4コママンガ

怒らない男  – インディカー IRL –

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[怒らない男  – インディカー IRL -]
「えーーーーーー、それは無いだろ〜!」
と、叫んだレースファンは、多かったのではないでしょうか。そう、もちろんベルアイル戦のエリオ・カストロネベス vs ジャスティン・ウィルソンのバトル中に出された裁定のことです。レース後のインタビューでのエリオ選手は、顔は笑顔を作っていましたが目は笑っておらず、裁定に触れるよりは「シカゴだ!」と、ポジティブコメントを貫きました。実にエリオらしい、ペンスキーに所属するベテランドライバーの振る舞いといったところでしょうか。
 さて、裁定の受け取りかたは人それぞれなので、ここはレーシングマシンをドライブしたことのない1レースファンとして、思い切り個人的な感想と意見を書かせていただきます。
 確かにあのライン(直線を斜めに走って1回進路変更)を走られると、追い抜きはほとんど不可能。しかし、エリオ・カストロネベスがミスったら? もしくはジャスティン・ウィルソンがノーズを突っ込みすぎたら? あのまましぶとくポジションを守りきったら? はたまた信じられない動きでオーバーテイクしたら? そしてレース終了後の二人の態度は? そういった生々しい部分にフタをしてしまったように思うのです(終了後のインタビューは、違う意味で生々しかったのですが……)。
 そんなことを思ってしまったのも、僕がモータースポーツにどっぷりとハマるきっかけになったのが、1992年のモナコGP。アイルトン・セナが数秒遅いマシンでも一歩も譲ることなく、ナイジェル・マンセルは一度も追突することなく、火花散る激しいバトルを観てしまったから。別カテゴリーの話ではありますが、「こんな場所で、こんな速度でつばぜり合いができるのか!」と、ドライバーのテクニックと強固な意志に感動し、それからは毎戦欠かさずに観るようになり、他のカテゴリーのにも興味を持つようになりました(オーバルの魅力に痺れたのは、ダン・ウェルドンとサム・ホーニッシュjrの、接触ギリギリの延々続くハイスピードのツーワイドバトル)。
 もちろんオーバルで前走者があのような走行をすれば、あまりに危険すぎるのでペナルティ相当だと思います。ということは、昨年からコースバリエーションが増え、画一的にルールを適用するのが難しくなっているということなのかも? もしそうなら、今後は改善されてほしいところです。
 オーバルにはオーバルの高速バトルの緊張感があり、ロード、ストリートには簡単にはオーバーテイクできない魅力が。特設コースには何が起こるかわからないドキドキが。そのどれも楽しめるシリーズが、今後も順調に再発展して欲しいと願っています。
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4コマの内容はフィクションです。
登場する団体・人物等は実際とは異なります。
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Illustration & TEXT by アラブルカ