INDY CAR

松浦孝亮、クラッシュを乗り越え予選12位に食い込む

<SUPER AGURI FERNANDEZ RACING>
2005 IRLインディカー・シリーズ第15戦
「ピーク・アンチフリーズ・インディ300・プレゼンテッド・バイ・ミスタークリーン」
日程:9月10〜11日
開催地:イリノイ州ジョリエット
コース:シカゴランド・スピードウェイ
距離:1.5マイル(2.413km)
■■■9月10日予選■■■
天候:快晴/気温:32℃/時間:16時30分〜(日本時間11日6時30分〜)
<事前テストで得た好感触>——————————————–
カリフォルニア州ソノマでの第14戦を終えた後、スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングはHondaが行ったシカゴランド・スピードウェイでのテストに参加した。IRLのルールではエンジンマニュファクチャラーに年間3日のエンジンテストデーが与えられているが、Hondaにとっては今年2回目のテスト。その目的は、シーズン終盤に配されているシカゴランド、フォンタナの2戦に向けてのハイスピードオーバルでのパフォーマンスアップであった。パナソニックARTA/パノス・Hondaに乗る松浦孝亮は、この1日のテストで多くの価値あるデータを集めることができた。
<走行初日は2回のプラクティスと予選>———————————-
シカゴランドのレースは2デイイベントである。走行初日の土曜日には午前中に2回のプラクティスがスケジュールされ、サポートレースの後の夕方に予選が行われた。松浦陣営がクジ引きで得た予選アタック順は5番手だったため、今回の松浦は走行グループ1に組み入れられている。プラクティス1回目は30分、2回目は45分の走行時間が与えられた。
今週末のシカゴは残暑が厳くなるという予報が出ていたが、プラクティス1回目が始まった午前8時40分には、まだ気温は21℃と涼しかった。このコンディション下で松浦はグループ1で2番手につける25秒4198=平均時速215.265mph(約246.361km/h)をマーク。走行2グループとの総合順位でも5位となる順調な滑り出しを見せた。
<プラクティス2回目にアクシデント>————————————-
プラクティス1回目で手に入れた好フィーリングとともに松浦は2回目の走行に入った。気温は短いインターバルの間に27℃まで上昇していた。
走り始めて2周目のバックストレッチ、松浦に思いもよらぬハプニングが襲い掛かった。加速中の松浦のマシンにトーマス・エンゲが突然ヒットしてきて、パナソニックARTA/パノス・Hondaはスピンに陥った。松浦のマシンはインフィールド側の芝生の上に止まったが、マシンの左側が大きく傷付き、フロントウイングを損傷、リヤホイールにもダメージは及んでいた。サスペンションアームが前後ともに曲がるほどのひどい破損状況である。チームはすぐさまガレージでマシンの修理を開始した。貴重なプラクティス時間は失われたが、予選に出場すべく大急ぎで修復作業は進められた。
<厳しい状況下での予選>———————————————
アクシデント中にスピンを喫したため、スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングはエンジンの換装も行なった。IRLインディカー・シリーズには2デイイベントの場合、1基のエンジンで戦わねばならないルールがあるが、今回のアクシデントは不可抗力との判断がなされ、松浦は予選出走を許された。
しかし、プラクティスを一切走っていないマシンで予選にチャレンジすることには大きなリスクが伴う。それを承知の上で松浦は果敢にアタックを開始、1周目に25秒5128=平均時速214.481mph(約345.100km/h)をマークした。このタイムで予選終了時点では15番手だったが、予選後の車検で車両規定違反によって3台が失格となったため、松浦は12位のスターティング・グリッドを獲得した。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「マシンを修復してくれたメカニックに感謝しています」
「予選でのマシンはハンドリングが少しニュートラル過ぎました。コーナーでフロントが入り過ぎてしまい、オーバーステアになっていました。それでもまずまずのラップタイムを出すことができました。ギヤレシオが少しショートだったことが悔やまれます。しかし、あれだけ壊れたマシンをメカニックのみんなが直してくれて、それがここまでのタイムを出せるマシンに仕上がっていたのですから、僕としてはうれしかったし、彼らにはとても感謝しています。明日のファイナルプラクティスでは、レースに向けてマシンをさらに仕上げていきたいですね。第14戦を終えた後にシカゴでテストをしたので、レース用のベースセッティングはかなり良い仕上がりになっています」
<サイモン・ホジソン:チームマネージャー>
「明日のファイナルプラクティスでマシンを仕上げる自信はある」
「プラクティス2回目のアクシデントは完全にトーマス・エンゲによるミスだった。我々のマシンはかなり広範囲にわたってダメージを受けており、サスペンションアーム、アップライト、アンダートレイのスキッドパッドなど、多くのパーツを交換しなければならなかった。スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングのクルーたちが迅速かつ正確な仕事をしたことにより、我々は予選を走ることができた。朝のプラクティスでのマシンは非常にトラフィック内で安定しており、コウスケもそのハンドリングには満足していた。そこからさらにマシンを良くすること、そして予選用のセッティングを行うことがプラクティス2回目の目標だった。直したばかりの、一切走っていなかったマシンとしては、今回の予選パフォーマンスは決して悪いものではない。ハンドリングは少々センシティブになっていたようだが、レースに向けて、明日のファイナルプラクティス30分間で競争力の高いマシンを仕上げる自信はある」
<鈴木亜久里:チーム代表>
「予選一発の速さには課題は残るが、決勝は全力でがんばりたい」
「予選順位はほぼいつも通りのポジションとなった。クラッシュがなくても大きくポジションは変わらなかったと思う。毎回どんなコースに行っても同じぐらいのポジションだから、今のチームの実力がこのあたりということだ。スコット・シャープが9位だったから、クラッシュがなくてもコウスケはだいたいこれぐらいの順位だったと思う。ちょうどランキングと同じぐらいのところになっている。今のチームに不足しているのはエンジニアリングだと思う。だからテストをしても成績は大きく変わらない。しかし、そこがインディカー・シリーズのいちばん難しいところだ。ホントに紙一重のところで予選ポジションはガラッと大きく変わってくる。予選とレースではまた違った面があって、それがインディカー・レースなのだけれど、予選で一発の速さを発揮するクルマの作り方という部分でウチのチームはまだトップレベルには到達できていない。でも、レースは全力で戦いますよ。ここのコースはグリッドがレース内容に大きく関係しないし、ピット作業のスピード、作戦など、すべての要素を自分たちの有利になるようコントロールしてがんばりたい」