INDY CAR

ダン・ウェルドンが早くも今シーズン2勝目

<Honda>

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■2007年4月29日(日)・決勝
■開催地:カンザス州カンザス
■会場:カンザス・スピードウェイ(全長:1.5マイル)
■天候:晴れ
■気温:29℃

IRL IndyCarシリーズ第4戦カンザス・ロッタリー・インディ300は、昨年までは7月初旬に行われていたが、今シーズンからはより気候が穏やかな4月下旬に日程が移動された。プロモーター、そしてシリーズ主催者であるIRLの願いが通じ、レース・ウイークエンドはすばらしい天候に恵まれ、6万5000人を超す大観衆が決勝日のサーキットに集まった。彼らは暖かな日差しを浴びながら、IndyCarならではの超高速バトルを大いにエンジョイしていた。

今回のレースには、今年の開幕戦に出場していたマーティ・ロス(ロス・レーシング)とアレックス・バロン(ベック・モータースポーツ)、そして第3の女性ドライバーとして出場を開始したルーキーのミルカ・デュノー(サマックス・モータースポーツ)の3台が加わり、合計21台によるレースとなった。

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カンザス・スピードウェイは全長が1.5マイル、バンクには15度の傾斜がつけられており、高いスピードを保ってのバトルが繰り広げられるコースとして人気がある。今年の決勝日はプラクティスと予選が行われた土曜日より気温が高くなり、風の強いコンディションとなっていた。コースには前日に行われたサポートイベントによってIndyCarとは異なるタイヤ・ラバーが路面に乗っていたこと、気温と路面温度が上昇したことが加わり、レースでのサーキットはグリップ力が低い難しいコンディションとなっていた。
そうした状況にマシンセッティングを的確に対応させ、レース中に行うことのできる調整を最も正しく行ったのがダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)だった。開幕戦で既に今シーズンの1勝目を挙げている彼は、ポイントリーダーとしてカンザス入りしていたが、ライバル勢を圧倒するすばらしい走りをスタートからゴールまで続け、レース中盤に降りかかってきたタイヤトラブルも乗り越えて、シーズン2勝目を早くもマーク。2位以下に大きなポイント差をつけて第5戦、そしてシリーズ最大のイベントであるIndy500を迎えることとなった。
2位でゴールしたのは、予選6番手だったダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)、3位には予選3番手のエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)が入賞。異なる3チームのドライバーたちがトップ3を分け合った。なお、インディ・ジャパン300マイルの覇者でポールポジションからスタートしたトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)は、序盤からダン・ウェルドンとトップ争いを繰り広げたものの、1回目のピットインの際にダニカ・パトリック(アンドレッティ・グリーン・レーシング)と接触した影響で順位を下げ、15位で完走した。

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3人の女性ドライバーたちによる戦いは、ダニカ・パトリック(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が7位フィニッシュでトップとなり、サラ・フィッシャー(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)が12位でゴールした。ルーキーのデュノーも粘り強い走りを続け、デビュー戦で14位完走という満足すべき結果を得た。
その一方で松浦孝亮(スーパーアグリ・パンサー・レーシング)は、予選12番手からスタートするものの、メカニカルトラブルというリザルトに終わった。燃費をセーブする作戦で1回目のピットストップをライバル勢よりも遅いタイミングで行い、順調な戦いぶりをみせていた松浦だったが、ピットアウト直後にエンジンにトラブルが発生。修理不能との判断から57周でリタイア。18位という結果となった。

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●ダン・ウェルドン(優勝)
「今日は路面が滑りやすく、風も強かったのでドライビングは非常に難しいものとなっていたが、僕らのマシンはレースを通じてファンタスティックだった。ツインリンクもてぎでのレースは僕にとって納得のいかないものだったが、今日こうして非常に力強い勝ち方を見せることができて、とてもうれしい。Indy500に向けてとてもよい勢いをつけることができた。Indy500こそ僕が一番勝ちたいと考えているレースだからね。ポイントリーダーとしてIndy500入りできることは、自分にとってもチームにとってもよいことだと思う」

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●ダリオ・フランキッティ(2位)
「レース序盤のハンドリングはよくなかったが、ピットストップを重ねるごとにセッティングを変更し、それが見事にパフォーマンス向上へとつながっていった。最後のピットストップ後はかなりレベルの高い走りを実現できていたが、ウェルドンにはすでに大きなリードを許しており、逆転優勝は果たせなかった。1.5マイル・オーバルで我々のチームは苦戦をしてきたが、今年はライバル勢に対して何の遜色もないレベルにまでチーム全体の力を復活させることができている」

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●エリオ・カストロネベス(3位)
「優勝はできなくとも、トップ3フィニッシュは果たしたい。最後はそう思って走っていた。それを実現できたのだから自分としてはハッピーだ。今日の僕らのマシンは、残念ながら勝利を狙えるものにはなっていなかった。だから慎重に走り続け、少しでも多くのポイントを獲得したい、と考えて走っていた。シリーズ最大のレースであるIndy500に向け、僕らの勢いも決して悪いものではない。5月をフルに使って争われるインディIndy500に向け、チームとともに準備を進めるつもりだ」

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●松浦孝亮(リタイア)
「今回はエンジンのトラブルでリタイアとなってしまいました。開幕以来不運が重なってきているため、このレースは是非とも完走したいと考えていました。レース序盤はアンダーステアが強かったので、無理をせずに走っていました。それで1周の遅れになってしまいましたが、みんなより多くの周回を走ることができたので、終盤にばん回できる可能性があると思っていました。ところが、1回目のピットストップの後、路面がよくなって、さぁこれから、というところでトラブルになってしまいました。リタイアは非常に残念です」

●ロジャー・グリフィス(HPDテクニカル・グループ・リーダー)
「路面コンディションの難しいレースだった。暑くなった決勝日のコースに最もマッチしたマシンを作り上げること、レースを通じて見事なドライビングを見せ続けること、この2つを実現していたのがダン(・ウェルドン)で、彼が今年2回目の優勝を飾った。彼らの見事な戦いぶりには、心からおめでとうと言いたい。今日のレースでは残念なことに松浦孝亮のエンジンにトラブルが発生し、ミスファイアでクリーンに走れなくなってしまっていた。我々のエンジニアたちがピットで修理を試みたが果たせず、孝亮、そしてパンサー・レーシングにはそれ以上走り続けることはやめて欲しいと伝えた。彼らにはそれを受け入れてもらったが、今シーズンは全レースでトラブルを出さないことを目標としていただけに、本当に残念なことになってしまった。今回のトラブルがHondaエンジンにとって今年初めてのものとなった。HPDに戻ったらすぐにトラブルの原因を解明し、次のレースであるIndy500では、昨年に続いてレース中に1つのエンジンにもトラブルを一切出さないレコードをもう一度樹立したい」