<Speed of Japan>
2008年インディカーシリーズ第5戦
第92回インディアナポリス500マイルレース
バンプデー
5月18日(日) インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(フルコース:2.5
マイル)
天気 晴れ
#98 ロジャー安川(Curb Records/HH Gregg/Real Power)
<マシン>Honda/ダラーラ/ファイアストン
6年連続のインディ500決勝出場を狙うロジャー安川にとって、その運命が決まるバンプデーがこの日、インディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催された。
バンプデーとは、昨日までの予選で暫定的に決まった33のグリッドの33番目のグリッドを争う最終予選になる。この日、タイムアタックしたドライバー、その時点で一番遅いタイムのドライバーを意味する「オンザバブル」をけり落とすことになる。前日、31番グリッドに滑り込んだ安川だが、このバンプデーにまだ予選を通過していないドライバーは4人。そのうちの一人は昨日のクラッシュでマシンが大破。メディカルからもクリアが出なかったため、実際は3人のタイムアタックとなった。
この日のインディアナポリスは強風と、コースコンディションは良くなかった。また、昨晩降った雨で、コース上のラバーは洗い落とされた。このコンディションでは昨日のタイムを上回ることができないと判断した安川とチームは、タイヤの本数制限とエンジンのマイレージを考慮して、午前中の走行を回避。様子を見る作戦に出た。
そして、午後から開始された予選。まず、一人が安川のタイムを上回った。午後1時30分に最初のアタックでバンプアウトされたドライバーが再度予選に挑戦。見事成功し、この時点で安川が「オンザバブル」になる。それを確認した安川はコースに出る。昨晩からデータ分析をして決めたセッティングを確認するための走行を開始。セッティングの方向性が正しいことを確認した安川は、さらにそのセッティングを詰めていった。予選通過が確実であろう219マイル台を4周連続出せることが確認できた安川は、予選出場ラインに向った。予選終了まで残り30分のところだった。
そして、安川の前にアタックしたドライバーが安川のタイムを上回り、この時点で安川は予選通過から脱落。あとは、自分の力で戻るしかなかった。この時点での予選通過に必要なスピードは218.620マイルだった。安川はアタックを開始。バックストレートの向かい風が強くなっていた。渾身のアタックをした安川は4周平均218.559マイルとわずか0.061秒足りなかった。
その時点でまだ予選は15分残っており、再度ウィングの調整などをして、予選出場ラインに並ぶ。しかし、平均218.476マイルしか記録できず、残念な予選落ちとなってしまった。
ロジャー安川
「予選を通過できなかったのは本当に悔しいです。今日は走り出しからマシンがいい感じで、タイムも伸びていました。風が変わっていたのが気になりましたが、ここまで影響があるとは予想できませんでした。頑張ってくれたチーム、ぼくを応援してくれたスポンサー、そしてファンのみなさんに心からお詫びいたします。僕の今年のインディ500はこれで終わりましたが、これから来年に向けて、スポンサーの獲得、そして体制作りを強化していきたいと思っています。また期待してください」