INDY CAR

2009年インディカー第2戦ロング・ビーチ【決勝】フォト・レポート

<US-RACING>

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インディカー第2戦で優勝したのは、2002年のCART以来、7年ぶりにロング・ビーチでオープン・ホイールのステアリングを握ったダリオ・フランキッティ。35年目を迎えた西海岸最大のスポーツ・イベントで、念願の初優勝を達成しました。これまで98年と99年にチップ・ガナッシのマシンに負け、2回とも2位でフィニッシュしたのですが、今回は同チームで優勝。「そのチームに勝ちたいならそのチームに加わってしまえということだね」とは、いかにもフランキッティらしいコメントですね。表彰台で奥さんのアシュリー・ジャッドが大喜びし、フランキッティに抱きついてキスするシーンを久々に見ましたよ。

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CART時代にここで6回も走り、1度も勝てなかったフランキッティですが、NASCARからインディに復帰してわずか2戦目に優勝。IRL通算9勝目は、意外にもインディカーのロード&市街地コースでの初勝利だったのです。今日フランキッティは第1スティントをレッド・タイヤで2位まで追い上げ、最初のローカル・コーションでピット・インしたことでトップに浮上。速さとチームの作戦が上手く結びつき、ほんとうに完璧なレースを見せてくれました。

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ポール・シッターのウィル・パワーは、最初から無線が故障し、チームとのコミュニケーションで苦しんでいました。それに加え、チーム・クルーは去年のアメリカン・ル・マン・シーズンのポルシェを担当していたスタッフで、インディカーの経験が浅かったようです。にもかかわらず、みごと2位でフィニッシュしたのは立派。この週末のドタバタを考えれば、十分な成績といえるのではないでしょうか。現在ポイント・ランキング2位ですが、次のカンザス戦のシートが無いというのは、ほんとうにもったいないですね。

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今週末の全てのセッションで、ハンドリングに苦しんでいたトニー・カナーンですが、今日はチームの巧みなピット戦略で順位を上げ、今季初表彰台となる3位を達成しました。レース前に、友人のフランキッティとの賭けで、今回カナーンが優勝したら、フランキッティが頭を坊主にすることになっていたそうで、逆にフランキッティが勝ったら、カナーンが優勝するまで自分の髪の毛を伸ばし続けることになっていたようです。カナーンのあのビッグ・ノーズにビッグ・ヘアも加わると、かなり衝撃的な絵になりそうですね。3位でもちょっと複雑な気持ちのカナーンでした。

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今回最も凄まじい追い上げを見せたのはダニカ・パトリックで、22位からピット戦略でポジション・アップを重ね、なんと4位でフィニッシュしました。ツインリンクもてぎで初優勝を飾ってから、ちょうど1年となる今週末。開幕戦でマトスとの接触によりリタイアを余儀なくされ、ロング・ビーチでも予選22位と不調が続いていたのですが、久しぶりに明るい表情が戻りましたよ。レース後のインタビューで、手の平にできたまめをテレビ・カメラに見せたところ、「男に負けないくらいのまめですね」とインタビュアーにほめられてご機嫌の様子。がんばりましたね、ダニカ。

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コース中最もスピードがダウンする最終ターンが、今日の武藤にとって鬼門となってしまいました。昨年のチャンピオン、スコット・ディクソンが前方のグラハム・レイホールに追突したのを皮切りに、後続の4〜5台が次々と前車にヒットする玉突き状態に。武藤はすぐに気がついてマシンを右に振ったものの、「前のマシンが同じ方向にジャンプし、避けられなかった」とのことで、追突してしまったのです。

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フロント・ノーズを交換するなど、武藤のクルーは懸命にマシンを修復してコースに戻りましたが、2戦連続のリタイアに終わってしまいました。「今日はレース中のペースがよく、作戦も良かったのですが・・・・・・」とがっかりの武藤。チームメイトの3人が揃って上位フィニッシュしただけに、ほんとうに残念な週末でした。次回、得意な1.5マイル・オーバルで、この悪い流れを断ち切って欲しいものです。

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昨日6ヶ月ぶりにインディカーに乗り、今日は朝から筋肉痛で苦しんでいることを報道陣に明かしたエリオ・カストロネベス。しかしレースとなったら、一時トップを走るなど、絶好調でした。レースが終わっても疲れた様子は無く、元気いっぱいのエリオ。「疲れるだろうと思ったけど、気持ちが良いね! こうやってインタビューでレースの話ができて、ほんとうに幸せだな」と飛び跳ねていました。これならフェンスに登る日も近いかもしれませんね。

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昨年のチャンピオン、スコット・ディクソンはチームメイトと対象的なレースとなりました。CART時代に続く3回目のロング・ビーチでしたが、ブリスコーが最終ターンの立ち上がりで後ろから激突。それもなんとフル・コーション中のことで、久しぶりにブリスコーのハチャメチャぶりが披露されました。しかし、ディクソンには怒れない理由が。昨年のワトキンス・グレンでコーション中にスピンをし、ブリスコー巻き込んだことがあったのです。

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今日は天気予報を大きく上回る35.6度まで気温が上昇。昨日まではカリフォルニアらしい青空に喜んでいたのですが、今日は暑すぎてちょっと辛かったです。コースのすぐそばにヨット・ハーバーがあり、無料ボートツアーが行われていました。ビールを飲みながら、ロング・ビーチの港をクルーシングするのは気持ちよさそうで、ついつい乗りたくなってしまいましたよ。来週はシーズン最初のオーバル、カンザスです。