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●インディ・カー・シリーズ第6戦テキサス【2日目】フォト&レポート

<US-RACING>

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第3プラクティス、最終プラクティスともにトップ・スピードをマークしたのは、昨日予選2位となったルーキーのエンゲだった。第3プラクティスでは2位にウエルドン、3位にシェクターが入り、インディ500チャンピオンがシボレーのワンツーを阻止する形となったが、午後7時から行われた最終プラクティスではシェクターが2位に躍進。昨日の予選同様、再びパンサーの2台がワンツーを記録する。「とてもハッピーだね。クルマはどんな状況下でも、すごくいい。すべてがうまくいっているよ」と喜ぶエンゲ。「明日は全力を尽くすが、とにかく完走して結果を残したい。これまで何度も可能性がありながら、不運ばっかりだったからね。この週末が、これから物事がうまくいく最初となることを望むよ」。レース・セットでも絶好調なシボレー・ダラーラが、一矢報いることはできるだろうか。一方、昨日パンサーに続いて予選3位となった紅一点のパトリックは、第3プラクティスで14位、最終セッションでも17位と低迷。レースに向け、仕上がりに不満が残る結果となった。下の写真は、パトリックがインディ500でスピンした際にエンゲのマシンに突き刺さったフロント・ウイングで、壊れたエンゲのマシンとともにパンサーのピットへ来たものを、チャリティ・オークションに出すことになった。現在e-bayに出品されて3万8000ドルもの値がついているとのことで、いったいいくらまでいくだろう。このスピンに巻き込まれてリタイアしたエンゲだが、今日のトップ・タイムで気分は上々。一緒に記念撮影となった。

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昨日の予選で安川は18位に終わったものの、第3プラクティスで13位。全車による最終プラクティスでは、みごとトップ10入りを果たした。「クルマはとてもよくなりましたが、仕上がりとしてはまだ80パーセントくらいです。タービュランスの中で前のクルマに近くなるとアンダーが強くなるんで、まだ色々とやらなければなりませんね。このコースはラップダウンにならなければ問題ないと思うので、明日のレースは焦らずにいきたいと思います。最初の2スティントくらいまではあまり動かず、そのあたりから順位を上げていって、最終スティントでは上位を狙います。最後は攻めますよ」と久しぶりに頼もしい安川。ここ2戦でリタイアに終わっているだけに、明日は是が非でも上位でフィニッシュしたいところだ。

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第3プラクティスでの松浦は安川のひとつ上となる12位となったが、重要なファイナル・プラクティスでは大きく順位を落とし、18位と伸び悩んだ松浦。「色々やったんですけど、スピードが出ないんですよ。単独でも、トラフィックの中でも遅い。昨日もそうだったんですが、去年のセット・アップがまったく使えなくて。チームメイトのシャープも同じような症状なんで、2台とも根本的なものが違うんじゃないかと思います」と語る松浦に、いつもの笑顔がない。明日のスタートまでに、改善されることを祈ろう。

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完全に日が落ちた午後8時にNASCARクラフツマン・トラック・シリーズがスタートした。予選で17位だった服部はレース序盤を20位前後で走行していたが、70周を過ぎてバックストレートに差し掛かった際、アクセルをほんの少し緩めたところで後ろのマシンが急接近することになり、リアのダウンフォースを失ってマシンが突然スピン。イン側のタイヤバリアに追突して、無念のリタイアとなってしまった。「最初からずうっとルーズだったんですけど、前に近づき過ぎないようにアクセルを少し戻したら、後ろのクルマが近づいてインに入ったんですよ。もうこうなったらリアウイングのダウンフォースがまったく効かなくなって、いきなりルーズになりました。同じオーバルでもインディ・カーとはまったく違うし、データロガーもないんで、色々なことを覚えるまで時間がかかります。ひとつひとつ、体で覚えるしかないですね」とレースを終えた服部。NASCARの世界に果敢に挑む日本のチャレンジャーを、今後も見守っていきたい。