Keita Kawai

モデラーズ・サプリ〜アクションが手がける高品質NASCARミニカー・前編〜

 あけましておめでとうございます。本年もUS-RACINGを何卒よろしくお願いします。2009年最初となる僕のfromUSは、NASCAR(ナスカー)ダイキャスト・ミニカーの紹介です。

 アメリカのレースを語る上では絶対にはずせないNASCARなんですが、恥ずかしながらこれまでNASCARのグッズに関してはノー・マークでした。実は、あのどっしりとして重そうな外観を持つストックカーがどうも好きになれなかったのです。でも、2008年シーズンから導入されたCoT(カー・オブ・トゥモロー)が以前より角ばった形状になり、とてもかっこいい!!そして昨年は日本車メーカーのトヨタが初優勝を挙げましたし、なにより同世代のカイル・ブッシュの目覚しい活躍で、「これは買うしかない!!」と、さっそくミニカーを調べてみました。

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 意識的に見ていないせいか、日本ではNASCARのミニカーなんてほとんど見かけたことがないような気がします。アメリカのサーキットにある売店やインディアナポリス空港のお土産屋さんで何種類か見たことがあるので、そのときは「NASCARのミニカーもちゃんとあるんだ」ぐらいにしか思っていなかったのですが、いざ買おうと探してみるとその種類の豊富さには驚きます。

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 NASCARのミニカーを手がける“アクション”は高品質ダイキャスト・メーカーとして有名。かつてはCART/チャンプ・カーやIRL/インディカーも手がけていたメーカーで、現在はNASCARやNHRAなどの商品に特化しています。NASCARに関しては1/24と1/64のスケールを展開し、毎年、各ドライバーの通常レース・バージョンをリリース。NASCARで頻繁に行われる特別カラーのマシンや、レース・ウイナー・バージョンというモデルまで出ています。人気ドライバーであれば、ネイションワイドやトラックのマシンも網羅されていますから、全て集めようと思うとお金がいくらあっても足りないほどの種類の多さです。

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 そんな目移りしてしまいそうなほど多くの種類から絞り込んだのが今回の2台です。今シーズンのNASCARで暴れまわったトヨタ・カムリの第11戦ダーリントン仕様と、初優勝を決めた第4戦アトランタ仕様です。スケールは1/24になります。2008年にNASCAR最高峰スプリント・カップ・シリーズへの参戦が2年目を迎えたトヨタは、名門ジョー・ギブス・レーシングとタッグを組んだこともあり、シーズン10勝をあげる大活躍。そのうちの8勝が若干23歳のカイル・ブッシュによってもたらされました。今回購入した2台のマシンはいずれもカイル・ブッシュのマシンとなります。

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 まずは、2008年シーズン第4戦アトランタでトヨタに初優勝をもたらしたカムリです。トヨタNASCAR初優勝の新聞広告や11月におこなわれたトヨタ・モータースポーツ・フェスティバルでご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

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 普段はM&Mチョコのカラーリングでレースに出場しているブッシュですが、初優勝を達成したこのレースは特別バージョンのスニッカーズ・カラーになっていたんですね。金属板をイメージした銀色の上に炎の柄が描かれ、そこにスニッカーズの文字が入ったかなりインパクトのあるカラーは文句ナシにかっこいい! トヨタの初優勝モデルという意味でもはずせない一台です。

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“カイル・ブッシュといえばM&Mチョコ”、を印象付けた2008年シーズン。ポップなM&Mカラーをまとうストックカーが毎戦トップ争いを繰り広げたことで、M&Mチョコを食べる世代の子供たちの心をがっちり掴んだことでしょう。生粋のオープンホイール・ファンである僕でさえ、小さいときからなんのシリーズのマシンか知らなくとも、M&Mカラーのレーシングカーがあることは知っていましたから、M&Mカラーのマシンに惹かれるものがあります。NASCARファンの家庭に育っていたら、真っ先にこのマシンのミニカーを誕生日やクリスマスのプレゼントとしてねだっていたでしょうね。

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 しか〜し、残念ながら通常カラーである、黄色ベースのM&Mカラーはすでにソールド・アウト。シカゴランドとタラデガのウイナーモデルがあるものの、発売はまだ先だったのでなくなく断念しました。やはりM&Mのマシンは人気が高いようです。その中で辛くも手に入れることができたのは特別カラーのものでした。

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 最近インディカーでも頻繁に行われるようになった特別カラーは、チップ・ガナッシが先駆をつけてこれまでさまざまな特別カラーで走ってきました。禁煙補助剤のコミットや、フジフイルム、昨年はダン・ウエルドンがポラロイド・カラーで走りましたね。また、ディクソンのエナジャイザー・カラーは常勝伝説が言われるほどゲンの良いカラーリングです。年間35戦プラス、オールスター戦というインディカーの倍近くもレースがあるNASCARでは、頻繁にこの特別カラーを行ってレース以外にもファンの目を楽しませてくれています。最初にご紹介したスニッカーズのマシンも特別カラーでしたね

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 昨年から特別カラーを多用し始めたアンドレッティ・グリーン・レーシング。その第1弾となったのがインディ・ジョーンズ最新作とのコラボレーションでした。インディ500とミルウォーキーをインディ・ジョーンズ・カラーで走ったマルコ・アンドレッティは、インディ500で3位、ミルウォーキーでは史上最年少ポール・ウイナーになるなど大活躍。その一方で、このカラーリングとレーシング・スーツは2008年のインディ500に出場するマシンのなかでも最低と評価されてしまったそうです。個人的には良いと思うんですけど…。

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 第11戦のダーリントンでインディ・ジョーンズ・カラーをまとったカイル・ブッシュも、マルコ同様に大活躍を見せ、見事にダーリントンを優勝。マシンのカラーリングも非常にかっこよく決まっていたので、つい欲しくなってしまいました。

 さて、意外と長くなってしまったので、今週はここまでです。次週はアクション製ダイキャストの細部をレポートしたいと思いますので、お楽しみに。