INDY CAR

トニー・カナーンが2週連続優勝でシーズン4勝目。チャンピオンの座を争うトップ3のポイント差縮まる

<Honda>

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2007年8月11日(土)・決勝
会場:ケンタッキー・スピードウェイ
天候:快晴
気温:32〜33℃
オハイオ州の大都市シンシナティからケンタッキー州への州境を越えた山間に全長1.5マイルのケンタッキー・スピードウェイはある。2007年シーズンも終盤戦を迎えているIRL IndyCarシリーズ、第14戦マイヤー・インディ300は、土曜日の夕方6時半過ぎにスタートが切られるトワイライト・レースとして開催され、トニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が今シーズン4勝目を飾った。
昨年までは日曜日の日中にレースが行われていたが、今年からケンタッキーでのレースは夕方へと開催時間が遅らされた。今週のアメリカは大半の地域が熱波に襲われており、わずかとはいえ気温の下がる時間帯のレースとなったことは非常に幸いだった。

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ケンタッキー・スピードウェイは、高速コースでありながら路面がバンピーで、マシンセッティングが難しい。レースではタービュランスを浴びながらバンプを越えていくことも多いため、ドライバーたちはほかのコース以上に高度な緊張感を保ち続けながら200周のレースを戦わねばならない。カナーンは予選で2番手に0.1秒以上の差をつけてポールポジションを獲得していたが、レースでもライバル勢を明確に上回るパフォーマンスを発揮。ミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われた第13戦に続く2連勝を飾り、シーズン4勝目の一番乗りを果たした。この勝利によって、シリーズランキングで3位につけている彼はポイントリーダーのダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)、ポイント2位のスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)とのポイント差をまたしても縮めることに成功した。ディクソンは2位でフィニッシュし、フランキッティのポイントリードはついに8点にまで縮まった。カナーンはフランキッティと52点差、ディクソンとは44点差まで詰め寄った。
今日のレースではA.J.フォイト4世(ヴィジョン・レーシング)がすばらしい走りを見せ、キャリアベストとなる3位でのゴールを達成した。

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フランキッティのレースは、ゴールまで50周を切ったところから一気に悪い方へと流れを変えた。ディクソンの後方となる3位を走行中にラインをアウトに外すミスを犯し、タイヤかすを拾って6位まで後退。残り22周でピットへ向かったときにはピットロード入口の計測機器に接触してフロントノーズを破損し、ノーズ交換をしたために8位までポジションを下げた。そのままの順位でゴールした彼は、フィニッシュライン通過後に松浦孝亮(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)に追突し、ミシガンに続いて宙を舞うアクシデントを起こした。幸い、松浦にもフランキッティにもケガはなかった。
松浦は予選17番手からスタートし、序盤に13位までポジションアップ。ピットストップでの給油量を少なくする作戦も使ってさらに上位へ進出することを目指したが、レース中盤のセッティング変更で最高速の伸びが悪くなって苦戦。それでも11位でチェッカーフラッグを受けた。
インディカーレースの直後に行われたIndyProシリーズの第13戦ケンタッキー100では、武藤英紀(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)が通算2回目、オーバルでは初のポールポジションからスタートし、オーバル初優勝をポール・トゥ・ウインで達成した。今シーズン2勝目を挙げた武藤は、現在ポンントランキングで2位につけている。
■コメント

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■トニー・カナーン(優勝)
「チャンピオン争いに残るためには優勝するしかなかった。この勝利は本当にうれしい。マシンは予選でもレースでも本当に速く、初めての2連勝を達成することができた。最高のマシンを用意してくれたクルーたちに感謝したい。シーズンはもう終盤で、誰もがより激しい戦いぶりを見せている。残りレースが1つ減れば、優勝のチャンスもまた1つ減るからだ。アクシデントの多発は、それが原因になっていると思う。しかし、次戦からも僕のスタイルは変わらない。タイトル争いを意識せず、1戦ずつでの勝利を目指していく。そして、2人のライバルたちとのポイント差を縮めていく」

■スコット・ディクソン(2位)
「もちろん優勝したかったが、今日はアンドレッティ・グリーン・レーシングの2台が自分たちより速かった。どこでその差が生まれているのか。悔しいし、フラストレーションが溜まりもする。クルーたちが見事なピットストップをしてくれたことでトップに立ったが、カナーンはリスタートでチームメートのフランキッティを後方に従えることで僕を楽々とパスしていった。しかし、勝てないのであれば2位でフィニッシュしたい。僕はそう考えていた。その通りの結果を手にすることができたのだから、今日は満足しなければいけないのかもしれない。ポイントリーダーのダリオ(フランキッティ)が8位となったため、ポイント差を縮めることができた。その点では、僕らは今回の最大の目標を達成したんだ」

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■A.J.フォイト4世(3位)
「レースを重ねるごとに、チーム力がどんどん向上して来ていると感じていた。エンジニアとのコミュニケーションも、シーズンが進むにつれて深まって来ていた。今シーズンのこれまでのレースでもマシンの仕上がり具合はよかったが、今日のマシンは、本当にすばらしいものだった。走りたいところを自由自在に走れるマシンになっていた。さらに、今日はクルーたちがすべてのピットストップで素早い作業をしてくれた。3位フィニッシュができたのは、彼らのおかげだ。今日手にした結果は、僕自身にとってもチームにとっても本当にうれしいものだ」

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■松浦孝亮(11位)
「スタートからマシンはアンダーステアが強かったのですが、ポジションを上げていくことができました。しかし、ハンドリングをよくしようと1回目のピットストップでフロントウイングを立てたところ、スピードが伸びなくなり、苦しいレースになりました。レースのゴールを迎え、前の車と同じように減速をしたときに、突然後ろからダリオ(フランキッティ)がぶつかって来たのは、とても残念なアクシデントでした。自分たちに一切ミスがないのに、僕らのマシンはダメージを受け、クルーたちはまたワークショップで修理に時間を費やさなければならないのですから。次はカリフォルニアでのロードレース。気持ちを切り替え、得意のロードコースでまたトップ5フィニッシュを目指します」

■ロジャー・グリフィス(HPDテクニカル・グループ・リーダー)
「ポイント3位のトニー・カナーンが優勝し、ポイント2位のスコット・ディクソンがその後ろの2位となった。そして、ポイント・リーダーのダリオ・フランキッティは8位で、3人のポイント差はまたしても小さくなった。残りレース3戦のうちの2戦はロードコースで、ポイント・トップ3のドライバーたちは、いずれもロードコースを得意としている。果たしてベストのドライバーは誰なのか? 最終3レースは極めてエキサイティングな戦いになるだろう。
Honda Indy V-8エンジンの信頼性は高く、今週もトラブルは一切なかったが、ミシガンに続いて今週もアクシデントが多く2レースで10基以上のエンジンがダメージを受けた。もうシーズンも終盤だが、テストの予定も入っているし、最終戦のシカゴには何人かのドライバーが新たに参戦して来る。そのためエンジンの組み立て作業を行っている人々には少々プレッシャーがかかるが、充分な数の均質なHonda Indy V-8を供給することには全く問題はない」