INDY CAR

ワトキンス・グレン・インターナショナルで合同テスト開催。トニー・カナーンが僅差で2 番手のタイムをマーク

<Honda>
2005IRL IndyCar シリーズ 合同テスト
■ 開催地 : ニューヨーク州ワトキンス・グレン
■ サーキット : ワトキンス・グレン・インターナショナル(3.37 マイル)
■ 開催日 : 6 月15 日(水)
■ 天気 : 小雨のち晴れのち雨
■ 気温 : 26 度
IRL IndyCar シリーズにとって3 戦目のロードレースとなるワトキンス・グレン・インディ・グランプリは、9 月25 日に決勝レースが行われる。IRL は第6 戦テキサスを終えたばかりの6 月15 日、ニューヨーク州北西部にあるワトキンス・グレン・インターナショナルにおいて合同テストを開催した。バッファローの南東、シラキュースの南に位置するワトキンス・グレンは、多くの湖が点在する地域で、瑞々しい緑に包まれている。森林地帯に作られたワトキンス・グレン・インターナショナルは、1961 年から1980 年までF1 アメリカGP を開催した適度なアップダウンを持つ美しい常設サーキットである。
今回のテストには19 台のインディカーが参加した。走行スタートは午前9 時。午後は1 時から4 時までと、午前、午後それぞれ3 時間のテストセッションが予定されていた。走行開始時刻には小雨が降っていたが、それもすぐに上がり、心地よい涼しさの中で日中は走行が続けられたが、3 時半を前に突如として強い雨が降り始め、路面は見る間にウェットコンディションへと変わった。IRL は天候回復の見込みがないと判断し、予定より30 分前にチェッカード・フラッグを出して、テストセッションを早めに切り上げた。
Honda Indy V-8 勢は、今回のテストに10 台がエントリーを行なった。そして、昨年度IRLIndyCar シリーズ・チャンピオンのトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)が、1 分31 秒7204 のベストを午後のセッションで記録し、午前、午後の総合で2 番手につけた。トップだったライアン・ブリスコー(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)との間には僅かに0.0004 秒の差しかなく、ブリスコーとカナーンのベストラップの平均時速は、ともに132.272 マイルだった。
今年のインディアナポリス500 マイル・レース(Indy500)で2 位に入賞したヴィットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング/Honda・パノス)が1 分32 秒7276 で5 番手につけ、Indy500 で3 位だったブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)は、1 分32 秒8251 で6 番手だった。
今年のIndy500 ウィナーで現在ポイントリーダーのダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)は、1 分33 秒5043 で9 番手。女性ルーキー・ドライバーのダニカ・パトリック(レイホール・レターマン・レーシング/Honda・パノス)は、1 分35 秒0883 で17 番手となった。
昨年度ボンバーディア・ルーキー・オブ・ザ・イヤーの松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/Honda・パノス)は、57 周を走り込み、1 分33 秒7731 のベストを最後から2周目に記録して13 番手となった。ロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング/Honda・ダラーラ)は走行開始直後にトラブルが見つかり、その修復に時間を要したため14周しか行なうことができず、ベストは1 分37 秒8893 で、18 番手だった。
● トニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング):2 位
初めてのコースなので、まずはどんなサーキットなのかを覚えることから始めた。チャレンジのしがいがあるコースで、僕としてはとても気に入った。インフィニオン・レースウェイよりもストレートが長く、スピードは高い。エンジンのパワーが必要なコースだが、Honda Indy V-8 が僕らにはある。今日はいろいろなセッティングを試すこともできたし、とても有意義な1 日とすることができた。
●ヴィットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング):5 位
ワトキンス・グレン・インターナショナルを走るのは今日が初めてだった。ストレートも長いし、ハイスピードコーナーもある、とてもおもしろいコースだ。つまり、エンジンパワーが大きな意味を持つコースだ。Honda Indy V-8 はとてもパワフルで、その点では僕らはアドバンテージを持っていると言っていいと思う。今日はセッティングをあれこれと試したが、最後はどれだけウィングを寝かせて行けるかもトライした。
●ブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング):6 位
ワトキンス・グレン・インターナショナルを走るのは本当に久ぶりだ。入門用フォーミュラに出ていた頃に走って以来だからね。コースレイアウトなどにはほとんど変化はないんだけれど、路面は当時よりも良くなっている。それは、いい意味での変化だから歓迎だ。インディカーでのテストは、とても順調に進んだ。テクニカルなコースだし、本来なら2 日ぐらいは走り込みたいコースだけれど、今日1 日だけで僕らはとても多くのデータを収集することができたと思う。
●松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング):13 位
ハイスピードのコーナーが多いチャレンジングなコースですけど、走り込む中でだんだんマシンを良くして行くことができました。まだラップタイムは満足の行くレベルに達していませんが、パノス・シャシーで速いタイムを出しているドライバーがいるので、まだレースまでには時間がありますし、マシンのどこをどうすれば良いのかを考えたいと思います。レースまでには自分たちのマシンを速く仕上げることができると思います。ただ、まだ今の僕らにはタイムが出ていないことが示している通り、足りないものがあるので、そこを何とかしたいと考えています。
●ロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング):18 位
サスペンションにトラブルがあって14 周しか走れず、その中でちゃんと走れたのは5〜6 周ぐらいでしたが、インディカーで走るワトキンス・グレン・インターナショナルがどういうものなのか、その感覚は掴むことができました。このコースはバーバー・ダッジ・プロ・シリーズで走ったことがあります。ここはバンクのついたコーナーが多いので、レイアウト図で見るよりもコーナリングスピードが速いんです。しかし、空力によるグリップに頼るのではなく、メカニカルグリップを高くして走らないとならない。そこをレースまでに煮詰めていきたいと思います。