INDY CAR

スコット・ディクソンが今シーズン2勝目 パトリックは今シーズン・ベストの4位 松浦はトップを走行するもトラブルにより無念のクラッシュ

<Honda>

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2006年7月15日(土)・決勝
会場:ナッシュビル・スーパースピードウェイ 天候:快晴 気温:30℃

 北米大陸はいま盛夏を迎えている。テネシー州ナッシュビルでのシリーズ第9戦ファイアストン・インディ200は、金曜日に猛暑の中で予選を開催し、ダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング/ダラーラ)が2戦連続、今シーズン2度目のポールポジションを獲得した。翌土曜日の夜8時25分、日中よりも幾分気温の下がった中で決勝レースが行われ、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング/ダラーラ)がチームメイトのウェルドンを0.1176秒差で下して今シーズン2勝目を飾った。

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 14戦で争われる2006年のIndyCarシリーズは、もはや後半戦に突入しており、タイトルを争う者同士でのポイント獲得合戦がし烈さをさらに増している。チャンピオン候補でなくとも、それぞれのドライバーたちが全力を出し切り、白熱したポジション争いを展開。ひとつでも上のシリーズランキングを手に入れようと熱い戦いを見せている。全長が1.33マイルと、スーパースピードウェイとショートオーバルの中間的なキャラクターを持つナッシュビル・スーパースピードウェイでは、グリップの高い、ナッシュビル独特のコンクリート路面の上で激しいバトルが繰り広げられた。
 ポールポジションからスタートしたウェルドンを、ポイントリーダーのサム・ホーニッシュJr.(マールボロ・チーム・ペンスキー/ダラーラ)、ディクソン、2004年チャンピオンのトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)が追いかけるオーダーでレース序盤は展開した。しかし、エリオ・カストロネベス(マールボロ・チーム・ペンスキー/ダラーラ)はハンドリングが悪化したマシンに悩まされて中団グループに飲み込まれ、カナーンは電気系トラブルで大きく後退。さらには、ホーニッシュJr.がクラッシュを喫して、トップの座はウェルドンとディクソンのチームメイト同士で争われることとなった。
 最多リードラップを記録した通りにウェルドンの速さは目覚しく、ディクソンは前を走っているとはいえ、激しいチャージを受けるだろうことは容易に想像できた。最後のピットストップを行ったのが、ディクソンは128周目、ウェルドンは133周目と、使える燃料の多いという面でもウェルドン優位と映っていた。しかし、ディクソンはとうとう最後までトップを明け渡すことはなかった。テール・トゥ・ノーズの状態から、最終ラップの最終コーナーからの立ち上がりで2台は横に並びかけ、ギリギリまで接近した状態を保ってチェッカーフラッグの振られるゴールラインへと飛び込んだのだった。今回のレースもIndyCarシリーズならではの接近戦に終始し、最後には0.1176秒差でウイナーが決したのだった。
 シリーズランキングにおけるポイントリーダーのホーニッシュJr.は、クラッシュで14位となったが、トップの座をキープ。2番手には今回のウイナーのディクソンが浮上し、2位だったカストロネベスは5位フィニッシュで3位へとひとつ後退。しかし、ポイントリーダーのフィニッシュ順位が悪かったことから、トップ4が16点という僅差に収まることとなった。残るは5戦。次戦からはチャンピオン争いがさらに激しく戦われることとなるだろう。
 松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/ダラーラ)は12番グリッドからスタート。序盤は10位グループを走っていたが、中盤のフルコースコーション中にピットストップを二度行って燃料を追加搭載。上位陣がピットへと向かったところでトップに立った。そして、その直後に新たなフルコースコーションが発生。トップ3からトップ5でゴールすることも十分に可能な展開となった。しかし、163周目のターン3進入時にリアサスペンションにトラブルが発生。単独クラッシュを喫する悔しいレースとなった。
 ダニカ・パトリック(レイホール・レターマン・レーシング/ダラーラ)は、松浦と同じタイミングで給油を行ったことでポジションを大幅にアップさせ、それを最後まで保ってキャリアベストに並ぶ4位でゴールした。
<コメント>

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■スコット・ディクソン(優勝)
「スタートでエリオ(・カストロネベス)に接触してしまい、フロントサスペンションに小さいものだがダメージを与えてしまった。マシンの調子は非常に良かったが、出場車の中での最速の存在ではなかった。しかし、トラフィック内での走りは非常に安定しており、ピットクルーたちの素早く確実な作業と、エンジンの燃費を良いものにできたことによってトップに躍り出ることができた。オーバルで優勝するのが久しぶりであることと、ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングが1-2フィニッシュを達成できたことを本当にうれしく思う」

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■ダン・ウェルドン(2位)
「ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングにとって素晴らしい晩となった。スコットが優勝したことを心から喜びたい。僕のマシンはとても速かったが、あと一歩のところで優勝は逃した。今日のレースは非常に見てエキサイティングなものになっていたと思う。IRL IndyCarシリーズにタイヤを供給してくれているファイアストンの地元ファンには、おおいにレースを楽しんでもらえたことと思う。サイド・バイ・サイドでの戦いは難しいナッシュビルだが、非常に緊迫感の高いレースがスタートからゴールまでずっと続いていた」

