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インディ・カー・シリーズ 第3戦 もてぎ[初日]フォト&レポート

<US-RACING>

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ダニカ・パトリックが予選2位からトップを快走した2005年を思い起こさせる好走を見せ、トップ・タイムをマークした。1回目のプラクティスで3番手につけたパトリックは、2回目のプラクティスでさらにペース・アップし、序盤からトップの座をキープ。セッションが残り30分を切ると松浦がトップ・スピードをマークして2番手に後退するが、再びコースへと戻ったパトリックは、残り5分で松浦を上回り、再度トップを取り返した。翌65周目には自己ベストを更新し、この日のトップ・スピードとなる202.979mphを記録。松浦とのタイム・バトルは今日のハイライトとなり、プラクティス終盤の逆転で初日のトップを決めた。「今日はとても安定した走りができたわ。アンドレッティ・グリーン・レーシングが最初から良いマシンにしてくれたから、基本的に大きな変更をせず、走行中にいくつか小さな変更をしただけよ。午前中はグリップが低くてタイムを出すのに時間が掛かったけど、午後は良くなったから全開で走ることができた。このコースは自分のスタイルに合っているから、良い走りが出来ると思うけど、もしかすると、さっき食べたお寿司のおかげもあるかもしれないわね」と冗談を交えて話すご機嫌なパトリック。得意のコースでポール・ポジションを獲得できるかどうか、明日の予選は彼女から眼が離せない。

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4回目の地元レースを迎える松浦は、これまでにないくらい調子の良い出だしを見せた。最初のプラクティスでは、チームメイトのメイラのクラッシュもあり、コンサバティブに走行していたと言う松浦。午後からはスプリングなどのセット・アップを変更して積極的に走りこみ、セッション開始から36分でトップにたった。残り5分までトップを守っていた松浦だが、最後はパトリックにトップ・スピードを更新され、202.979mphの2位で初日の走行を終了。「今日は風が強かったので全開で走れませんでしたが、決勝を重視して燃料を積んだ状態でセットアップし、燃料が減って新品タイヤを着けたときに良いタイムが出ましたね。あともう少しプッシュしていれば、コンマ1秒はタイム・アップできたと思います。エンジニアとの相性もとても良くて、セット・アップを変えるごとに速くなっていきました。単独では速かったので明日のプラクティスでは、決勝にむけてトラフィックでのセット・アップに集中したいと思います」と自信を持って話す松浦。上々の立ち上がりで、明日の予選に期待が持てる結果となった。

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3番手に入ったのは昨年のウイナーのエリオ・カストロネベス。午前のセッションでは200マイルには届かなかったものの、午後のセッションはこの日202マイルを記録した3人のひとりに入り、202.295mphのスピードをマークした。「昨年と同じようなスタートが切れたね。風が強かったのはちょっと大変だったけど、マシンはとても安定してたよ。今日は最初のグループになり、コースに誰も走っていない状況だったのでとても難しかった。でも昨年と同じセット・アップから調整を始めて、コース状況に合わせてきたので、今はとても良い走りができるよ。今週末のAGRは早いと思うけど、明日はもう1回セッションがあるから、トップのダニカより良いタイムを出したい。もちろん僕の目標はトップになることだけどね」とカストロネベスにまったく焦りは感じられない。パトリックとの間にある0.09秒の差をどう巻き返すか、昨年の覇者に注目が集まる。

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朝から厚い雲に覆われていたツインリンクもてぎ。前日まで雨が降り続き、天候が心配されたが、セッション中に雨が降ることはなかった。第1プラクティスに入ると雲が切れて青空も見え、セッションの後半には陽が射してきたものの、第2プラクティスには再び曇天に。すべてのプラクティスが終わると、また青空が広がって強い夕日が射し、一日中はっきりとしない天気で初日の日程を終えた。朝のうち10度だった気温は、午後になっても12度までしか上がらず、風が強かったために体感温度はさらに低く感じられた。気温が20度を軽く超えていたマイアミの2戦と違い、10度台と寒いもてぎでは、チーム・メンバーが厚手のジャンパーを着込んでの作業を強いられることになった。

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セッション開始からわずか4分で、ターン2のウォールに激突したヴィットール・メイラ。マシンの車高を下げすぎ、マシンの底を路面に打ちつけていたせいで、バランスを崩したようだ。セッションが開始されたばかりで、車速がそれほど高くなっていなかったとは言え、ウォールにヒットしたマシンの後部が大破してしまう。幸いメイラ本人に怪我はなく、自分でマシンを降り、メディカル・センターでも体に異常は確認されなかった。ガレージに戻ったメイラとチームはマシンの修復を諦め、スペアカーに乗り込んで2回目のプラクティスの第2グループで走行を開始。16位までポジションをあげてセッションを終えた。松浦が2位となった一方で、メイラがクラッシュし、パンサー・レーシングにとっては複雑な気持ちとなる初日だった。

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アメリカン・オープン・ホイールの最高峰レースが始まって、今年で10年目を迎えるツインリンクもてぎ。今年は計18名のドライバーがこのもてぎの地にやってきた。IRLがスタートしてから今年で5年目となるが、参戦台数が20台を切ったのは今年が初めて。少し寂しい気もするが、ダニカ・パトリック、そしてサラ・フィッシャーといった女性ドライバーが2名も参加していることが、これまでのレースと違うところだ。毎年恒例の集合写真撮影がドライバーズ・ミーティングのあとに行われたが、10年前とその顔ぶれもずいぶん変わってしまった。10年前も同じ場所でフレームに収まったデビュー間もないカナーン、フランキッティ、カストロネベスは、すっかりベテランドライバーに。当時のカナーンやカストロネベスは、今で言うマルコ・アンドレッティのような感じだった。ドライバーの見た目は少し変わってしまったが、今でも変わらないのはもてぎでレースを開催する人たちの熱い思いかも知れない。

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前日、水曜日に開かれたインディ・ジャパンのウエルカム・パーティー。ツインリンクもてぎの駐車場に仮設されたテントに、ドライバーやチーム関係者が集まって盛大に行われた。出し物として地元の小学生が和太鼓による演奏を披露。海外から訪れたドライバーたちは、年に一度だけ観ることができる日本の伝統文化に触れ、1曲終わるごとに大きな拍手を送っていた。演奏を終えた小学生たちは最後に、茂木町のお土産をドライバー全員にプレゼント。好評のうちにパーティーが終了し、ドライバーとチームは翌日から始まるハイスピード・バトルへと気持ちを切り替えることになった。