<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IPSインディ・プロ・シリーズ第4戦インディアナポリス フリーダム100>
【日程】5月25日
【開催地】インディアナ州インディアナポリス
【コース】インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
【距離】2.5マイル(4.023km)×40周
【天候】曇り一時雨
【気温】27℃
<予選3番手からのスタート>
伝統の「インディ500」のサポートレースとして行われるIPSインディ・プロ・シリーズ第4戦「フリーダム100」に出場する武藤英紀は、前日に行われた予選でセカンドロウ外側の4番グリッドを確保。計3度のプラクティス走行ではトップタイムを2回マークするなど、万全の状態で決勝日を迎えた。朝から好天に恵まれたこの日は、インディ500前の最後の走行日「カーブデイ」ということもあり、多くの観客がスピードウェイに訪れていた。午後12時30分すぎ、24台による40周のレースがスタートした。
<スタートでアクシデントの余波を受け最後尾に>
ところが、そのスタートで早くも武藤にアクシデントが襲う。ターン1進入直前に、武藤の真横にいた2台が接触し、そのまま一番外側にいた武藤の左フロントタイヤにヒット。タイヤのサイドウォールが裂けパンクしてしまった。武藤は3周目に緊急ピットインを強いられ、左フロントタイヤを交換。4番グリッドという好位置から一転、最後尾まで順位を落とすことになってしまった。
<怒涛の追い上げを開始>
しかし、武藤はここから猛烈な追い上げを開始する。2度目のフルコースコーションが解除された10周目のリスタートで一気に5台をパスし、16位までポジションアップすると、その後は14周目、18周目、19周目、24周目と前車をパス。24周目にトップ10にまで挽回する。その後も武藤の勢いは止まらず、25周目に9位、翌26周目に8位、29周目には7位に浮上。レースの注目が武藤の追い上げに集まった。さらに、その直後の31周目、他車がクラッシュしたことによりこの日3度目のイエローコーションが出され、トップと10秒以上あったギャップは一気に縮まった。
レースは36周目にリスタート。武藤はここでも抜群の加速を見せて5位に浮上する。ところが、一団となっていたトップ3に迫ろうとした矢先に、小雨がトラックに落ち始めた。すぐにイエローフラッグが出され、レースは4度目のフルコースコーションに。その後、メインストレート付近で雨はすぐに止んだものの、ターン2周辺ではわずかながら降り続けたため、レースはフルコースコーションのまま4周を走り切り、40周目にチェッカー。残念ながら、武藤の追い上げはここで終了し、5位でレースを終えた。
■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「アクシデントは悔しいが、5位まで順位を挽回でき、収穫も多かった」
「1周目のあのアクシデントが非常に残念です。クルマにスピードがあり、レースカーの仕上がりがすごく良かっただけに、本当に悔しいです。アクシデントの状況は、僕が一番外側にいて、横の選手がさらに横の選手と接触して行き場をなくし、僕のクルマにぶつかってきたので、どうしようもありませんでした。
その後は、ひとつでもポジションを上げようと必死で追い上げました。クルマの状態が良かったのでうまくいったと思います。最後のリスタートでは前のトップ3台が団子状態だったので、もし雨が落ちてこなければもう少し順位をアップできたかもしれません。ただ、アクシデントのことを考えると、この順位まで戻せたのは良かったです。
結果は残念でしたが、いろいろ学べたことも多かったです。ドラフティング時の自分のポジショニングは開幕戦と比べて格段にうまくいきましたし、リスタートも非常にうまくなったと思います。そういう意味では収穫の多い1日でした」
<ブレア・チューバッカー:クルーチーフ>
「優勝に値するいい走りだった」
「アクシデントは残念で、フラストレーションの残るレースだった。詳しくは後でリプレイを見てみるが、レースにアクシデントはつきもので、こればかりは仕方がない。とはいえ、ヒデキが素晴らしい走りを見せてくれたし、我々の力を証明してくれた。最後尾にまで下がったが、リスタートで数台を一気にパスして5位でフィニッシュした。本当に感銘を受けるほどの走りだった。
クルマは非常にいい状態に仕上がっていたし、ヒデキも優勝するに値するドライビング見せた。我々はレースで勝てるポテンシャルがあったと思う。シリーズはまだ10戦以上ある。近いうちに必ず勝てると確信している」