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インディ・カー・シリーズ第9戦ナッシュビル[決勝日]フォト&レポート

<US-RACING>

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予選3位からスタートしたディクソンが、今シーズン2勝目を飾った。レース中盤まではトップグループの3〜4番手で走行していたディクソンだが、129周目にホーニッシュJr.がクラッシュして発生したイエローコーション中にトップとなると、その後はレースをリードした。チームメイトのウエルドンがディクソンを追うが、最後までトップを走り切り、オーバルでは2003年のリッチモンド以来となる優勝を手にした。2003年シリーズ・チャンピオンのディクソンは、今回の優勝でポイントランキング2位に浮上。再びチャンピオンに返り咲く可能性も高まってきた。

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ディクソンがトップになるまでレースをリードしていたのが、昨年のチャンピオン、ウエルドンだった。前戦のカンザスはホーニッシュJr.を追うレースだったが、このナッシュビルではチームメイトのディクソンを追う展開となった。カンザスのようにレース終盤、トップに追いつこうとするウエルドンだったが、あと一歩届かず2位でフィニッシュ。今回はチームメイトが優勝し、ターゲット・チップ・ガナッシのワンツー・フィニッシュとなった。ウエルドンが2位を走行して迎える最終ラップは、開幕戦で優勝したときのようなパッシングをいつも期待してしまう。カンザスとナッシュビルはそのような状況が続いただけに、それが見られなかったのが少し残念。

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今シーズン、予選ではトップ5に入ることがないメイラだが、リッチモンドからこのナッシュビルでの3戦は常にトップ3位内でフィニッシュしている。今回はレース終盤に一時2位を走行し、トップになるか? と思ったが、最後の一台を追い抜くまでには至らなかった。しかし、ワンカー体制でペンスキー、ターゲット・チップ・ガナッシといったトップチームに対抗しているパンサー・レーシングとメイラのパフォーマンスは確実に向上している。今シーズンも残り5戦となったが、優勝するチャンスはあるだろう。

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2戦連続優勝していたホーニッシュJr.は、スタートからトップを走行するウエルドンを追うレース展開となった。126周目に2回目のピットストップに入ったホーニッシュJr.は、コースに戻った2周後に前を走行するメイラを外側から追い抜こうとした瞬間、マシン後部が右に流れ出し、バランスを崩して外側のコンクリートウォールに接触。走行不可能となりリタイアを余儀なくされた。このため14位でレースを終えることになったホーニッシュJr.はランキング争いでトップをキープするも、今回優勝したディクソンとの差が僅か5ポイントまで縮まってしまった。ランキング2位だったカストロネベスは、5位でフィニッシュし、ランキング3位に後退。ウエルドンはランキング4位につけている。このナッシュビルを終えて、ランキングトップから4位の差は僅か16ポイントの僅差になった。次戦ミルウォーキーの結果で大きく変動することになるか楽しみだ。

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ダニカ・パトリックの父親が先週末シカゴランドで行われたNASCARのレースに招待され、そのとき受けたインタビューで、ダニカがNASCARに参戦する可能性も示唆したことから、NASCARに転向するのではといった噂が流れていた。チームとの契約が今年いっぱいで切れることと、チーム自体のパフォーマンス不足もあり、そのような噂が流れているが、本人はインディ・カーでまだ走りたい様子。しかし、現在のチームに留まるかは、はっきりとコメントしていない。AGRから来年のレギュラー・シートのオファーを受けている噂も流れている。話題が盛り上がっている状況の中、このナッシュビルでパトリックは今シーズン最高位となる4位でフィニッシュした。

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1回目のピットストップを終えた松浦は、その数周後にイエローコーションが発生すると、その間に給油だけのピットストップに入った。これにより2回目のピットストップでは他のマシンより遅くピットに入ることができるアドバンテージを得る事になった。その作戦が功を奏し、129周目にはトップを走行することになった。その直後、タイミングよくイエローコーションも発生し、3回目のピットストップをコーション中に入ることで、トップグループとの差がそれほど広がらず、4位でコースに戻ることに成功した。リスタートで2台に抜かれてしまうが、そのまま走行を続ければトップ5以内でのフィニッシュも可能かと思われたレース終盤の163周目、サスペンションにトラブルが発生してスピンを喫し、ターン4のセーファー・バリアに接触。リタイアとなり13位でレースを終えた。悔しいアクシデントとなったが、次戦ミルウォーキーでの活躍に期待したい。