INDY CAR

ブライアン・ハータがキャリア初ポールポジションを獲得 ダン・ウェルドンが2位につけ、Honda Indy V-8がフロントローを独占

<Honda>
IRL IndyCarシリーズ第2戦XMサテライト・ラジオ・インディ200(予選)
■開催日:3月18日(土)
■開催地:アリゾナ州エイボンデイル
■サーキット:フェニックス・インターナショナル・レースウェイ
■コース全長:1マイル/約1.609km
■天候:曇り
■気温:19度
IRL IndyCarシリーズ第2戦フェニックスの予選が曇り空の下、19度という思いのほか低い気温下で行なわれ、Honda Indy V-8搭載のダラーラを駆るブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)がキャリア初となるポールポジションを獲得した。彼がアタック2周目に記録したタイムは20秒3837で、全長1マイルの小さなコースながら、平均時速は176.612マイルにも達した。予選2位は、開幕戦ウィナーのダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)が獲得し、Honda Indy V-8勢によるフロントロー独占が達成された。
3月中旬でも真夏のような気候となることの多いフェニックスだが、この冬から続いているアメリカ西部の異常気象のためか、今週末のフェニックスは天候不順となっている。プラクティス2回目は小雨も降った。しかし、幸いにも予選が雨に見舞われることはなく、22台出場のうちの19台がアタックを行なった。予選を走らなかったのは、アクシデントを起こした2台と、昨年度チャンピオンで、過去2年連続でフェニックスのウィナーとなっているトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)だった。カナーンは、プラクティス1回目に冷却系トラブルが発生したためにエンジンを交換。プラクティスから決勝までが2日間のレースは、1基のエンジンで戦わなくてはならないルールがあるため、彼の予選出走は許されなかったのだ。カナーンは明日のレースを最後列の21番グリッドからスタートする。
 
ロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング/Honda・ダラーラ)は、プラクティス1回目にサスペンション・トラブルが出たために十分な走り込みをできないまま予選を迎えたが、13番手グリッドを掴む健闘ぶりを見せた。松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/Honda・パノス)は、決勝用セッティングに重点を置いたプログラムに徹しており、予選ではダウンフォース設定がやや大きかったためにグリッドは15番手。女性ドライバーのダニカ・パトリック(レイホール・レターマン・レーシング/Honda・パノス)は、18位だった。
●ブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング) 予選1位(20秒3837)
僕はCARTシリーズ時代の95年にここでポールを獲得している。10年経ってもトップカテゴリーのレースでポールを獲るだけの力を持っていると証明でき、本当に嬉しい。10年前の自分に比べ、今の僕は自分個人の成績だけではなく、チーム全体の成績を考えて働いている。去年、自分のチームメイトたちが多くの勝利を挙げ、ランキングで1、2位を獲得したことで僕は大きな満足感を得た。開幕戦のホームステッド・マイアミではアクシデントに見舞われ、マシンには大きなダメージがあった。チームのクルーたちは夜遅くまでのハードワークを続け、今回のレースにマシンを間に合わせてくれた。彼らの努力に報いるという意味でも、このポールポジションは嬉しい。
●ダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング) 予選2位(20秒3995)
ブライアンのポールポジション獲得は僕にとっても本当に嬉しいものだ。彼がいなければ、僕らのチームは今のようなパフォーマンスを発揮できない。それほどブライアンのチームへの貢献ぶりには素晴らしいものがあるんだ。僕のマシンもとても強力なものに仕上がっているので、レースが楽しみだ。ブライアンが強敵となることは間違いない。最後尾近くからスタートするトニー・カナーンだって侮ることはできない。ピットストップのタイミングなどの作戦を使って彼は必ずトップグループへと上がって来るだろう。
●ダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング) 予選5位(20秒4777)
予選アタックは1周すべてを全開で回れたので、もっと良いタイムが出せると思っていた。ウィングの角度が僅かにつき過ぎていたのかもしれない。ショート・オーバルでは上位のグリッドを獲得することが重要で、少なくともそれは達成できた。マシンのハンドリングは、単独走行でも集団の中でも、とても良いものにできている。エンジニアとデータを再検討し、レース用のマシンはさらにハンドリングとパフォーマンスを向上させるつもりだ。
●ロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング) 予選13位(20秒6418)
今回から使用しているショックアブソーバーにトラブルが出たために、午前中のプラクティスはほとんど走ることができませんでした。それによって大幅にスケジュールが遅れたわりには、予選でのマシンは良いものにできていたと思います。13番手というのは、決して喜べるポジションではありませんが、明日のレースでのマシンをどのような方向性に仕上げるか、これからエンジニアとジックリ話し合います。すぐに周回遅れになってしまうポジションではないんですが、僕らのような小さなチームの場合、ギャンブル的なマシンセッティングをトライすることも考えた方が良い場合があると思います。
●松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング) 予選15位(20秒6646)
予選結果は満足の行くものではありませんが、レース用のマシンセッティングはとても良いものになっています。レースでは、冷静に、そして粘り強く走り続けることで上位へとポジションを上げて行くことができると思います。ショート・オーバルでは確かに予選順位の重要性が高いんですが、今年のクルーたちはピットストップのスピードも上がっているので、ピットインでポジションアップすることも可能だと信じています。
 
●和田康裕:HPD 社長
開幕戦で出たトラブルに対処を行なったエンジンを今回は持ち込んでいますが、予選までのパフォーマンスはほぼ満足の行くレベルに達していました。ポールポジションを獲得したタイムについても満足しており、ライバル勢との力関係は、開幕戦とほぼ同じものになっていると見ています。ブライアン・ハータのポール獲得は、意外な驚きでもありますが、彼は合同テストからクルマがとてもまとまっており、安心して走って良いタイムを出せています。ダン・ウェルドンも仕上がりは良好なので、明日のレースでも彼らの走りには期待ができるでしょう。