今季初のロードコースとなる第3戦アラバマの初日トップは、前戦ロング・ビーチで無謀なパスによってレースを台無しにしたライアン・ハンター-レイ(ホンダ)でした。2010年からこのバーバー・モータースポーツ・パークでレースが開催されてきた中で、最初の3年は予選11位が最高、決勝は12位以上でフィニッシュしたことがなかった彼が、昨年はいきなりポール・トゥ・ウィンを達成。「テストの時よりも暑くなったけど、コースは良かったよ」とハンター-レイ。「オフシーズンテストの時は満足できなかった」というコメントを見る限り、暑くなった気温が、彼らのセットアップにうまくマッチしているということだと思います。2年連続ポールとなるでしょうか。
2位はロング・ビーチでもトップグループを走っていたセバスチャン・ブルデイで、シボレー勢の中ではトップ・タイムとなります。「テストで来た時は気温10度で風もなく、コースは素晴らしいコンディションだったのが、暑くなった今回は2秒も遅く、まるで違うクルマに乗っているようだ」とのこと。最初のセッションでアクシデントが相次いだのは、テストの時と違うコンディションに多くのドライバーが戸惑ったからかもしれませんね。
前回のロングビーチでトップを走りながら、ハンター-レイに突っ込まれてレースを失ったジョセフ・ニューガーデンが3位でした。「いつもはセント・ピーターズバーグの後の2戦目だったのが、今年は3戦目でロング・ビーチの後になったからね」とニューガーデン。これまでの4月上旬の開催から下旬になったことも、大きな要因なのでしょう。「去年のようなずっとグリーンのレースだったら、体力的に相当厳しいレースになるだろう」
「イギリス時代を思い出す、好きなコースのひとつ」とこのバーバーについて語る佐藤琢磨ですが、過去4年でのベストは予選が初年度の6位で、決勝は昨年14位でした。今回は朝のプラクティスで1分10秒1867を記録して20位、午後は1分9秒4793まで縮めて13位まで上がったものの、総合では15位という結果になりました。
「あまり良くはありませんでしたが、最終的に色々なヒントが見え、有意義な一日でした」と初日全体を振り返る琢磨。「冬のテストの時は寒くて真冬のような感じだったのが、今日は夏みたいです。ダウンフォースの量も減ってタイヤもオーバーヒート傾向になるので、グリップも減ってアンダーステアも強くなり、すごく乗りづらかったですね。去年とだいぶ違うセットが要求されているので、一晩かけて大きくクルマを変えたいと思います」
いつもより開催時期が2週間遅くなったことによって、そのコンディションの変化に多くのドライバーが翻弄された初日となりました。前の晩は激しい雷雨で、湿度が上がったことも大きな要因だったかもしれませんね。去年はコース脇がドロドロになり、おろしたての靴が泥だらけになりましたが、今年はしっかりと整備されていて助かりましたよ。この土日のカギとなる気温、どうか暑くならないように…。
●プラクティス総合リザルト
●初日ハイライト映像