<US-RACING>
予選4位からスタートしたディクソンが、ワトキンス・グレンで2年連続優勝を飾った。レース序盤、トップ争いを演じていたドライバーは接触やスピンをしてしまい、次々に後退していく。そんな中ディクソンに続くドライバーはミスすることなく確実にレースを完走。その結果が今回の上位フィニッシュとなった。これまで5戦レースが終了したが、ウイナーは今のところペンスキーかターゲット・チップ・ガナッシの2チームだけ。やはりこの2チームによって毎回優勝争いが行われている感は拭えない。次戦からはオーバルのレースが続くが、第3のチームによる優勝を次のテキサスで見たいところだ。
午前中は雨が降っていたが、午後からは止んだり降ったりを繰り返す不安定な天候となった決勝日。アメリカ西部時間に合わせるためか、今年はレースのスタート時間が遅く、ホームステッド、セント・ピータース・バーグと同様、午後3時45分にグリーン・フラッグが振られた。スタート時は雨が止んでしばらくたっていたが、気温は14度低く、路面は濡れていたため、ほとんどのマシンはレインタイヤを装着していた。レース序盤から路面が乾き始めたため、スリックタイヤに変更するドライバーが増え始めた。計60周のレースだったが、合計7回のイエローコーションが発生。総周回数の約3分1となる21周がコーションとなったため、レースは55周に短縮され2時間のタイムレースとなった。終盤に小雨が振り出したものの、イエローコーションが発生したこともあり、ほとんどのマシンはスリックタイヤでレースを完走していた。
レースも中盤に差し掛かろうとしていた19周目、リスタート後にターン1とターン2の間で松浦がスピンを喫し、シモンズと接触。二人はリタイアを余儀なくされた。「チームががんばってくれたのに、とても残念な結果になってしまいました。今日はベテランドライバーでもミスをしてスピンをするようなコンディションでした。路面もちょうど乾きだしたところだったのですが、リスタートでタイヤもあまり温まってなかったんですね。ターン1を過ぎたあと、ホーニッシュJr.の加速が悪かったのでインに入ったのですが、スロットルを抜くのが少し早かったんですね。パスしようとした瞬間スピンをしてしまいました。イエローのたびに燃料を補給していたし、コースに残っていればいい結果が出せたと思います」と、今日のレースについて話す松浦。今シーズン初のリタイアとなってしまったが、次戦のテキサスでの活躍に期待したい。
2位にはいったメイラは、インディ・カーでのキャリア通算5回目の2位を記録した。ウエットコンディションのファイナル・プラクティスでも3位のタイムを記録していただけに、レースでの仕上がりもよく、レースでは優勝まで後一歩に迫るパフォーマンスを発揮した。数々のチームを渡り歩いてきた苦労人のメイラは、昨年レイホールのドライバーのなかでも、シリーズランキング・トップにもかかわらず、放出されてしまった。今年はパンサー・レーシングのレギュラーとなり、チームもワンカー体制と集中してレースに挑んでいる。今年こそは、キャリア初優勝することに期待したい。
予選10位からスタートした助っ人ブリスコは、無理せず完走を目指した結果、自身のインディ・カー・キャリア最高位となる3位でレースをフィニッシュした。昨年はターゲット・チップ・ガナッシというトップチームで走行し、ロード・コースではポール・ポジションを獲得していた。しかし、レースでは気張りすぎたせいか、リタイアに終わることが多く、ロード・コースで完走することは無かった。今回はドレイヤー・レインボールドから突然エントリーしたにもかかわらず、3位と好成績を残すことになった。レースの流れや運もあるが、それでもいい仕事をしたと思う。ブリスコは、意外とトップチームで走行しない方が、良い成績を残せるのかもしれない?!