INDY CAR

武藤英紀、ケンタッキーでインディカー初のオーバルテスト

<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IRLインディカー・シリーズ プライベートテスト>
【日 程】7月26日
【開催地】ケンタッキー州スパルタ
【コース】ケンタッキー・スピードウェイ
【距 離】オーバルコース:1.5マイル(2.414km)
【天 候】曇りのち雨
【気 温】24℃

<初のオーバルテストながら、実戦を想定>
 今シーズンからスーパーアグリ・パンサー・レーシングでIPSインディ・プロ・シリーズに参戦している武藤英紀が、ケンタッキー・スピードウェイでIPSの上位カテゴリーであるIRLインディカー・シリーズのマシンによる初のオーバルテストを行った。
 先週のミド-オハイオ開催中に、IRLインディカー・シリーズ最終戦シカゴランドにスポット参戦することを発表した武藤とスーパーアグリ・パンサー・レーシングにとって、今回が発表後初めてのテストとなった。武藤は6月に、同じミド-オハイオのロードコースですでにインディカー初走行を終えているが、IRLカレンダーのおよそ2/3を占めるオーバルコースでの走行は今回が初めてである。テストの舞台となったケンタッキー・スピードウェイは、最終戦シカゴランド・スピードウェイと同じ1周1.5マイルのDシェイプハイスピードオーバル。武藤は初のインディカーマシンでのオーバル走行ながら、実践を想定したテストができるのだ。また、同スピードウェイは8月に開催されるIRL第14戦の舞台であることから、走行データ収集という意味でチームにとっても貴重なテストとなった。
<トータル81周の走行で、ベストタイムもメイラに肉薄>
 今回のテストはチームメイトのヴィットール・メイラのテストも兼ねていることから、武藤はメイラの4号車をドライブ。最初にメイラが走行しクルマのベースセットを行った後、いよいよ武藤がインディカーのコクピットに乗り込み、初のオーバル走行へ向けピットアウト。最初はインディカーの走行感覚を確かめることから始まり、その後はピットインを繰り返してクルマに微調整を加えながら徐々にそのスピードに慣れていった。午前中のセッションでは計81周を周回し、57周目に出した24秒92がベストラップとなった。メイラのラップが24秒8台だったことを考えると、初走行にしては上々のタイムだとエンジニアも納得の表情を見せた。
 午後からは大雨が降り出しテストはキャンセル。代わりに、来週火曜日夕方5時から5時間のテスト走行が行われることが急遽決まった。武藤はそこで2度目のオーバルテストを行う予定になっている。

■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「インディカーの手応えを感じることが出来ました」
「IPSに比べてすごいスピードを感じました。初めてIPSをテストしたときのように、まったく限界がつかめないような感覚でした。ひとつひとつ探りながら、慎重にペースアップしていった感じです。IPSを最初に乗ったときもそうだったのですが、今まで自分が乗ってきたクルマとは感覚が違いますので、多少怖いという印象もあったと思います。
 今日はピットインのたびに少しずつクルマを変えていって、セットアップを試せたのは良かったです。それが直接タイムに結びつくことはなかったですが、クルマのバランスは良くなったかなと思います。まだまだ微調整という状態でしたけど、でも手応えを感じることができました。エンジニアも喜んでくれましたし、僕自身もすごくいい経験ができました。ヴィットールとパンチョ・カーターさんにはいろいろとアドバイスをいただきました。具体的にはラインの取り方とか、ピットインのコツとか、それとブレーキの踏み方とかですね。IPSとはダウンフォースのレベルも違いますし、スピードもまったく異なるので、別の取り組み方をしないといけないことを認識しました。
 今日は午後から雨が祟られてセッションがキャンセルになってしまいましたが、合計81周走行できましたし、初走行としては満足できました。もう少しピットストップの練習がしたかったのですが、それはまた次のテストで試すことができると思います。とにかく、インディカーを実際にドライブできて、感覚が覚えられたのがすごく良かったです。今日の雨で来週の火曜日に再度テストする機会ができたのは自分としてはプラスだと思います。次は予選セットなどをもっと試すことになるので、さらに技術が要求されると思いますが、落ち着いてやりたいです」

<ブレア・チューバッカー:クルーチーフ>
「今日、ヒデキはとてもいい経験が出来たと思う」
「ヒデキは本当にいい仕事をした。今年アメリカに来るまでは一度もオーバルを経験したことがなかったのに、IPSで経験を積んで、そして今日インディカーでオーバル初走行を行うことができた。ヒデキにとってはすごくいい経験になったはずだ。今日のテストの目的は、ヒデキがインディカーのドライブを快適に行えるようにすることだった。シートポジションの調整からピットアウトのやり方まで、実際のレースで必要になる基礎的なことをまずはいろいろと試して欲しかった。インディカーとオーバルの走行に慣れること、これが今日のテストで一番重要なことだった。ヒデキにはまだまだ学ばないといけないことがたくさんあるが、今日はその最初の第一歩。いい経験ができたと思う。また来週に同じケンタッキーで、再来週にはシカゴランド・スピードウェイでオーバルでのテストを行う機会があるので、そこでまたいろいろなことを試すことになるだろう」