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インディ・カー・シリーズ第13戦インフィネオン[決勝日]フォト&レポート

<US-RACING>

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予選2位からスタートしたアンドレッティがインディ・カー・シリーズ参戦13戦目にして初優勝を飾った。これまでは今回ポールポジションを獲得したディクソンが20歳と9ヶ月14日で優勝したのがメジャー・オープン・ホイール・レースでは最年少の優勝記録だったが、アンドレッティが19歳と5ヶ月14日目にしての優勝を飾ったことで最年少記録が更新されることになった。44周目に発生したイエロー・コーションのタイミングで45周目に2度目のピットストップに入ったアンドレッティは、その後、無給油でトップを走り切るというチームの作戦が功を奏した。ベテラン勢がひしめくこのシリーズでトップを走り切り、優勝することは並大抵のことではない。自身が目標に掲げていた今シーズンの優勝を見事果たすことになった。チームオーナーで父親となるマイケル、そして祖父のマリオも表彰台に駆けつけ、マルコを祝福していた。初優勝したにもかかわらず、マルコは嬉しいというようなリアクションはそれほど大きくなく、どちらかというと照れているような感じで、当の本人よりもマイケルやマリオの方が喜んでいた。

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今年で2度目のインディ・カー・シリーズ開催となったインフィネオン・レースウエイ。昨年まではカリフォルニア・レースウエイでも行われており、年2回カリフォルニア州でシリーズが開催されていたが、今年からはこのインフィネオン・レースウエイがアメリカ西海岸では唯一のレース開催地となった。3日目も朝のうちは曇りとなり肌寒くなったが、ソノマ特有の気候なのか午後にはこれまでの2日間と同様に快晴となった。気温もレース中には28度まで上昇し、観客にとっては強い日差しさえ遮ることができれば、乾燥している気候なので観戦には最適なコンディションだったと思う。このインフィネオン・レースウエイではNASCARネクステルカップが開催されおり、地元の人々にはNASCARの認知度は高いが、インディ・カーに関してはまだ2年目ということもあり、グランドスタンドが満席になるほど集客していないのが現状だ。今回のマルコ・アンドレッティの優勝でインディ・カーの認知度が高くなれば、来年からの集客数も上がってくるかもしれない。

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昨年のウイナー、カナーンもアンドレッティと同様に45周目にピットストップに入り、最後まで走り切る作戦だった。51周目にトップとなったアンドレッティの後ろを走行することになったカナーンだが、燃費をセーブしていたのか、アンドレッティに付いていくことができず、その差は開き始めていった。2位を走行するカナーンの後方にはまるでイエローコーション中かのように後続が続くことになり、アンドレッティにとってはタイムを稼ぐことができる理想の状況となった。カナーンは結局、燃料が足らず残り1周でピットインし、11位でフィニッシュした。カナーンの代わりにポジションを上げてきたのがチームメイトのフランキッティ。トップのアンドレッティに0.6557秒差まで迫り2位でフィニッシュした。終わってみれば、大きな賭けに出たアンドレッティ・グリーン・レーシングがワンツー・フィニッシュを飾り、2年連続優勝を飾った。

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今回のレースが終了し、ランキングトップとなったのはカストロネベス。441ポイントとなり、ランキング2位のホーニッシュJr.と1ポイント差になった。カストロネベスから19ポイント差となる422ポイントで3位となっているのが昨年のチャンピオン、ウエルドン。そのウエルドンから2ポイント差でディクソンがつけている。ランキング5位は今回3位でフィニッシュしたメイラだが、トップのカストロネベスから58ポイント差となり、チャンピオン獲得の可能性はなくなってしまった。最終戦ではチーム・ペンスキー、ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングの4人によってチャンピオンが競われることになる。ペンスキーの2人がリードしているが、レースは何が起こるかわからない。ペンスキーの2人がクラッシュしてしまう可能性もあるだけに、最終戦では最後のチェッカーフラッグが振られるまで、目が離せないレースとなるだろう。

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レース序盤、1回目のピットストップに入る前に6番手となった松浦。その後、後退するものの再びポジションアップに期待がかかったが、後続のライスに接触されスピンを喫してしまった。エンジンが止まってしまったためセーフティ・クルーの助けによりリスタートするが、同一周回での復帰はできなかった。「ハンドリングが良くなくて、すごく厳しいレースでした。でもレース・エンジニアがいい作戦を考えてくれたので、レース序盤はいいポジションを走行することができました。初のピットストップのあと、バディ(ライス)が最終コーナーで追い抜こうとしてきたので内側のラインを開けたのですが、マシンのリアタイヤにぶつかってきたんですよね。それでスピンしてラップダウンになってしまったんです。次戦のシカゴは最終戦ですが、1.5マイルオーバルは僕達の得意としているコースなのでがんばりたいと思います」と、レース後に話した松浦。泣いても笑っても今シーズンは残り1戦となっただけに、次戦の活躍に期待したい。

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昨日の決勝結果により2回目のレースでのグリットが決定したインディ・プロ・シリーズ。レーサー鹿島は12位からスタートすることになった。午前10時20分から計30周のレースがスタートしたが、まだインフィネオン・レースウエイの上空には雲が広がっており、気温も低い状況の中でグリーンフラッグが振られた。第2レースではひとつポジションを上げ11位でフィニッシュした鹿島。「昨日のミーティングの結果、どちらかというとツーリングカーのような感じだったので、スプリング、ショックも硬めにし、ギアもショートに変更しました。そしたらウォームアップ走行ではフィーリングも良くなり、やっとフォーミュラー・カーっぽくなりましたね。でも、レースでは想像以上にオーバーステアがきつくて、レースの半分は滑るマシンをコントロールする感じでした。クラッシュは避けたかったので、プッシュせずに走行しました。その結果ラップダウンになってしまったのですが。最後の4周くらいで晴れてきて気温が上がり、やっといい感じになってきたと思ったんですけど結局、最初のペースが遅かったのでレース的には残念な結果になりました。次の最終戦が今年の目標なので、全力でがんばりたいと思います」と、レース後に話した鹿島。次戦の最終戦で今回の無念を晴らす活躍に期待したい。