INDY CAR

2014年開幕戦セント・ピーターズバーグをパワーが制覇、佐藤琢磨は7位

画像

画像

2014年の開幕戦を制したのは、ウィル・パワーでした。海に面した空港の滑走路と一般道を組み合わせた特設コース、セント・ピーターズバーグでの勝利は2010年以来2回目。昨年の第18戦ヒューストン、最終戦フォンタナに続く3連勝で、通算では22勝目となります。予選4位からスタートしたパワーは、31周目にトップの佐藤琢磨をパス。その後最後までトップを堅持しました。
 

画像

「完璧なシーズンのスタートになった」と喜ぶパワー。「この週末を送りながら、レースで競争力があるとは予測できないほど、うまくいってなかったんだ。たしかに予選は非常に混乱し、誰も佐藤にはかなわないと思ったほど、彼はほんとうに速かったね。レースではシンドリック(ストラテジスト)が早目にピットへ入るよう指示し、クリアになったコースで速いペースで走ることができた。そこにピットを終えた佐藤が僕と同じブラックでコースインしてきたんだけど、ブラックでは我々のクルマの方が強かったと感じたし、パスして引き離すことができた。非常にうまくいったと思う」
 

画像

物議を醸しだした再スタートについては「リーダーはペースカーがいなくなったら、自分の好きなペースを設定することができる。最初のリスタートはまだ僕がスタート可能な位置にいる前にグリーンになったから、戸惑ったよ。次のスタートはグリーンになったから行っただけのこと。ブレーキには触っていない」と語っています。「今回の勝利はチームの戦略、良いピットストップ、ミスのないドライビング、そして明らかに良いクルマだったということさ。その基本的なことが、大変なんだけどね」
 

画像

2位は今回デビューしたホンダのツインターボを駆るライアン・ハンター-レイでした。「ただターボを一つ足せば速くなるってほど、簡単なものじゃない」とハンター-レイ。「シングル・ターボでドライバビリティを良くするのはとても複雑なプロセスが必要で、僕もオフシーズンに初めてシングル・ターボをドライブしたけど、彼らがなぜあれほど成功したかわかった。今日彼らは素晴らしい武器を与えてくれた。まだ僕は乗りこなせていないと思うし、もっと良くなると感じている。これからも一緒に働いていきたいね」
 

画像

エリオ・カストロネベスは予選10位から追い上げて3位に入りました。注目は最初のピットで、最後となる28周目まで引っ張っています。シボレーは燃費もいいですね。「後方からのスタートだったから、すべてを使って可能な限りプッシュしたよ」とカストロネベス。「最初に新品のレッド・タイヤを履いたから、たくさんパスできた。ロジャー(ペンスキーは)は次にブラックにすることを決め、僕はノーといったけど、彼はイエスだったから従ったんだ。でも最後の15周はタイヤがギブアップだったね」
 

画像

ポール・ポジションから開幕戦をスタートした佐藤琢磨は、カストロネベスの1周前、27周目に最初のピットへ。再びトップでコースに復帰したものの、空気圧が合っていなかったブラック・タイヤでペース・ダウンを余儀なくされ、31周目、パワーにパスを許してしまいます。その後のピットストップではタイヤ交換のミスも発生して後退。最終的に7位でフィニッシュすることになりました。
 

画像

「スタートそのものはよく、クリーンに1コーナーに入って行くことができましたし、後続との間隔を見ながらペースコントロールしていました。コンペテティブなラップタイムも刻めていたし、燃料も目標どおりセーブできていました」と琢磨は序盤を振り返ります。「ピットまで少し長く引っ張りすぎたかもしれず、タイヤのグリップがあるうちにピットへ入り、あまり燃費を気にせずにハイペースを維持した方が良かったかもしれません」
 

画像

交換したブラック・タイヤについては「内圧が低すぎて、思ったように上がらず、ペースが上がるまで4周ぐらいかかるなど、非常に苦労しました」とコメント。「5、6、7周目になってやっと人並みのペースになりましたが、ウィル(パワー)を抑えることができませんでした。その後早目にピットへ入ってハンター-レイとコンウェイに先行され、最後のイエロー中のピットではリアタイヤがうまく交換できず、ガナッシ2台に抜かれました。今回のレースで見つかった問題を見直して、次回のロング・ビーチに臨みたいです」
 

画像

1999年にガナッシからデビューしてCARTチャンピオンを獲得し、翌年はインディ500でデビュー・ウィン。トヨタのCART初優勝も達成したことで知られるファン・パブロ・モントーヤの復帰戦は15位でした。「とてもうまくいったと思うよ」とモントーヤ。「もっとうまくやらなければならないこともあったけど、最後までペースは悪くなかったと思う。とても楽しかった!」
 

画像

レース前、ダン・ウェルドン・ビクトリー・サークル・モニュメントに昨年のウィナーであるジェイムズ・ヒンチクリフのプレートが貼られました。今年はスポンサーがGodaddyからユナイテッド・ファイバー&データに変わり、ご覧のキャンギャルが毎回サーキットに訪れるそうですよ。次回は琢磨が初優勝したロング・ビーチ、2連覇&連続ポールを期待しましょう!
 

画像

 
●決勝リザルト

画像


●決勝ハイライト映像