1997年にCARTデビューし、このロング･ビーチで250戦目を迎えるD.フランキッティが、今季初の最終ラウンド進出。1分7秒2379を記録して通算30回目のポール･ポジションを獲得しました。今年は開幕戦が予選10位、第2戦が予選17位（決勝は25位と26位）に終わっていただけに、「このポールが持つ意味は大きいよ」と本人も大喜びです。
「我々はバーバー･モーター･スポーツ･パークで決勝用の速いクルマを持っていたが、予選で混乱していた。明日の決勝用のクルマも速いことを望んでいるし、今回のレースこそ、うまくいくことを祈っている」とフランキッティ。今回S.ブルデイが持つ30回のポール回数に並び（歴代7位）、レースで勝てばブルデイとトレイシーを上回る32勝目となります。
昨日トップだったR. ハンター-レイは、フランキッティとわずか0.0555秒差で2戦連続ポールならず。しかし2010年に勝った時と同じ、予選2位からのスタートとなります。
現役最多となる3回のポールを獲得していたW.パワーは予選3位に入り、セカンドローからのスタートとなりました。優勝すれば昨年に続く2連勝、ロング･ビーチでは3勝目となりますね。
前回の市街地コース、開幕戦セント･ピーターズバーグで予選2位を獲得していた佐藤琢磨は、今回も最終ラウンドまで進出。アラバマでは後続のアタックを防げたとしてペナルティを科せられましたが（12番グリッドからスタート）、これで3戦連続のトップ6です。トップから0.2093秒差の予選4位、セカンドローからスタートします。
「予選前のプラクティスでバランスを見失ってタイムが伸びず、かなり順位も落ちて不安もあったんですけど、予選に向けてカムバックできました。開幕戦、そしてバーバーと予選で力強いパフォーマンスを出せていたので、このロングビーチでも思いっきり攻めることができ、結果的に2列目を確保できたというのはすごく良かったと思います」と琢磨。
AJフォイト･レーシングのリリースには、「これがチームと佐藤琢磨の相性によるものかどうかは定かでないが、人々は気づいている。今シーズンのスタートから佐藤琢磨とAJフォイト･レーシングは速いと。ドライバーとチームにとって、近年の中でもベストといえるシーズンの幕開けとなっている」とありました。
今回のトップ6にはペンスキー、ガナッシ、アンドレッティ、レイホール、そしてフォイトの5チームが揃っています。この写真の6人のうち、未勝利は琢磨だけ。トップチームと肩を並べるだけの速さを予選で披露するようになった今、もはや勝利は時間の問題といえるのではないでしょうか。
今日もロングビーチは快晴で、20年前と同じようにカメラを持ってコースを歩き回りました。ここでインディカーや市街地レースのおもしろさに目覚めたのですが、ほんとうに色々なことを思い出しましたよ。インディ･ジャパンと同じ週末になり、土曜日の日本のレースが終わってから飛んで来たこともあります。今思えばかなり無茶でしたね（笑）。このロングビーチはホンダとトヨタのアメリカの本社から一番近いレースなのですが、CART時代にホンダはここで7連勝したのと対照的に、冠スポンサーのトヨタはなぜか一度も勝てず、日本ではそのトヨタが、ツインリンクもてぎを作ったホンダより先に勝ったこともありました。勝負は過酷です。
メディアとしての取材だけでなく、チャンプカーの社長に日本で市街地レースができるところを探してほしいと依頼されたのもここですし、小樽GPのスタッフや横浜市議会の議員さんを案内したり、ロングビーチ市長とのミーティングをセッティングしたこともありました。実はうちの社員がスタッフとしてここで働いていたこともあって、社長のジム･マイケリアンさんには小樽や横浜の視察に3回も日本に来てもらいました。日本で市街地レースが実現しなかったのは残念ですが、そのプロセスにおいては、ほんとうに貴重な体験だったと思います。シリーズの分裂による政治的な争いの場となったり、チャンプカーの最後のレースを見た時はすごく辛かったですけど…。
この20年、色々なことがありましたが、最後はやはり日本人の初優勝を見たいものです！
最後、というのは、取材20周年となるこのロングビーチで、いったん取材活動を休止したいと考えています。今年より始めたサポーターズクラブのご支援を得て今後も継続していくつもりでしたが、費用的にだいぶ厳しいものがありまして、十分な資金が集まった時点で再開したい所存です。お気持ちを寄せていただいたサポーターのみなさん、ほんとうにありがとうございました。今後のことに関しては、後日、メールにてご連絡させていただきますので、しばしお待ちください。
明日のレース、みなさんと一緒に楽しみたいと思います！