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■ヴィットール・メイラ(3位)
「リスタートのあとなど、5周ぐらいは僕のマシンが最高に速かったが、すべてが温まるとターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングのマシンにアドバンテージがあったようだ。新しいスポンサーがついてくれた最初のレースで3位に入れたことは嬉しい。新スポンサーから大きなサポートを受けることによって、今後の僕らはさらにチーム力を向上させることができるはずだ。次のレースでも良い結果を獲得するために全力を挙げる。僕らはまだよくなる余地を残している」

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■松浦孝亮(13位)
「ピットの作戦が見事に当たって、レースは自分たちにとって非常に良い展開になっていました。燃料もゴールまで持つ状況で、悪くてもトップ5でフィニッシュできるレースになっていただけに、サスペンションのどこかが壊れてクラッシュとなってしまったことは本当に悔しいですね。今回もマシンは速かったし、チームには上位で戦うことができる実力と、勢いがあると思います。次のミルウォーキーも全力で戦います」
■ロバート・クラーク:HPD社長
「非常にエキサイティングなレースとなった。ナッシュビルのレースはオーバーテイクが難しく、僅差のゴールとはなりにくいのだが、今日のフィニッシュはターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングのチームメイト同士によるスリリングな接近戦となっていた。スコット・ディクソンの久しぶりのオーバルコースでの優勝には、おめでとうと言いたい。今回のレース結果により、チャンピオン争いが再び大混戦になった。今後の5レースは戦いがさらに激しくなることだろう。
  今日のレースは燃費という要素も絡んだ、非常に興味深いものとなってもいた。最大限速く走る努力をしながら、燃費もできる限りセーブするというのは、ドライバーに高度なスキルが求められるだけでなく、ピットのエンジニアたちによるテクニカルな戦いでもある。スピードウェイに来てくれたファンの人たち、テレビで観戦を楽しんでくれた人々が、その部分までもフルに楽しんでくれたことと期待したい」

<決勝リザルト&ポイントランキング>
順位 No. ドライバー チーム C/E/T タイム/差
1 9 S.ディクソン Target Chip Ganassi Racing D/H/F –
2 10 D.ウェルドン Target Chip Ganassi Racing D/H/F +0.1176
3 4 V.メイラ Panther Racing D/H/F +1.2756
4 16 D.パトリック Rahal Letterman Racing D/H/F +2.5019
5 3 H.カストロネベス Marlboro Team Penske D/H/F +3.5647
6 27 D.フランキッティ Andretti Green Racing D/H/F +11.9449
7 17 J.シモンズ Rahal Letterman Racing D/H/F +1Lap
8 26 Ma.アンドレッティ Andretti Green Racing D/H/F +0.5609
9 5 R.ブリスコー Dreyer & Reinbold Racing D/T/F +5.0621
10 20 E.カーペンター Vision Racing D/H/F +2Laps
11 7 B.ハータ Andretti Green Racing D/H/F +1.0331
12 11 T.カナーン Andretti Green Racing D/H/F +30Laps
13 55 松浦孝亮 Super Aguri Fernandez Racing D/H/F +38Laps
14 6 S.ホーニッシュJr. Marlboro Team Penske D/H/F +72Laps
15 2 T.シェクター Vision Racing D/H/F +79Laps
16 15 B.ライス Rahal Letterman Racing D/H/F +139Laps
17 8 S.シャープ Delphi Fernandez Racing D/H/F +142Laps
18 14 J.バックナム A.J. Foyt Enterprises D/H/F +164Laps

順位 ドライバー チーム 総合 ポイント
1 S.ホーニッシュJr. Marlboro Team Penske 316
2 S.ディクソン Target Chip Ganassi Racing 311
3 H.カストロネベス Marlboro Team Penske 310
4 D.ウェルドン Target Chip Ganassi Racing 300
5 V.メイラ Panther Racing 262
6 T.カナーン Andretti Green Racing 224
7 D.フランキッティ Andretti Green Racing 203
8 Ma.アンドレッティ Andretti Green Racing 196
9 D.パトリック Rahal Letterman Racing 191
10 松浦孝亮 Super Aguri Fernandez Racing 190
11 S.シャープ Delphi Fernandez Racing 189
11 B.ハータ Andretti Green Racing 189
13 T.シェクター Vision Racing 174
14 B.ライス Rahal Letterman Racing 151
15 E.カーペンター Vision Racing 145
16 F.ジァホーネ A.J. Foyt Enterprises 142
17 E.チーバーJr. Cheever Racing 114
18 J.シモンズ Rahal Letterman Racing 109
19 B.ラジアー Dreyer & Reinbold Racing 107
20 R.ブリスコー Dreyer & Reinbold Racing 57
21 P.J.チェッソン Hemelgarn Racing 54
22 Mi.アンドレッティ Andretti Green Racing 35
23 J.バックナム Hemelgarn Racing 22
24 M.パピス Cheever Racing 16
25 ロジャー安川 Playa del Racing 14
26 J.ラジアー Playa del Racing 13
27 A.アンサーJr. Dreyer & Reinbold Racing 12
27 R.モレノ Vision Rasing 12
27 T.エンゲ Cheever Racing 12
27 T.ベル Vision Racing 12
27 P.J.ジョーンズ Team Leader Racing 12
27 A.ダーレ Sam Schmidt Motorsports 12
33 A.ルーエンダイクJr. Luyendyk Racing 10
33 S.グレゴワール Team Leader Racing 10
33 L.フォイト A.J. Foyt Racing 10
33 T.メデイロス PDM Racing 10
37 P.ダナ Rahal Letterman Racing 6