

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ジャスティンの移籍でシートがすっぽり空いてしまったDCRは、すでに全米ボーイ・スカウト連盟の支援を受けてフル参戦することを表明しており、現在ドライバー探しをしている状況となっています。噂ではニューマン/ハース/ラニガン・レーシングとの交渉が長引いているグラハム・レイホールを狙っているようですが・・・。昨シーズンようやくオープン・ホイールのトップ・カテゴリーで優勝したDCRとしては、今シーズンもトップ・レベルで戦う体制を早く決めたいところでしょう。
バーバー・モータースポーツ・パークで行われるシーズン前のオープン・テストは、もう3週間後に迫ってきました。それまでにはまだ体制が発表されていないヒデキの話も決まっていると思いますし、早く全マシンが揃って2010年シーズンがスタートするのが待ち遠しいですね。
僕は今年もインディ500とインディ・ジャパンに参戦できるよう、引き続きスポンサー活動をがんばりますので、応援よろしくお願いします!!