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第2戦フェニックスをディクソンが制覇、走行不足で臨んだ佐藤琢磨は15位完走

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今季初オーバルの第2戦フェニックスを制したのは昨年のチャンピオン、スコット・ディクソンでした。予選6位からスタートしたディクソンは、1マイル・オーバルを250周するナイト・レースで96周目にトップへ立ち、155周にわたってトップの座を堅持して今季初勝利を達成です。
 
今回が101勝目となったチップ・ガナッシ・レーシングとディクソンが、フェニックスを制するのは初めてのことでした。ディクソンはこれでアル・アンサーと並ぶ歴代4位となる通算39勝目を達成し、今回の勝利でオーバルが20勝目、ロード&ストリート・コースは19勝を記録。12シーズン毎年勝利を記録したのは、史上初のドライバーとなりました。
 
2位は開幕戦の2位に続く連続表彰台のサイモン・パジノウで、初めてランキング・トップに躍進。レースをリードしていた開幕戦勝者のファン・パブロ・モントーヤは、チームメートでポール・ポジションのエリオ・カストロネベス同様、右前タイヤがカットされるトラブルで戦線離脱を余儀なくされました。
 
3位は同じペンスキーで、2週間前の開幕戦でポールを獲りながら誤診(内耳炎のところオフィシャルが脳震盪と診断)で決勝を走れなかったウィル・パワーが入りました。トップ3を含む4位のトニー・カナーンまではシボレー・エンジンで、ホンダ勢の最上位は予選19位からスタートし、今回最も順位を上げて5位に入ったグラハム・レイホールです。
 
前日の第1プラクティスでクラッシュを喫し、午後2時のシステム・チェックの際にオフィシャルの特別措置によって5分だけ走行して決勝に臨むことになった佐藤琢磨。20番グリッドからスタートした琢磨は、1回目のピットストップ後の再スタートもうまく決めて、16番手まで浮上しました。
 
しかしマシンを安定させるためにダウンフォースを強くした状態で燃費が悪化し、114周目という早い段階で2回目のピットに入った琢磨は周回遅れに。虎視眈々と同一周回への復帰を狙っていましたが、残り100周を過ぎたあたりでセバスチャン・ブルデイがインに飛び込んでバランスを崩すような場面もあり、最終的に15位で完走しました。
 
完全ではないマシンでレースを走るには、安定志向のセッティングにならざるを得ず、思いどおりに順位を上げられないフラストレーションがたまるレースだったことでしょう。そのような厳しい状況の中を琢磨とチームは戦い抜き、次のオーバルであるインディ500に向けて、とても貴重なデータを手に入れることができました。(斉藤和記)
 
●決勝リザルト

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●ハイライト映像