Roger Yasukawa's

波乱万丈の1ヶ月を経てインディ・ジャパンへ

画像気がついたらもう9月に入り、秋の香りが漂ってきましたね。今年のインディカー・シリーズも、あと残り2戦。来週末はいよいよツインリンクもてぎで行われるインディ・ジャパン300です。
チームは1週間の休みを経て、今はマシンを飛行機に乗せるための作業を行っています。マシンをクレートに入れ、工具やパーツなどを特殊なボックスに詰め込み、水曜からインディアナポリス空港で荷積み開始。そして週末には成田に向けて、飛行機が出発します。
さて僕のほうの準備はというと、この1ヶ月はほんとうに波瀾万丈でした! 実はインディ・ジャパンで内定していたスポンサーが、業績悪化で日本でのビジネス展開の予定が無くなってしまったため、急遽キャンセルとなってしまったのです。

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一時大パニックになったものの、頭をすぐに切り替えて、新たなスポンサー活動に集中してきました。さすがにこの不況で予算を集めるのにかなり苦戦しましたが、日頃お世話になっているパーソナル・スポンサーや、みなさんからいただいた応援ファンドのお陰で、なんとか予定どおりレースに参戦するところまで漕ぎ着けたという状況です。
万全の体制で戦うには、レース当日まで資金集めをしなくてはいけない状態ですが、少しでも良い体制でチームと気持ち良く戦うために、最後までスポンサー活動をがんばりたいと思います!
では、ここでインディ・ジャパンに参戦する僕のチーム体制を、簡単にご紹介させていただきます。今回ドレイヤー&レインボールド・レーシングは3台体制のエントリーです。春にチームと契約を交わした時点では、マイク・コンウエイ(写真↓)とミルカ・デュノの2台体制で、僕はミルカの代わりに23号車を走らせる予定でした。

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しかしインディ500後にトーマス・シェクターがチームへ加入したことによって、インディ・ジャパンは3台に拡大。台数が増えれば増えるほど、走行時間が少ない中でチームメイトと色んな情報を交換できるので、ぶっつけ本番でスポット参戦の僕としてはかなりラッキーです。トーマス(写真↓)もオーバルの経験は豊富で素晴らしいドライバーですから、お互い良い刺激になることでしょう。

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僕はミルカがシカゴで使用したマシン(写真↓)に乗るのですが、カーナンバーは43になります。エンジニアには、インディ500でバンプ・デー後に書いたコラムで紹介した、大御所エンジニアのラリー・カリーが担当! データ・エンジニアは2007年のインディ500で僕のエンジニアを担当したアイヴァン・コールストガードです。

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クルーチーフには2003年の僕のデビュー・イヤーに、フェルナンデス・レーシングで一緒に仕事をしたデイビット・ジャンクアートが担当してくれることになり、マシンに安心して乗り込むことができると思います。そして、正式には来週ご紹介できると思うのですが、日本の助っ人エンジニアにもついてもらうことになる予定です。
本来であればチームに顔をだし、ペダルの位置やシート・ポジションなどの入念なチェックを行いたいのですが、8月に入ってから今までスポンサー探しに没頭するしかなかったので、そのあたりの細かい調整は現場に入ってから行うことになりました。
昨日はエンジニアのラリーとレース・スケジュールのプランを話し合い、だいぶ走りのイメージもできてきました! ラリーが昨年ヴィジョン・レーシングで手掛けたデータを基に、プログラムを組み立てることになっています。昨年はエド・カーペンターが良い走りをしていただけに、マシン・セットには自信があるということで、僕自身も金曜の走行が楽しみです!

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8月になった途端、頼りにしていたスポンサーから連絡を受けた時はほんとうにショックでした。インディ500に続いてインディ・ジャパンも断念しなければならないのか・・・という状況に陥ってましたが、みなさんからいただいた熱いメッセージのお陰で、がんばることができました! 一番大事なのはレースの結果&走りですが、人生で一番大きな山を乗り越えたような気分なので、今はマシンに乗り込んでレースを思う存分楽しみたいと思っています!
では、今から日本に向けてのフライトに乗り込むところです。日本に戻ってからは、レースまでにトレーニングやスポンサー活動で大忙しとなりますが、これからもフル・スロットルでがんばります。レースまで10日を切っていますが、チェッカーフラッグをくぐり抜けるまでは全力で戦いますので、引き続き応援よろしくお願い致します!!