INDY CAR

松浦孝亮、インディジャパン予選9位を獲得、決勝用マシンセッティングに自信

<SUPER AGURI FERNANDEZ RACING>
2005 IRLインディカー・シリーズ第4戦「ブリヂストン・インディジャパン300マイル」
■■■イベントデータ■■■
日程:4月28〜30日
開催地:栃木県茂木町 ツインリンクもてぎ
距離:1.5マイル(2.414km)
■■■4月29日予選■■■
天候:快晴 気温:32.2℃ 時間:13:00
<32℃を越す日差しの中のタイムアタック>————————
IRLインディカー・シリーズ第4戦ブリヂストン・インディジャパン300マイルの予選が行われ、パナソニックARTA/ダラーラ・Hondaに乗る松浦孝亮は、26秒8826のタイムで9番グリッドを獲得した。
公式予選の日を迎えたツインリンクもてぎは、前日に比べて朝方はやや涼しく感じられたが、予選の時が近づくに従って気温はグングン上昇していった。日差しは真夏のように強く、予選が開始される12時30分には32℃を超えたため、各チームとも予選アタックを始めるギリギリ前まで、コンディションに合うマシンにするための微調整に追われることとなった。
午前中に行われたプラクティス3回目での松浦は、2日連続でコース一番乗りを果たした。本来ならここで予選用シミュレーションを行うところだが、タイヤのトラブルなどもあったため、45分間を決勝用マシンセッティングにあてた。ここでのベストラップは27秒1587で、走行初日だった前日のベストをコンマ3秒ほど上回った。
<激戦の中で、トップ10を獲得>—————————————-
予選のアタックはくじ引きで決められた順番で行うのだが、今回の松浦は23人出場10番目にアタックすることとなった。照りつける太陽が路面温度をジワジワと上げていく状況で、予選アタックの順番は早いほど有利とも考えられた。ところが実際にはその逆で、予選時間の中盤過ぎに雲が空を覆う時間帯ができ、そのタイミングでアタックしたドライバーたちが好タイムを記録した。コンディションの変化はあったが、全員がアタックを終えてみると、ポールポジションからコンマ2秒以内にトップ10がひしめく結果であった。
その中に松浦が食い込むことができたのは、マシンが順調に仕上がってきていることの証明だ。決勝では、松浦は力強い走りを見せてくれるだろう。クルーたちも松浦の母国イベントで最高のパフォーマンスを発揮しようと、高いモチベーションをもって決勝レースに臨む。
■■■コメント■■■ 
<松浦孝亮>
「かなり期待できるマシンの仕上がりです」
「マシンのハンドリングは着実に良くなってきています。予選用セッティングでは思っていたタイムは出せませんでしたけれども。ハンドリングが悪くて苦しんでいるということはありません。予選では、2周目のターン3進入でギヤを落とそうとしたら、ギヤがうまく入らなかったことでもタイムをロスしてしまったのです。朝のプラクティスでスローパンクチャーがあったり、この週末は全体的にうまくいっているとはいえないかもしれませんが、それでもレース用のマシンの仕上がりには自信があります。かなり期待していいと思います。レースウイーク全体を通しての流れは良い方へ向かっていると感じています。タイヤの持ちもすごくいい。今朝のプラクティスでは、50周ほど走ったタイヤでとても良いタイムを出すことができました。タイヤのライフを長くできるマシンになっているので、明日のレースは楽しみです。精神的にも余裕を持って日本でのレースウイークエンドを走ることができています」
<鈴木亜久里 チーム代表>
「母国レースのプラスアルファを孝亮も強く感じているはず」
「プラクティス1回目を走りだした時のセットアップは、少し外し目でしたけど、そこからリカバーしてくることがでた。スタートで外すのは、レースを戦う上ではキツいことなんだけど、レース用のクルマに関してはかなり良い感触をつかめているようだ。走り出した時に比べれば、今の状態はかなり良くなっている。去年と比べて、孝亮はオーバルのセットアップの仕方が大分わかってきている。ツインリンクもてぎでのレースは、他のオーバルに比べて予選の占める重要性が高いとはいえ、ある程度前にいれば大丈夫。レース中のポジションアップは可能だし、ピットの作業の速さなどでもポジションは変わるから。レースの終盤にそこそこのポジションにつけていれば戦う権利はある。孝亮も今までのクルマの仕上がりについてはネガティブなものは持っていない。日本でやるレースはプレッシャーが大きいかもしれないけれど、サーキット入りしてしまえば、もう後は他のレースと大きく変わらない。むしろ、日本語が話せるし、日本食も食べることができるのだから、かえって良いぐらいかもしれないね? プラスアルファの力が出るぐらいだと思う。ドライバーにとって母国のレースに戻ってくることができるのは、本当に嬉しいこと。それを孝亮も強く感じている。マシンについては、どれだけダウンフォースをつけていくかが難しい。今日のところまでを見ていても、チームによって差があって、それがかなり大きい。それぞれのチームがどこにポイントを置いてくるか。どんなコンディションでのレースになるのか。トラフィックでのバランスなどを含めて、全部をうまくまとめさせるのは本当に難しい。でも、鍵はターン3とターン4だから。そこを速く走れないマシンでは前にて行くことはできない。明日のレースは200周。それが終わる時に何等賞にいるか。終盤の勝負どころにくるまでは、流れに逆らわずに前に出て来るように戦えばいい。
<サイモン・ホジソン チームマネジャー>
「2周目にタイムを出すセッティングが予選では裏目に出た」
「プラクティスが始まった昨日、マシンは大きなアンダーステアを抱えていた。しかし、そこからエンジニアのジョン・ディックはデータを分析し、すぐさまマシンをいい方向へスイッチさせることに成功した。コウスケはまたひとつ、クルマの置かれた状況から何をすれば良いのかを学ぶことができたと思う。どうやって問題を解決すべきなのか、それを身につけた。しかも、今回の解決策は素晴らしいものだった。セッティング変更をした後のマシンは、とても安定感があり、コンスタントに好タイムを出し続けることができる上、アンダーステアは小さく、しかもロングランでのハンドリング変化も小さい。今日の予選は自分たちの持っている力をすべてお見せすることはできなかった。今朝のプラクティスでコウスケは、45周以上を走ったタイヤでとてもいいタイムを出せていた。そこで我々は、予選ではもっとドラッグを削っていってもいいと考えた。そうしたセットアップにして予選のウォームアップを走り始めると、コウスケはマシンのバランスがとてもいいと言ってきた。しかし、目指したタイムを出すことはできなかった。チームメイトのスコットは、アタック1周目にタイムを出すアイデアを採用していた。彼らのマシンの場合、そうする方が良いとのデータが今日の午前中のプラクティスで確認されていたからだ。我々はというと、2周目により良いタイムが出るようにとセッティングを施した。そして実際に1ラップ目は良かった。2周目もターン1、ターン2を通過するところまででは、1ラップ目よりも良いタイムが出せていた。ところが、ターン3の進入でエンジンの回転数が上がりすぎていて、シフトダウンを行えるだけの回転数が残されていなかった。エンジンのシステムによってシフトダウンが拒絶され、そこでタイムロスが発生。予選結果は9位となった」