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チャンプ・カー・ポイント・リーダーのセバスチャン・ブルデイがミルウォーキー・マイルのポールを獲得し、シーズン序盤の支配を継続


ブリヂストン・プレゼンツ・ザ・チャンプ・カー・ワールド・シリーズ・パワード・バイ・フォードのポイント・リーダーであるセバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、過去3度出場したミルウォーキーのレースでいずれも苦戦している。今日、彼はミルウォーキー・マイルをたった1周するだけで、今年も苦戦するだろうという定説をすべて覆した。
ブルデイは1.032マイルのオーバル・コースで、2周与えられた予選ラップのうち1周しか走らなかった。ブルデイが今シーズン3度目のブリヂストン・ポール・ポジション獲得に必要としたのは、ウエスト・アリスにあるこのサーキットをたった1周だけ走行すればよかったのだ。このニューマン/ハース・レーシングのドライバーは21秒182のタイムをたたき出し、A.J.オールメンディンガー(#10ルースポート・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)からポールを奪う。それを見ていたブルデイのチームメイト、ブルーノ・ジュンケイラ(#2ホール・イン・ザ・ウォール・キャンプス・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、このフライング・フレンチマンをポール・ポジションの座から引き摺り下ろすため最後のアタックに出て行った。
ジュンケイラはブルデイのラップにコンマ1秒及ばず、ブルデイがポール・ポジションに輝いてニューマン/ハースは今シーズン初の予選1位、2位独占を確実にした。ジュンケイラ渾身の予選ラップは、少しドラマチックな展開となる。このブラジル人はマシンが不調だったために、最初の予選走行を断念。ルールに基づき、まだグリーン・フラッグが出ていなかったことから再び走行を許されたが、予選で与えられた2周のうち1周をキャンセルしなくてはならかった。そのような状況ながら、ジュンケイラは1周だけで2位のタイムとなる21.275秒というラップをたたき出し、今年2回目のフロント・ロー・スタートを獲得したのだ。ブルデイはポール・ポジションとなったことで、エクストラ・チャンピオンシップ・ポイントを獲得。トータル103ポイントとなり、ジャスティン・ウィルソン(#9CDW・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)との差を26ポイントまで広げてシリーズをリードしている。
オールメンディンガーは21秒398のタイムで3位に入り、今シーズンのこれまでの4レースのすべてで4位以上のポジションからスタートすることになった。このヤング・カリフォルニアンを先頭に、ウィルソンが4位となり、2列目にルースポートが並ぶ。
ウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、この日最も驚くべき結果を記録した。彼は21秒438のタイムで5番手グリットに入り、まだ始まったばかりのキャリアで初のトップ5スタートのポジションを獲得したのだ。パワーはセッションのほとんどで暫定ポールに居続け、予選を走ることができなかったチーム・オーストラリアのベテラン、アレクス・タグリアーニ(#15オージー・ヴィンヤーヅ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)に代わってチームの中心的役割を担った。
タグリアーニは今朝のプラクティスで激しくクラッシュし、マシンに致命的なダメージを受けて予選を見送らざるを得なかった。タグリアーニは予選出走において体の問題はなかったのだが、シングル・カー・セッションの時間内にマシンを修理することができず、セッションをスキップしなければならなかったのだ。土曜日の予選を走行しなかったのはこのカナディアン・スターだけではない。2002年のシリーズ・チャンピオンであるクリスティアーノ・ダ・マッタ(#19サニーズBBQ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)もまた、今朝のプラクティスでスピンしたためにこのセッションを走行できなかった。彼のデイル・コイン・レーシングのマシンも予選アタックまでに修理が間に合わず、ダ・マッタはタグリアーニの前のポジションとなる17位から明日のイベントをスタートする。
パワーの後ろにはマリオ・ドミンゲス(#7オーグロ・デ・メキシコ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が入る。ドミンゲスは明日のレースを6番手からスタートし、ミルウォーキーで4年連続となるトップ8フィニッシュを狙う。オリオール・セルビア(#6ガルフストリーム・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、金曜日のテストのクラッシュから復活して7位。セルビアはPKVレーシングのチームメイトであるキャサリン・レッグ(#20ガルフストリーム・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)と4列目に並ぶ。レッグは21秒578の8位で、彼女の自己ベスト・ポジションとなった。
レッグの後ろにネルソン・フィリップ(#4CTE・レーシング‐HVM・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)、続いてディフェンディン・レース・ウィナーであるポール・トレイシー(#3インデック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)とここまでがトップ10。フィリップのCTE・レーシング‐HVMのチームメイト、ダンクラーク(#14CTE・レーシング‐HVM・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、始まったばかりのチャンプ・カー・キャリアでベストのスタート・ポジションに入り、明日の225マイル・イベントの11番グリットとなった。
2006年シーズンの第4戦は明日の現地時間午後1時、アメリカ東部時間午後2時にグリーン・フラッグが振られる。スピード・チャンネルでは東部時間午後2時から生中継があり、30分のプレ・レース・ショーも観ることができる。レース・ファンはチャンプ・カー・ワールド・ジリーズの公式ホームページ、www.champcar.ws で、レース・ディレクターを通じて生中継で観戦することが可能だ。
トップ3インタビュー
セバスチャン・ブルデイ: 「僕たちが望むところにいる。もっと速く行けると思ったけど、ラップ・タイムをみて、みんなよりコンマ3秒も4秒も速い必要はないと思ったね。もっと速いラップを走るために、2回目はリスクが少し高くなって、大変なことになるかもしれないと判断したんだ」
ブルーノ・ジュンケイラ: 「昨日はマシンがとても良くて、トレイシーの後ろで走ることができた。だけど、残念ながらクラッシュしてしまい、もう一台分のパーツはないかもしれない。マシンが違うから、走りも変えなくてはいけないし、作戦は推測するしかないよ。このマシンと他の速いマシンとを比べることはできないけど、ニューマン/ハースは最高のチームだから、きっといいマシンを用意してくれるだろう。過去にこのコースで苦労したことがあったけど、去年はまあまあ良かった。今年はさらによくなると思う。このレースでいいスピードが出せるといいね」
A.J. オールメンディンガー: 「このコースで、レースを終えるのにどのような走りをすればいいか、どのようにタイヤを使えばいいかが分かってきたと思う。それで、明日はいいスタートを決め、集中してバランスよく走ればいいんだ。レース・カーは予選よりもいいマシンになっているから楽しみにしているよ。長いレースだけど、いいスタートをして、がんばるだけだね」
主な注目のポイント
セバスチャン・ブルデイはチャンプ・カー・キャリア21度目のポール・ポジションを獲得し、最多ポール・ポジション記録の単独9位となった。それまではゴードン・ジョンコックと並んでいた。
ウィル・パワーが5位のスタート・ポジションを獲得。ルーキーがミルウォーキーでトップ5スタートを切るのは1999年のファン・パブロ・モントーヤ以来である。
キャサリン・レッグは8位で自己ベストの予選ポジションを記録。チャンプ・カーで女性ドライバーが記録した予選最上位は6位で、1994年にインディアナ・ポリスでリン・セント・ジェームスが記録している。