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第8戦デトロイトでブルデイが通算33勝目、佐藤琢磨が2年ぶり2位表彰台獲得!

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前日の第1レース同様ウェット・コンディションに加え、気温10度という厳しい状況の中で始まった第2レースの第8戦デトロイト。レースを制したのはKVSHレーシングのセバスチャン・ブルデイで、昨年のトロント第1レース以来となる通算33勝目(歴代8位)を達成しました。今年7人目のウィナーとなり、シボレーが地元デトロイトで優勝です。
 
朝の予選が雨で中止となったためにランキング順となり、9番手からスタートしたブルデイは27周目に4番手までアップ。レース中盤から乾き始めた路面により、37周目のコーションを利用してピットに入るグループと、ステイアウトするグループに分かれただけでなく、ウェット・タイヤのまま走るグループとスリックに交換するグループに分かれました。
 
ピット・インを選んだのはそれまでのレイン・コンディションで圧倒的な速さをみせてリードしていたファン・パブロ・モントーヤをはじめ、ブルデイも入ってスリックをチョイス。2番手だったディクソンは新しいレインを履いてコースに復帰し、ヒンチクリフの代役として参戦しているコナー・デイリー、ライアン・ハンター-レイ、パワーらはレインを履いたままステイアウトしました。
 
ピットの際にフロント・ウィングの調整に時間をとられたモントーヤを、ピット・アウトでディクソンとブルデイがパス。デイリー、ハンター-レイ、パワー、ディクソン、ブルデイの順となりましたが、ピットに入っていたグループは最後まで走りきるのに6周足りない計算で、「一か八かという状況だった」とブルデイは語っています。
 
ビッグ・ギャンブルに出たピット・イン組にとって幸いだったのが、レーシング・ラインを除いてほとんどがまだ濡れていたことで、再スタートの度にアクシデントが発生する事態となったことでしょう。42周目のコーションも入れて計6回、結局タイム・レースになったこともあり、残り29周のレースでグリーンとなったのは15周だけでした。
 
レイン・タイヤ組が次々とピット・インする中、51周目に労せずしてトップに立ったブルデイは、イエロー多発で燃料の心配もなくなり、68周に短縮されたレースをみごと制覇しました。同じシボレー・エンジンを使用しているモントーヤは最後に燃料切れでコース上にストップし、11位でフィニッシュしています。
 
「雨で予選が中止になってベストなスタートではなかったけど、いい一日になりそうな自信があった」とレース後に語ったブルデイ。「序盤に二つポジションを上げ、中盤になって再び雨が降り始めた頃が一番滑りやすかったよ。壁に近付くようなミスをしないよう、ひたすらコースに留まろうと毎回トライしていた。ドライなラインは一本だけだったから、とてもミスしやすかったね」
 
「赤旗になって頭に来た。その前にタイム・レースになるのは知っていて、あと2周イエローで走れば、最後まで燃料は持つ計算だったんだ。もしタイム・レースでなく、グリーンのままレースが続いていたら、最後まで走れなかったね。今日のカギは燃料を使わないでタイヤに熱を入れられたことだ。我々は琢磨の事を良く知っているから、再スタートでリードを広げることができて良かったよ」
 
2位に入ったのはランキング順の15位からスタートした佐藤琢磨で、36周目に10番手までポジションを上げていました。ブルデイ同様、琢磨も37周目のコーションでピットに入ってレッド・タイヤをチョイス。11番手から再スタートし、ステイアウトしたグループやレイン・タイヤ組がすべていなくなった時点で4番手までアップしていたのです。
 
途中、前を行くグラハム・レイホールをパスしようとして縁石に乗り上げる危ういシーンや、レイホールにブロックされる場面もありましたが、このブロックを見逃さなかったレース・コントロールは琢磨をレイホールの前に出すよう指示して3番手に浮上。64周目の再スタートではグリーンの直後にモントーヤをパスして2番手に躍進します。
 
赤旗からの再スタート後も琢磨は2番手をキープし、2013年サンパウロ以来、実に2年ぶりの表彰台を獲得しました。通算で10回目のトップ5フィニッシュです。3位はレイホールが入り、ホンダは2位から9位までを占めました。
 
「久しぶりにポディウムに戻ってこれて、すごくうれしいです」と喜ぶ琢磨。「今日は気温も低かったせいかライン以外はグリップが低く、序盤はみんな抜くのに苦労していました。10周後ぐらいにはドライ・タイヤで行けるんじゃないかと誰もが読んでいたと思いますが、その頃から雨が降り始めて、雨脚が強くなってから抜きやすくなってきました」
 
「最後、乾きだす直前にハンター-レイを抜いてトップ10に入った頃から、クルマも自分もいい感じで上がってきて、今日は上位入賞できる雰囲気になってきました」と琢磨。レイホールのインに飛び込もうとして縁石に乗った時は「ちょっとヒヤッとしましたね。近すぎました。グラハムが10番コーナーで体制を崩して、チャンスだったので並びかけたんですけど、彼も強引にラインを死守してきたので、僕も並びかける勢いはあったのですが、僕が行こうとしているラインは濡れていたこともあり、引かざるを得なかったです」
 
コンディションが悪い中で15番手から2番手まで着実に追い上げ、最後のリスタートも含めて辛抱強く、粘り強い走りに見えたと伝えると、「いつも辛抱強く、粘り強くやっているつもりなんですけど!(笑)」と琢磨。「今日は優勝したかったですけど、15位からここまで追い上げてきた状況を考えれば、2位フィニッシュというのはチームにとっても非常に良いリザルトだと思うし、僕自身にとっても大切なリザルトです。優勝はこの後も狙って行きますが、今日はここまでこれたことに感謝したいです」
 
ゴールの直後、僕はAJフォイト・レーシングのピットにいて、歓喜するクルーやスタッフを撮影。現場に来ていたAJフォイト御大をはじめ、2年ぶりの表彰台に全員がすばらしい笑顔をみせてくれました。マシンが帰ってきてからはピットロードをダッシュし、ヘルメットを脱ぐところから琢磨を撮影したのですが、喜びの大きさがストレートに伝わり、僕自身も胸が熱くなりました。ほんとうに長かったこの2年間、それはまさに全員にとって待望の表彰台でした。
 
先週のインディ500に続き、土曜日の第1レースでも接触したその夜、取材を続ける意味を見いだせなくなったことから、20年以上続けた取材の休止を決意。サポーターズクラブの会員に、メールで告知した翌日のことでした。
 
おかしなもので、本来なら2012年のインディ500で現地取材は終わっているはずだったのですが、優勝目前までいったことで継続することになり、インディカー取材開始から20周年の2013年ロング・ビーチで終わる予定が初優勝。そして今回と、休む宣言をするとなぜか活躍してくれます。テキサスとトロントの飛行機、キャンセルするんじゃなかった…(斉藤和記)
 
●決勝リザルト

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●ハイライト映像