Interview

HPD堀内大資氏インタビュー〜2008アメリカン・ル・マン・シーズン・レビュー〜Vol.3

<US-RACING>

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昨年末からお送りしているホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)のチーフ・エンジニア、堀内 大資氏インタビューの第3弾。3回目の今回は2009年シーズンにLMP1へ進出するアキュラのチーム体制についてうかがった。P1に参戦するチームの選択や、継続参戦するLMP2クラスの今後はどうなっていくのだろうか?(インタビュアー:齊藤広之)

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 2009年からLMP1に参戦するチームがハイクロフト・レーシングとジル・ド・フェラン・モータースポーツとなりましたが、アキュラの参戦当初から戦っているハイクロフトがLMP2からステップアップした一方、経験の浅いジル・ド・フェラン・モータースポーツがP1参戦のチームとして選ばれたのはなぜでしょうか?

堀内 大資氏(以下:HD):「実は、ド・フェラン・モータースポーツはP1の開発を行うために起こしたチームでした。当初からレースの勝敗はどうでもよく、チームのメンバーやクルーも寄せ集めだったのです。HPDが積極的に関われる開発用チームとして実戦にも参加し、P1に向けてトライ&エラーを繰り返しながらチーム体制が育ってきました」

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 ジル・ド・フェランに白羽の矢が立ったのはどうしてでしょうか?

HD:「ジル・ド・フェラン選手はCART時代からホンダのドライバーとしてチャンピオンを獲得していますし、F1を含めていろいろな経験を積んでいますので、新興チームを立ち上げるにあたって信頼の置ける人物として選ばれたのだと思います。

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HD:「ド・フェラン選手とはデビュー当時から付き合いがあり、所属していたジム・ホール・レーシングのあるテキサスで2~3週間ほどチームの車作りにも参加したことがあります。黄色のペンズオイル・カラーが印象深いドライバーでしたね」

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来期継続参戦するP2にフェルナンデス・レーシングの他、もう1チーム出場させたいという発表が昨年のデトロイトGPでありましたが、すでに決まったチームはありますか?

「いまのところひとつも決まっていません。今シーズンP2を戦っていたAGRとの話し合いは続いていますが、はっきり決まったことは何もありません」

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噂では来シーズン、ポルシェがP2クラスに出場しないという噂がありますが、強力な競争相手がいなくなった場合、今後のP2参戦についてはどうなるでしょうか?

HD:「P2に残ることは競争相手がいるという前提で決めたことですので、私にも判断が付きません。ポルシェがエントリーしないというのもまだ噂の段階ですし、ポルシェがいなくなったとしても、フェルナンデスのライバルはP1のアキュラやアウディということになるでしょう。将来的にカスタマーとしてP2のアキュラ・ユーザーが増えてくれるとうれしいですね」
(つづく)

この続きは来週木曜日にお送りする予定です。