INDY CAR

第9戦ヒューストンをルーキーのウェルタスが制覇、佐藤琢磨は追突されてリタイアに

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レース直前に降り出した雨で1時間50分のタイム・レースとなった土曜日の第9戦ヒューストン。ウェットからドライへとコンディションが変わっていく中、6回もトップが入れ替わる激しい戦いを制したのは、予選19位からスタートしたルーキーのカルロス・ウェルタス(ホンダ)でした。ルーキーの優勝は2006年のマルコ・アンドレッティ以来のことです。
 

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昨年のデトロイト第1レースでマイク・コンウェイをスポットで起用して勝利したデイル・コイン・レーシングは、2012年から3年連続で毎年優勝し、今回が通算4勝目となりました。チームは終了時間から逆算してウェルタスをコーション中の41周目にピットへ呼び、そこから最後まで走り切る作戦を立てて見事成功。90周から80周へと短縮されたレースを見事制しました。
 

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2位はNASCARから今年インディカー復帰を果たしたファン・モントーヤ(シボレー)、3位にカルロス・ムニョス(ホンダ)が入り、ワールドカップで初めてトップ8入りを果たしたばかりのコロンビア人ドライバーが、インディカーで初の表彰台独占です。ウェルタスとムニョスにとって、同郷のヒーローであるモントーヤは憧れのドライバーでした。
 

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予選6位から好スタートを決めた佐藤琢磨は、フィリッピとヒンチクリフに挟まれて後退する場面があったものの、1周を終えた時点で4番手までポジションをアップ。5周目にはトップのサイモン・パジノウをパスしてトップに浮上するなど、今回もウェット・コンディションで素晴らしい走りを披露しました。チームの本拠地から最も近いヒューストンで、堂々のトップ快走です。
 

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2番手ヒンチクリフに対して4秒ものリードを築いた琢磨でしたが、7周目にチームメートのムニョスに追突されたアンドレッティは、翌周ピット作業を済ませて琢磨の前でコースに復帰。周回遅れになりたくなかったアンドレッティは数周にわたってハイペースを維持するも、絶好調の琢磨はすぐに追いつきます。オフィシャルはフラッグ・スタンドからブルー・フラッグを提示し、琢磨を先に行かせるようアンドレッティに指示しましたが、アンドレッティはひたすら無視。刻々と路面が乾いていく中、チームメートの2番手ヒンチクリフが琢磨に追い付くまで、時間を稼いでいるのは明白でした。
 
琢磨とヒンチクリフは揃って27周目に最初のピットイン、しかしここで琢磨は先行を許すことになり、2番手でコースに戻ります。レースは32周目に再スタートし、ヒンチクリフの後ろで様子をうかがっていた琢磨の後ろで、周回遅れのミハイル・アレシンがターン6で琢磨のアウト側へ。「外側から絶対にパスできないコーナーで、しかも乾いたラインは一本しかなかったので、(外側に来ることは)予想さえしていなかった」と琢磨。両者は接触してもつれあうように壁にヒットし、そのままリタイアを余儀なくされました。
 

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「あのアクシデントも結局はマルコがその前に僕を抑えたから1位を失ったわけで、全部繋がっていますね」と琢磨。「スタート・フィニッシュ・ラインでブルー・フラッグを振られたら、2周以内に譲らなければならないルールの中で、それを2回無視したということは、もうその時点でレースをしていないですよね。チームも無線を使ってリーグに訴えていたのですが、10周近く抑え込まれて、その間に5秒近く築いていたヒンチクリフとのギャップがゼロになってしまいました。すべての引き金がそこにあったので、あのアンドレッティのやり方には納得いかないです」
 

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さて、みなさんは今回の一件をどうご覧になったでしょう。インディカーはチームメートがチャンピオンを争っていても、滅多にチームオーダーを出さないのがいいところであり、フェアに戦うというのがこのシリーズでは当たり前だったはずです。今回の場合、チームからマルコに指示が行っていないとは考えにくく、マルコがペナルティ覚悟であのような行為に及んだとすれば、彼のファンは失望するのではないでしょうか。マルチカー全盛の現在、このような行為は今後さらにエスカレートする可能性を秘めているだけに、今のうちからしっかりと取り締まるべきだと思いました。(斉藤和記)
 
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