INDY CAR

シーズン序盤の不運続きを解消できず、トラブルによりリタイア

<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IRL インディカー・シリーズ第4戦 カンザス・ロッタリー・インディ300>
【日 程】4月28日〜4月29日
【開催地】カンザス州カンザスシティ
【コース】カンザス・スピードウェイ
【距 離】オーバル:1.5マイル(2.414km)×200周=300マイル(482.7km)

■■■4月29日決勝■■■
天候:快晴/気温:29℃/時間:午後15時55分〜(日本時間30日午前5時55分〜)

<理想的な気候の中での開催>
 カンザス・スピードウェイは、15度バンクを持つ非常にスピードの高いオーバルコース。ピット前ストレート側は巨大なグランドスタンドとスイート、バックストレッチと各コーナーの上部には芝生の敷き詰められた観戦エリアが作られた美しいコースである。 昨シーズンまでは独立記念日(7月4日)の週末にこのレースは行われていた。しかし、酷暑になることが多かったため、集まったファンがレースを堪能できるよう、過ごしやすい気候となる4月へと開催日程が変更された。レースデイには6万5000人を越す人々が押し寄せ、カンザスシティ周辺のファンはこの日程変更を歓迎していることが証明された。日差しは強いが、気温は暑過ぎず、まさに理想的な天候の下で高速バトルのスタートは切られた。
<燃費作戦を遂行中に突如エンジンがトラブル>
12番グリッドからスタートする松浦孝亮は、今回のレースに向けてひとつの秘策を用意していた。エンジニアたちと昨年までのデータも検討した結果、燃費セーブを強く心がけた戦いが好結果に繋がるものと考えたのだ。レース終盤にトップグループが給油を必要とする展開となれば、仮に中盤までの戦いぶりで目立つことはできなくとも、上位に食い込めるとの読みを立てていたのだ。 前日のストックカーレースによって路面は荒れており、風も徐々にだが着実に強さを増していた。とても難しいコンディションになっており、レース序盤から無理にトップグループについていく必要性はない状況だった。松浦もチームもそう考え、勝負どころを外さぬよう常にレース展開に留意しながら戦いを進めていた。 46周目からトップグループのピットストップは始まり、松浦は50周目に最初のピットインを済ませた。ところが、この直後にエンジンが異音を発し始め、スピードは上がらず、松浦は再びピットへと向かう。トラブルはエンジンにあり、ECUを取り替えるなどの処置によっても問題が解決されることはなかった。Hondaとの協議の結果、スーパーアグリ・パンサー・レーシングは残念ながら、レースからのリタイアを決めた。

■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「レース終盤に挽回できるはずでした」
「今回はエンジンのトラブルでリタイアとなってしまいました。1回目のピットストップからコースに戻ったところで異変に気づき、ピットに戻って修理を試みましたが直すのは無理とわかり、マシンを停めることになりました。 今回は燃費をセーブする作戦で、最初のスティントは順調に進んでいました。このレースはぜひとも完走したいと考えていたので、アンダーステアが強い中でも無理をせずに走り続けていたんです。1周遅れになっていましたが、給油までに他のドライバーよりも3周ぐらい多く走ることができていたので、レース終盤に挽回できる可能性があると思っていました。今日のレースでは序盤にして多くのドライバーが周回遅れになっていましたから、まだ十分にチャンスはあると考えていたんです。また、カンザスでのレースは去年もフルコースコーションが少なかったので、多くのドライバーたちが最後に給油が必要な状況になれば、ポジションを大きく上げることになっていたはずです。だんだんと路面が良くなってきて、さぁこれからというところでした。そこでリタイアというのは非常に残念です。次のインディ500では自分たちの持てる力をフルに発揮したいと思います」

<ロン・キャット:チームマネージャー>
「コンディションが良くなっていただけに残念だ」
「エンジンの内部にメカニカルトラブルが発生したようだ。まだ、その原因は克明にわかっていないが、ピットでチェックを行った結果、走行を続けるのは難しいと判断した。非常に残念だ。ハンドリングがアンダーステアだったようだが、それは昨日のトラックレースのタイヤのラバーが路面に乗っていたから
だ。周回を重ねるにつれてコウスケのペースは良くなってきていた。路面が良くなるにつれて、我々のセッティングに合う状況になっていくはずだった。それに、1回目のピットストップではフロントウイングの調整を行い、それによってハンドリングが大きく向上するものとも見られていた。しかし、コウスケが
ピットアウトした直後にトラブルが出てしまった。次のインディ500は、極めて大きな意味を持つ一戦だ。チーム全体が力を出し切り、上位フィニッシュを目指すつもりだ」

■■■決勝結果■■■
1.5マイル(2.414km)×200周=300マイル(482.7km) 出走21台
順位  No. ドライバー    周回数   タイム差
1位  10  D.ウェルドン    200  1:36’56.0586
2位  27  D.フランキッティ  200    +18.4830
3位   3  H.カストロネベス  200    +33.2280
4位   9  S.ディクソン    200    +34.4208
5位   2  T.シェクター    199    1周遅れ
18位  55  松浦孝亮       83   メカニカル
※全車、シャシーはダラーラ、エンジンはHonda、タイヤはファイアストン

■■■ポイントスタンディング■■■
順位 No. ドライバー    ポイント   ビハインド
1位  10  D.ウェルドン    171    リーダー
2位   9  S.ディクソン    144      -27
3位   3  H.カストロネベス  136      -35
4位  27  D.フランキッティ  131      -40
5位  11  T.カナーン     130      -41
18位  55  松浦孝亮       51      -120