INDY CAR

松浦孝亮、予選14番手も決勝シミュレーションは万全の状態

<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IRLインディカー・シリーズ第13戦 ファイアストン・インディ400>
【日 程】8月4日〜8月5日
【開催地】ミシガン州ブルックリン
【コース】ミシガン・インターナショナル・スピードウェイ
【距 離】2マイル(3.219km)×200周=400マイル(643.737km)
■■■8月4日予選■■■
【天 候】晴れのち曇り
【気 温】29℃
【時 間】16時30分〜(日本時間5日5時30分〜)
<松浦孝亮、ミシガンでの予選は14位>
 すでに後半戦に突入した2007年IRLインディカー・シリーズ第13戦は、ミシガン州デトロイト郊外にある全長2マイル(3.219km)の超高速ハイバンク・オーバル、ミシガン・インターナショナル・スピードウェイが舞台である。スーパーアグリ・パンサー・レーシングの松浦孝亮は、2004年にこの地でフロントロー・スタートを切ったこともあり、今シーズンの自己ベストグリッドを獲得すべくアタックを敢行したのだが、14番グリッドで予選を終えることとなった。
<まずまずのイニシャルセッティングで走行開始>
 快晴に恵まれた2デイイベントの走行初日、60分間が与えられたプラクティス1回目で37周を走り込み、20台中の9番手につける33.3085秒=平均時速216.161mph(347.803km/h)をマークした。松浦が走り始めて間もない8ラップ目、予選シミュレーションによって記録されたタイムだった。スーパーアグリ・パンサー・レーシングが今回のマシンに施したイニシャルセッティングは、まずまずの戦闘力を持つレベルにあったと言えるだろう。ただ、松浦はトラフィック内でアンダーステア傾向にあったとレポートしており、セッション後半はハンドリングの改善に費やされた。
<プラクティス2回目もトップ10入り>
 暑さもさほど厳しくないまま迎えた午後、プラクティス2回目の走行で松浦は48周を走り、自己ベストを33秒2182=平均時速216.749mph(348.749km/h)までアップさせた。単独走行による好ラップであった。決勝直前のウォームアップセッションがない今シーズンの場合、予選前であっても決勝を睨んだセッティングを重点的に行うのがセオリーとなっている。時間を有効に使うためにも、予選シミュレーションを行うのは、タイヤを新品に換える時だけ。このような条件下で松浦は10番手につけ、2回のプラクティス両方でトップ10入りを果たした。
 午前中に出ていたアンダーステア傾向を完全に解消することはできなかったものの、マシンバランスを向上させることができた。数台のマシンと共に走行したレースシミュレーションも、2回のセッションでチェックすることもできた。チームとして予定していたプログラムは、ほぼすべてこなすことができたということだ。
<幾分涼しくなったコンディション下での予選>
 予選は夕方の4時半にスタートした。プラクティスまでは青空が広がっていたミシガン・インターナショナル・スピードウェイだが、予選の時間帯は薄い雲に覆われた。
 松浦のアタック順は、すでにクジ引きによって20台中の16番手と決定していたが、2人のドライバーがアタック順をスキップしたため、14番目にコースイン。松浦は慎重にウォームアップラップをこなしてアタックへと突入したが、計測2周目の33秒4307=平均時速215.371mph(346.532km/h)がベストと、プラクティスまでに出していたタイムを下回り、予選結果は14位に決まった。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「明日はトップグループに突き放されることなく走り切りたい」
「プラクティスで33秒2を単独走行で出せていたので、予選でも同じタイムは出せるものと考えていました。マシンバランスも良くなり、フィーリングも良かったので、33秒2を出せたと走りながらも感じていました。それでもなぜかコンマ2秒も遅くなっていました。現時点でその原因がどこにあるのかわかっていませんが、とても悔しい結果ですね。
 2回のプラクティスでは、基本的にずっとレースセッティングをやっていました。燃料を多めに積み、トラフィックの中でのハンドリングチェックと、その向上に努めていました。2回目のプラクティスでアンダーステアをなくす方向へと進めていましたが、スピードも含めて、まだトップ8との間には小さくない差がありますね。
 明日のレースではプラクティスで試したセッティングの中からベストと思われるものをチョイスすることになると思います。400マイルの長丁場ですから、ドラフティングをうまく使いながらトップグループに突き放されることがないレースを続け、ひとつでも多く、ポジションを上げてフィニッシュまで走り切りたいと思います」
<ロン・キャット:チームマネージャー>
「ドラフティングをどれだけ有効に使うことができるかがカギ」
「プラクティスのスタート直後、自分たちのマシンセッティングが良いものであることが確認された。そこからトラフィック内でのアンダーステア傾向をなくすことを目指し、セッティング変更を繰り返した。午後のプラクティス2回目も同じプログラムとなった。その結果、まだ完全と言えないが、マシンの状況を良いものにできたと考えている。
 予選タイムは、我々が目指していたものよりも遅かった。コウスケの走行ラインがプラクティス時よりもほんの少しだが高くなっていたようだ。しかし、それだけでコンマ2秒のロスに繋がるとは考えにくい。どうしてプラクティスよりも遅いタイムになったのかは、解明しなくてはならない。
 ミシガン・インターナショナル・スピードウェイは、多くのラインを走行できるコースだ。オーバーテイクのチャンスは他と比べて多いと考えていいだろう。しかし、これだけライバルチームの実力が接近していると、オーバーテイクは難しい。ドラフティングをどれだけ有効に使うことができるかが勝負となる。バトルが激しくなるのはレース終盤だ。400マイルという長い戦いだが、トップグループに必ずや食らいついていき、ゴールを前にして激しくなる戦いの中で順位を上げていきたい」
■■■予選結果■■■
2マイル(3.219km)                  出走20台
順位 No.  ドライバー     タイム   平均速度mph(km/h)
1位 27  D.フランキッティ  32.9810   218.308(351.258)
2位  6  S.ホーニッシュJr. 33.0239   218.024(350.801)
3位  3  H.カストロネベス  33.0436   217.894(350.591)
4位  8  S.シャープ     33.0835   217.631(350.168)
5位 10  D.ウェルドン    33.1113   217.448(349.879)
14位 55  松浦孝亮      33.4307   215.371(346.532)
※シャシーは全車ダラーラ、エンジンは全車Honda、
 タイヤは全車ファイアストン