INDY CAR

●インディ・カー・シリーズ第7戦リッチモンド【決勝日】フォト&レポート

<US−RACING>

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予選2位からスタートしたカストロネベスが150周目にトップへ返り咲くと、最終ラップとなる250周までレースをリード。みごと今シーズンの初優勝を飾った。昨年の最終戦以来となる優勝で、IRLにおけるキャリア7勝目。昨年はこのリッチモンドでポール・ポジションからスタートしたが、3位と惜しくも優勝を逃していた。今年は昨年の無念を見事晴らすことに成功しし、トヨタにとって第2戦フェニックス以来となる今シーズン2勝目となる。フェニックスではホーニッシュJr.が優勝し、今回はカストロネベスとチーム・ペンスキーの2台による勝利だ。今シーズン7戦目にして4人目のウイナーが誕生したが、残り10戦であと何人のドライバーが優勝を飾ることが出来るだろうか?

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午後7時50分過ぎ、今シーズン2度目のナイト・レースとなるリッチモンドで、グリーン・フラッグが振られた。太陽が沈む中、0.75マイルのコースを目まぐるしくインディ・カーが疾走し、ペンスキーの2台がリードを広げていく。観客席は昨年よりも明らかに上回る人数のファンが集まっていた。リッチモンドにもパトリック効果は確実に現れており、パトリックのTシャツを着ているファンが目立つ。今回のレースは周回遅れとなったが、22台中8台のものマシンがリタイアする中、確実に完走して10位でフィニッシュしたパトリック。次戦のカンサスは昨年、チームメイトのライスとメイラが最後までサイド・バイ・サイドで優勝争いをしたコースだけに、パトリックの活躍にも期待がかかる。

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リッチモンドは0.75マイルとシリーズでも最短コースとなり、常にコーナーを走行している状況が続く。ドライバーにとっても体力的な負担はもちろん、集中力を持続させることが最も難しいコースかもしれない。案の定、今回は7回のイエロー・コーションが発生したが、すべてが単独スピンかマシン同士によるアクシデントだった。ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングにいたっては、ディクソン、ブリスコーの単独クラッシュをはじめ、レース終盤にはマニングも安川と絡んでしまい、3台ともリタイアとなった。また、2004年の開幕戦から、前戦のテキサスまでトップ10フィニッシュをキープしてきた昨年のチャンピオン、カナーンは2003年のナザレス以来となる無念のリタイアに。波乱に富んだレースとなった。

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予選11位からスタートした松浦はレース中盤まで同一周回を保つが、125周目にいったん周回遅れになってしまう。しかしピットインのタイミングをずらすことによって149周目にはラップリーダーと同じ周回に復活した。196周目までは同一周回を走行していた松浦だが、レース終盤となる197周目には再び周回遅れに。難コースとなるリッチモンドで250周を周回したドライバーはわずか6人という中、ワンラップ遅れとなるが完走を果たして9位でフィニッシュした。「リッチモンドは、ベテラン・ドライバーでもクラッシュしてリタイアしてしまう本当に難しいコースですが、僕らはちゃんとフィニッシュすることができましたよ。レース中にウエイト・ジャッカーや、ロールバーをコックピット内で操作し、レース終盤にはマシンを良い方向に持っていくことができました。今回からジョン・ウォードというベテランのエンジニアが担当となり、レース中もいろいろなアドバイスを受け、とても勉強になりましたね。今回は自分的に成長することが出来たレースだったと思います」と松浦。次戦は1.5マイルのカンサスとなるが、この調子で上位フィニッシュに期待したい。

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レースがスタートし周回を重ねていく安川だが、マシンのハンドリングは週末を通して優れず、33周目には周回遅れとなる。我慢の走りで完走を目指し走行を続ける安川だったが、201周目にシャープと接触。安川のマシンはさほどダメージもなく、走行を続けることができたが、235周目にターン1でマニングと絡むアクシデントが発生。マシン後方から外側のセーファー・ウォールに追突し、リタイアを余儀なくされた。「マシンは初日から良くなく、レースがスタートしても我慢するしかありませんでした。最後まで走りきることを目標としていたのですが、2回目のマニングとのクラッシュでは逃げ場がなく、どうしようもありませんでした。次のカンザスは、チームも僕も得意とするコースなのでがんばりたいと思います」と、気持ちはすでに来週行われるカンザスのレースに切り替えている安川。残り15周でのリタイアと悔しい結果になったが、松浦同様カンザスのレースに期待したい。