新年明けましておめでとうございます。いきなり私事ながら、今年もアメリカンモータースポーツを積極的に取材していこうと思っています。サーキットの現場で拾った話題や噂などをこのコラムでいろいろと紹介していこうと思っておりますので、楽しみにしていてくださいね。
僕は毎年年末年始に日本へ帰国して、ここぞとばかりに「飲んだくれ＆食い倒れ」に走るのですが、今年も例年にもれず、まあよく飲み、食べました。体重は確実に増えてしまいましたね（笑）。これも毎年恒例ではあるのですが……。ただ、ひとつだけ例年とは違うことが。それは、１月４日から始まるデイトナ24時間レースの合同テストを取材するため、年始早々にアメリカに戻らなければならなかったことです。日本と違い、ニューイヤーにあまりお祝い事をしないアメリカでは、元日こそほとんどの会社が休みなものの、１月２日からは通常通りの生活に戻っているんです。僕ら日本人からしてみれば、「年始くらいゆっくりしなよ」と思ってしまうのですが、彼らはその分クリスマスに大型バケーションを取っていて、クリスマスが終わると、それはそのままその年が終わることを意味します。この辺の文化の違いはアメリカに住んでいると強烈に感じますね。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、というわけで年始早々自宅のあるデイトナビーチに戻ってきてデイトナ24時間レースのテスト取材に行ってきました。昨年、このコラムでもちょっと紹介したかと思いますが、今年も様々なカテゴリーからスタードライバーが集結し豪華なエントリーとなっているデイトナ24時間レースですが、その主力どころはほとんどこの年始のテストに参加していました。レース前最後の走行機会でもあるので、本番に向けて非常に重要なテストになりました。
１月４日から３日間の日程で行われたテストで総合トップタイムをマークしたのは、昨年の覇者チップ・ガナッシ・レーシングの02号車。昨年もドライブしたファン-パブロ・モントーヤとスコット・プルーエットに、昨年のIRL王者ダリオ・フランキッティとミモ・ロハスを加えた超豪華なラインアップは、戦力状況を占う今回のテストでもライバル勢を圧倒する走りで堂々のトップタイムを叩き出し順調さをアピールしました。４人の表情も非常に明るく、チームワークもばっちりといったところ。間違いなく優勝候補最右翼と言えそうです。これに続いたのが、こちらも今年注目のペンスキー-テイラー・レーシングの９号車。サム・ホーニッシュJrの抜けたIRLのペンスキーのシートをゲットしたライアン・ブリスコーが、02号車からわずか0.045秒差のタイムをテスト初日に叩き出し存在感を存分にアピールしました。チームメイトのエリオ・カストロネベスも２日目午前中にトップタイムをマークして貫禄を示すなど、02号車に真っ向から戦いを挑めることを示す結果に。IRLでもライバル関係にあるチップ・ガナッシとペンスキーの24時間レースでの戦いは、今年の最大の注目点と言えそうです。
その他、今回のテストで目立ったのがマイケル・シャンク・レーシングの好調さ。昨年はホーニッシュJrとカストロネベスを擁した同チーム。今年は２台体制を敷き、６号車にはチャンプカー出身のNASCARドライバー、A.J.オールメンディンガーを、そして60号車にはジャスティン・ウイルソンと弱冠19歳のグラハム・レイホールといったオープンホイール出身ドライバーをチームに迎え万全の体制でエントリーし、テスト２日目には６号車が、そして最終日には60号車がそれぞれトップタイムをマークしました。これにはメディアはもちろん、ライバル勢も相当驚いたようで、「マイケル・シャンクの２台要注意！」を強烈に印象付けました。また、２年連続NASCAR王者のジミー・ジョンソンも最終日に登場し、昨年のグランダムでチャンピオンに輝いた99号車をドライブ。トップ５タイムをコンスタントにマークしていただけに、こちらも大いに注目です。ジョンソン自身は2005年に２位に入り、「あれから、24時間レースでほんとうに優勝したいと思うようになった」と毎年のように24時間レースに出場するなど意気込みも十分。ちなみに、この99号車は昨年、レギュラードライバーのアレックス・ガーニーがポールポジションを獲得したものの、肝心のレースはスタートわずか10周で他車と接触してトップ争いから脱落する苦い経験を持っているだけに、今年は汚名返上とばかりに力が入っているようなので、間違いなく優勝争いに絡んでくると思われます。
残念ながら今年は日本人ドライバーの参戦はなさそうですが、それを補って余りあるほど豪華なメンバーがそろった第46回デイトナ24時間レース。大接戦となった昨年を上回る好レースを期待したいです。